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言葉を奪うなら苦しみも背負え(ザ・ワーズ 盗まれた人生)

「ザ・ワーズ 盗まれた人生」を観たので、レビューします。

【作品情報】
監督:ブライアン・クラグマン、リー・スターンサール
出演:ブラッドリー・クーパー

【おすすめ度】
★★★★★★☆☆☆☆(6 / 10)

【あらすじ】
作家デビューを夢見るロリーは傑作を生みだそうと、仕事の傍ら言葉を紡ぐ日々を送っていた。デビューとは程遠い現実に打ちのめされつつあったロリーは、ある偶然から謎の小説の原稿を手に入れてしまう。その内容は、彼がどれだけ望んでも到底生み出せない、紛れもない傑作であった。苦悩の末、ロリーはその傑作を自身のデビュー作として出版してしまう。

【感想】
 ある男が書いた小説の主人公が書いたある男が主人公の小説が、実は小説の主人公が書いた小説ではなかったという小説を題材とした映画です。文字だけだと意味不明ですが、とても面白い題材だと感じました。終盤までは更なる展開があるのかな?という期待もあったのですが、残念ながら何もありませんでした。題材がいいだけに、もったいないと思います。
 映画を通して作家という生き物が味わう理想や現実のギャップ、焦燥感や余裕のなさ、生みの苦しみなどの一端を知ることができます。凡人は目指しちゃいけない領域ですね。才能がないと無理ですし、才能があっても無理ですし・・・ことによれば。
 途中まで面白い尻切れトンボ感のある映画でした。何となくそういうことなのかな?と、分かりそうでいて分かりそうにないラストが特に、秀逸ではありませんでした。

【シーン抜粋】
老人がロリーから謝罪を受けたシーンにて。俺のものがお前のものならいいとこどりだけするんじゃないと、ジャイアン化したロリーを窘めるセリフ。

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