セットアップの魔物 (#4)
高校生の間、ぼくはオシャレと全く対極の位置に鎮座していた。
”制服さえあればいい日常”を存分に謳歌していたからである。
というのも友達があまり多くなく、その友達もみんな内向的な性格だったために休日に友達と遊ぶことをあまりしてこなかった。そのおかげでぼくの日常には私服というものが必要なかったのである。
しかし大学生になった今もなお制服で生活しようものなら、新たな学友たちは目をそらし、旧友は物理的にも精神的にも距離をとり、キャンパスライフという海に孤独の道がモーセのごとく開