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 角煮角煮と言うけれど、豚を角に切ったのはわれわれ人間のほうだ。そのことに気づいて以来、角煮を見ると人間の傲慢さを思い出し吐き気がするということはなくばくばく食べる。

 料理のネーミングで言うと「よだれ鶏」だ。思い出すとよだれが出てしまうほどおいしい、みたいな意味だと思うが、どうしてもくちばしの端からだらだらよだれを流しつつ襲ってくる狂ったにわとりをイメージしてしまう。

 その狂ったにわとりを調理してみました。と、店主は大皿を出し、わたしたちはばくばく食べた。

(妄想角煮/KAKUNI)

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