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オッサンになってから、数学を学び直すということ

中学、高校と、数学の成績は滅茶苦茶悪かった。
別に進学校にいたわけではない。髪を染めてバイクに乗るような不良が溢れかえっていた学校だった。
そこで、成績が悪かったのだから、数学のセンスは全くなかったのだろう。

だが、数学に対して興味はずっと持っていた。
わたしにとって数学は魔術だった。理屈は分からないが、この世界の根源へと至ることができる、魔法の言葉…。

だから、大人になってから、小平邦彦先生や、高木貞治先生の入門書を読んでみた。(今も読んでいる)
面白かった。学校の教科書ではまるでつまらなかった図形についての幾何学が、美しく記述されている。
同じ教科書でも、天才の書いたものは何かが違うのだろう。

例えば、正十二面体をコンパスと定規だけを使って組み立てる方法。
分度器は使わない。
なぜそんなことができるのか分からない。でも、きちんと正十二面体になることが、自分でやってみると分かる。背後には、何か数理があるのだろう。だが、直観だけでは分からない。
図形の持つこの不思議な性質に心を打たれたから、私も、オッサンになってから数学を学び直す価値があると思えたのだ。

小平先生と高木先生は、戦前生まれの人だが、今も、新しい数学ファンを生み出し続けているに違いない。
そして、「学生時代に数学の成績が悪かった」人でも、実は楽しめる数学の分野があることを、教えてくれる。この世界の背後でうごめく不思議を感じる力は、劣等生だからこそ持っていると言うこともあり得る。

オッサンになってから勉強しだしてどこまで行けるか分からない。だが、基礎から一歩一歩、勉強していこうと思う。

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