世界に開いた穴

月。
月は大抵見える。
昼、夜に関わらず、一通り空を見渡すと見つけることができる。

教育を受け続けると、あれは月という星の1つなのだと教えてもらえる。
でも、どうしても特別な存在に感じる。
余りにも丸すぎる。
満月の夜などは特にそう。
見れば見るほどに丸い。

そしてのっぺりとしていて現実味がない。
月って世界に開いた穴の様に思える時がある。
惹き込まれる何かがあって、見つめてしまう。

月を眺める時、空に月を探す時、他に何も考えていないと気づく。
とても落ち着く。
あの穴の向こうには何か別の世界がある様な。
この世界の色んな膿が穴から溢れている様な。

歩いている時、ふと見つけた月も都会ではすぐに見えなくなる。
遠くが見えない街並みが精神に与える影響は小さくないだろうと思う。

帰り道、空や遠くの山々を眺めて季節の移ろいを感じる。
週末は近くの山でハイキングでもしようかと計画を練る。
そんなことを考えながらこの星や日本の風土をたくさん好きになりたいと思う。

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