見出し画像

高ROEの重要性

近年、日本企業の間でも経営に関する指標としてROEに注目が集まっています。ウォーレンバフェットが投資先を選定する際に重要視する指標としてもよく知られています。
計算式をおさらいすると以下の通り。

ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

式を見ると、株主の資産に対してどれだけ効率的に利益を得られるかという指標であることがわかりますね。
それじゃあROEが高い方を選べばいいんだな、ということですがもう少し掘り下げてみましょう。

ROEが高いとされる15%水準(バフェット関連の本ではこの辺りの数字が選定基準として推奨されていたと記憶しています)と、日本企業の平均に近い5%を比較してみましょう。

両社は、毎年ROEをキープしながら純利益を内部留保すると仮定します。
下図で、両社の初年度の自己資本を100とします。10年後の数値に注目してみて下さい。

ROE15%の企業は、自己資本と純利益が共に3.5倍になりました。
一方で5%の企業は、1.5倍にしかなっていません。
この場合、ROE=利益成長率となっていることがわかります。

参考のため、毎年純利益の半分を配当に回すケースを見てみましょう。
(配当を行った場合は、自己資本に利益が加算されません)

このケースでも大きな差が出ています。
1年目にROE15%の株を買ったなら、10年後には株価と配当額の両方が倍になっているでしょう。ただし、配当を行っている分、企業の利益成長は鈍化しています。

企業が利益を適切に、つまり効果が期待できる投資に使えば、ROEを維持しながら成長することができます。逆に、資本配分を誤ると自己資本は膨れる一方、利益成長は鈍るため、ROEは悪化するのです。

結論として、重要なのは高いROEを長期に渡り維持していくことです。
長期投資家にとっては、企業がその能力を持っているか?
その判断をすることが至上命題であると言えます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?