年をとると好きだったものも、それほど特別じゃなくなる(ハート・ロッカー)
「ハート・ロッカー」を観たのでレビューします。
【作品情報】
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジェレミー・レナー
【おすすめ度】
★★★★★★★☆☆☆(7 / 10)
【あらすじ】
イラクのバクダットで爆発物処理に従事するアメリカの部隊長が殉職し、新たな部隊長としてウィリアム・ジェームズ一等軍曹が就任した。彼は爆発物処理のスペシャリストであったが、まるで危険を顧みない理解に苦しむ行動が多く、他の隊員たちは不満を募らせていく。彼らの任務が終わるまで、まだ1か月以上の期間が残されていた。任務を無事に終え、彼らは生還することができるのか・・・
【感想】
アカデミー賞を受賞した、紛争地帯における爆発物処理班の日常を描いた作品です。テーマが骨太で大きな起承転結がある訳ではありませんが、予期せぬ襲撃や意図せぬ爆発など、常に死と隣り合わせの緊迫した状況が続くため、退屈することはありませんでした。
爆発物の解除が成功することもあれば失敗する時もあり、仲間が死ぬことも日常茶飯事。序盤こそ主人公のクレイジーさが際立つように思えますが、異常な状況下では正気でい続けることの方が難しく、爆発物処理という仕事が精神的にもいかに過酷であるのかが分かる映画でした。
一方で、日本では戦争や紛争がアメリカほど身近ではありませんので、この映画がアカデミー賞を取るほどのものなのかどうかは、ちょっと疑問に感じました。見応え十分な作品だとは思いますが。
【シーン抜粋】
任務を終えて帰還したジェームズ軍曹が息子に語り掛けるシーンにて。加齢に伴う虚しさのうちの1つを述べたセリフ。