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タイムマシーンに乗って

過去の僕がやって来た。
タイムマシーンに乗って。

✳︎

最近、ある人と連絡を取っている。

僕は今まで自分から連絡先を教えたことが無い。
妻でさえ自分からは聞かなかった。
連絡先を聞かれても、断ることも多く、
僕の連絡先はごくごく僅かだ。

でも、ある人には自分から連絡先を教えた。
ある人は僕に言う。
「なぜ、そんなに優しいの?」と。
僕も自分自身のことなのに、
何でだろう?と自問した。

最近、その答えが薄ら分かった気がする。

✳︎

ある人のことは僕も詳しく知らない。
会ったこともないし、
顔も知らないし、
性別も年齢も分からない。

でも自分でも不思議だけど、
ある人のことが放っておけない。

連絡を取れば取るほどに、
放っておけなくなる。

その答えがようやく分かった。

ある人は過去の僕がタイムマシーンで
現在にやって来た人だったのだ。

もちろん比喩表現だけれど、
可能性がゼロでは無いとも思う。

それほど妻と出逢う前の僕とシンクロする。

家庭環境の苦悩や人に対する不信感、
自己否定感の強さ、仕事での立ち振る舞い。

どれをとっても過去の僕だ。

ある人とのやり取りは、
過去の僕と現在の僕とで
交換ノートをしているようで、
自分の人生を振り返っているように思える。

だからこそ僕が妻と出逢って、
少しずつ変わったように、
過去の僕のようなある人も、
キッカケ一つで変われる気がしている。
(現状に満足してる!と言われるかもだけど)

僕はある人がきっかけを掴むための、
つなぎ役になりたいと願う。

これ以上、過去の僕が崩れないように、
これ以上、過去の僕がツラくならないように。

ある人とはこれからも、
きっと会うことはない。

だけれど、
いつかどこかの街で屈託のない笑顔のある人と、
知らない間にすれ違うことを夢見ている。

それまで過去の僕のために、
現在の僕を全うするよ。


メガッパ

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