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原点回帰!手描きでデザイン ~PCを捨てよペンを持とう~

Ateam cyma Advent Calendar 2019 の 9日目です。
9日目にして、初のエンジニアじゃない投稿!今日は「原点回帰!手描きでデザイン」の話をします。

うちで働くデザイナー

弊社の弊事業部で働くデザイナーは、Webデザイナー、UI/UXデザイナー、マークアップエンジニア、フロントエンドエンジニア等の区別はなく、一括りにデザイナーと呼ばれています。
デザイナーは全員、販売グループに所属しているので、時にはマーケターやディレクターあるいは自転車屋の店員さんのような頭の動きが必要になります。
つまりは、広いスキルが求められるので自分の専門領域を広げていかなければなりません。しかし領域を広げていくほど、それぞれの専門分野でのスペシャリストへの敬意が高くなってきました。
その中でもグラフィックについて考えた結果、さらに振り切って「手描きで描くこと」について記したいと思います。

自分のなかで「デザイン」を変えたきっかけ

さて、皆さんは「デザイン」と聞くと何を思い浮かべますか?
私が子供の頃はデザイナー=ファッションデザイナーで、新しい服のイラストを書いて提案する人だと思っていました。ある日ガムのXYLISHの外箱が片側からしかスライドしないことと、半分食べ終わったら外箱がコンパクトになることを知人に「すごくない?」と話したところ「いいデザインだよね」と言われたことで、私の中のデザインという言葉が変わりました。

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デザイン領域はオーバーラップする

このXYLISHの外箱については、いろんなデザインが織り混ざっているものだと思います。
「手に取りたい魅力的なパッケージ」を考えるとグラフィックデザインの領域ですが「片方からしか開かないように」設計するのはプロダクトデザインでしょう。そして「カバンの中でコンパクトに収納できたら便利だよね。」という体験を生み出すのはUXデザインの領域と言えるでしょう。
では、このガムが発売開始された1997年にUXデザインという言葉は一般的だったと言えるでしょうか。その頃の私の中ではデザイン=ファッションでありました。

「デザイン」という言葉の捉え方の変化

そして時は2020、「デザイン」という言葉の捉え方が広がってきており、
Webデザイン、グラフィックデザインからUI/UXデザイン、サービスデザイン、ビジネスデザイン、そしてデザイン思考とかデザイン経営とか、目に見えないものもデザインが関わっているということにデザイナー以外の人も意識し始めている時代になってきていますよね。そして今までデザイナーと呼ばれなかった人たちもデザインについて考える必要性が唱えられています。
その一方で、ビジュアル領域のデザイナーにはより専門性の高いビジュアル表現ができる人の需要が高まっていると感じています。

求められるビジュアルのレベルは上がってくる

2018年のDesignshipで、ビッグデータから導き出されるビジュアルトレンドというセッション(*)で、Authentic(=本物の)というワードを挙げていました。技術の進歩と共に素人でもハイクォリティな写真が撮りやすくなっている時代に、負けてたまるかと本気を出してきたプロたちの、真似できないビジュアル素材が増えてきたようでした。今後はもっと気軽に写真の加工ができたり自動でレイアウトを作成することもできるようになるでしょうから、これはトレンドに留まらず、プロとして求められるビジュアルのレベルは上がっていくのではないでしょうか。
(*2018年 Designship ゲッティイメージズ ジャパン株式会社宮本さんの話を聞いて)

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差別化できるビジュアルとしての手描き

ではハイレベルなビジュアルを作るのは簡単にできるでしょうか。
Adobe製品の操作はチュートリアルを見れば習得できます。UIについてもある程度の正解があります。しかし、ビジュアルで人の気持ちを惹きつけるスキルは、広いデザイン領域の中でも、圧倒的に時間がかかるのではないでしょうか。ビジュアルでオリジナリティを出し、独自性をつくることは非常に難易度が高いです。どうすれば、真似できないビジュアルを作れるか。その答えの一つとして手描きがあると思います。

手描きのオリジナリティ

私が思う手描きの一番の良さは、それだけで唯一無二のでオリジナルであることです。手で描くというだけで必ずその人らしさが出るので、個性や独自性を出すことに悩む必要はありません。そして手描きなら多少下手でも目に留まりやすくなります。
SNSに上がっているイラストや4コマ漫画をつい見てしまったことはないでしょうか。(*)
先日も、とある映画の感想漫画がtwitterで同時に公開されたことがステマ疑惑となり、ついには映画会社がお詫び文を掲載するほどの騒動になっていましたね。
もしこれが人の目に留まらず拡散もされないものであれば、ここまでの騒動にはならなかったと思います。それだけ手描きには人の目を引く魅力があります。

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(*写真内の漫画は@_Kazami__さんのツイッターより)

手描きの世界は寛容

もう一つの利点として、手描きのものに対してマウントを取ってくる人が少ないです。グラフィックやUIのデザインに比べて優劣がつけづらく、ダサい、見辛い、使いづらい、わかりにくいと言ったような批判はされないです。
これは私が受ける印象ですが、描くのが上手な人って、人の描いたものを見るのが好きな人が多いです。
どの分野にも言えることですが、最初から上手な人はいません。
そして、一度上達すると下手に戻ることが難しいので、下手ならではの味を出すのが難しいです。子どもの頃に描いた絵をもう一度描くことはできませんよね。
手描きの世界には、正解がないのでスキルでの上下関係はないように思えます。

手描きの始め方の参考

自分の好きなものを描くのが一番だと思いますが、何から始めていいかわからないと言う方のためにいくつか良さそうな手描きデザインの始め方を紹介します。

スケッチノート x TEDやテレビ番組
先日グラフィックレコーダーとして活躍されている守隨さんが、前田裕二さんゲストのテレビ番組ANOTHER SKYのスケッチノートをtwitterにアップされていました。
私もドラマを一枚のグラフィックにしようとしたけど、情報の取捨選択が整理しきれず完成しませんでした。ANOTHER SKYだけでなく、TEDの内容にグラレコの練習に使われると言う話も聞いたので、短めのテレビ番組やTED等でスケッチノートやグラレコの練習をするのは良さそうだな、と思いました。

アーバンスケッチ x 手帳
アーバンスケッチとは、なんやらかっこいい名前ですが屋外での風景スケッチです。私はこれを手帳に描きます。がっつりスケッチブックに描き込んだものではなくて、「まぁ暇だったから外出ついでに描いただけだよ」と言い訳ができるので手描きのハードルが下がります。
下の写真は同じ時間に同じ場所でスケッチしたものなのですが、描く人が違うので全く違うものになりますよね。

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偏愛マップ
偏愛マップは自分の好きなものを一枚に描いていくものです。イラストを使ってもいいですし、文字だけでもいいです。イメージは自分の中のいいねリストを一枚にまとめたものです。
自己紹介をするときに、偏愛マップを見せれば、好きなものの共通点を見つけてもらったり、これってどんなものなの?と興味を持ってもらえることで、話がはずみます。
自分の話はつまらないと思ってる人や、自己紹介が苦手な人にぜひおすすめです。

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まとめ

広がっていくデザインの話をすると日が暮れてしまうどころか、朝になってしまいかねないし収束しないでしょうから、自分がいま改めて魅力と重要性に気づき、興味を持ち出した手描きデザインの話に振り切ってみました。
手描きデザインはペン一本さえあれば始められます。新しいソフトも特別なスキルも要りません。
なんでもいいので是非描いてみましょう。そしてできれば全世界に発信してみましょう。
今のなに?って言われる淡い期待を胸に。「おっ」と言われるかもしれません。そのさきに手描きデザインの沼が待っていますよ。


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