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色即是空、空即是色

色即是空(しきそくぜくう)、空即是色(くうそくぜしき)

「色即是空」は物質的な色、そのものは実体性が存在せず空(くう)のようなもの。後半の「空即是色」は前半の否定の反対で肯定しているもの。
すなわち色は空で実体性が無きもの、煩悩や妄想などの雑念を取り除くものであり、その逆も然りで執着を持てば全てのものは其処に現象として実在しているものであるという事である。

全く興味が無い人にとっては何も気にならない「空」である物も、愛着や執着があればそれは実体性を持ちえるという。この世のものは恒常的な実態が無く、全てのものは縁起で繋がっているという如何にも仏教の教えらしい言い回しの言葉だと思う。

なんて小難しい話がしたかったわけではなく、今の自分にとって「色」とは何だろうと思う事しばしばあり、目に見えたもの形は刻々と変化をし実態は存在しないという思想は良い得て妙。

人の趣味嗜好は刻々と変化し、今の自分が一番欲しているものが必ず生涯ずっと普遍的に続くものではないと説いている訳だが、今回はそんな「色(ルーパ)」について筆を走らせてみよう。

………

と、言ってもルーパの話なんて誰も読みたいくないし、興味も無いだろうから言い換えて「色(いろ)」の話に挿げ替えよう。

えっ、強引じゃないかって?何の話だっけ。

景気の良いカラーネーム

さて色と言えばその時の流行り廃りを繰り返す時代を映す鏡なのだが、最近のトレンドは少しシックな方に傾倒しているような印象を持っている。
そこでいつの時代も大変景気が良いカラーネームに的を絞ってみたところ、特に自動車に関しては景気の良い名前がいつの時代も存在している。

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まず、手始めにトヨタの高級SUVであるハリヤーですが「スパークリングブラックパールクリスタルシャイン」もうね景気が良いね、必殺技みたい。

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そして最高級車センチュリーだが
・神威(かむい)エターナルブラック
・摩周(ましゅう)シリーンブルーマイカ
・飛鳥(あすか)ブランキッシュレッドマイカ
・精華(せいか)レイディエントシルバーメタリック
もうよく分からないが流石のセンチュリーである、突き抜けている。

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ちなみにオートバイでは郵政仕様のヤマハメイトの赤色は「ロマンティックルージュ」というカラーネームなのは筆者が前職の際に度肝を抜かれた名前の一つである。

郵政赤(あか)で良いじゃん。

閑話休題 DAVOSシリーズのカラーネームの癖

さてそんな雑文だが、今回伝えたいことは今年から私が愛用している自転車DAVOS D-309のカラーリングである。

メーカーの中の人曰く「ペットネームを付随するには世界中の商標登録など重複しないか確認する作業が入ってしまい、余計なコストが反映されてしまうため、それを回避する意味も込めて伝統的なナンバリングで対応している」との事だった。

DAVOSは昨年から新型車攻勢が続き
・D-309 ネオスポルティーフ
・D-604 ネオランドナー
・M-605 オールテレイン

とラインナップの拡充が図られオフロード地形に対して万全の体制を気づきあげている。

そんなDAVOSシリーズ、ナンバリングモデルばかりで少し味気ないな……と思っていたのですが、どうにもこうにもカラーネームが少し癖がある。

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D-309のカラーネームはForest Dawn Grey(フォレスト ドーン グレー)
公式サイトにはこう記載がある。
「明け方の森の中を走り抜けるシーン」をインスピレーションするカラー。
メタファーである、メッタメタにメタファーである。
ピンとくるようなそうでないような、まぁそう言われるとそう感じなくもないし、そうなんでしょう。余談ですが私は「フォレドン」と呼んでいます。

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続いてD-604ですが、マットブラック、マットオリーブグリーン。
うん、普通。と思いきや、限定で発売された色の中にはMorning Haze Blue(モーニングヘイズブルー)
説明には「霧の立ち込める早朝の、あの美しく幻想的な青をイメージしてカラーリング」
だんだんと、言われてみればそんな気もしてきました。

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そして最後にM-605ですが、こちらは2色展開で、山間部にある湖畔をイメージしたLake dull blue(レイク・デュル・ブルー)

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そして、どこまでも広がる砂漠をイメージした【Wandering Desert(ワンダリングデザート)
と、もう言われてみればそのようにしか見えなくなってきてしまうネーミングです。

ペットネームが着けづらいという事を逆手に取り、特徴的なカラーリング展開を独特のネームで構成しているDAVOSシリーズ。
「ペットネームが着けられないからカラーネームには拘った」という開発者の思い、しかとムネに響いたぜ…。
遊び心のあるラインナップに少し捻ったカラーネーム、見た目の印象が大事な自転車にとっては非常に大きな要素となり得ます。

ちなみに私が語感で一番好きな色の名前は
「トランスペアレントアイアンオキサイドブラウン」です。

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