昼下がりのスクランブル
ガシャンッ!という音とともに、あたり一面が濃い黄色に染まった。間髪挟まず、我が我がと愛犬3匹がそれに群がる。ゾンビ映画さながらのその光景を前に私は立ち尽くしていた。現実世界に引き戻されたといった方がいいかもしれない。耳から片っぽだけ外れたイヤホンから、さっきまで心地よかった流行りのポップスが、私を嘲笑するように淡々と聞こえてくる。
9時12分、遮光カーテンの間から漏れてくる光を頼りに目を覚ます。昨夜は10時ごろ寝床についたが、なかなか眠ることができず本を読みながら眠気を待っ