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指からでまかせ マメ

履き慣れない靴をしばらく履き続けていたら、足にマメができてしまった。
「痛いんだよなぁ」とマメをツンツンしながら針で刺そうとすると
「やめてください、その針で刺すのは貴方も痛いし私もツラい」と文句たらたら。
でも私も足の違和感がすごいから、やっぱり刺してみる。
「痛い痛い、私だって好き好んで貴方の足にできた訳ではない、靴を間違えた貴方にも責任があるわ」とか汁を出しながら恨み節つらつら。
「でも足が痛いし、マメ治したいし」と答えるとマメは「同じマメでも食卓の豆は食欲に求められて羨ましいわ」なんて言うものだから思わず
「でも、鬼に向けて思いっきり投げつけられ、捨て駒のようなひどい扱いを受けるよ…」
何かを悟ったように「それでも誰かの役に立つ…」
最後にそんな言葉を残して萎んでいくマメ。
マメ界のヒエラルキーに悩む私。

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