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孤独を怖れずにむしろ喜びたい、たとえ悲しくても(私、オルガ・ヘプナロヴァー)

「私、オルガ・ヘプナロヴァー」を観たのでレビューします。

【作品情報】
監督:トマーシュ・ヴァインレプ、ペトル・カズダ
出演:ミハリナ・オルシャンスカ

【おすすめ度】
★★★★★★★☆☆☆(7 / 10)

【あらすじ】
 裕福な家庭で育った22歳のオルガ・ヘプナロヴァーある日、停留所でバスを待つ多くの人間をトラックで轢殺する。その動機は社会から受けた苦しみに対する報復であり、社会へ罰を与えるためだった。何が彼女をそうさせたのか、その背景には、果たして何があったのか・・・

【感想】
 チェコスロバキアに実在した最後の女性死刑囚オルガ・ヘプナロヴァーをテーマに映画です。裕福な家庭で育ちながらも常に孤独を抱え、徐々に精神的にも追い込まれていった彼女が、どういった思想で凶行に及んだのかが劇中で描かれます。
 彼女のとった凶行に対する動機は、理解が難しいながらも無差別殺人に手を染めてしまう、無敵の人に共通する孤独感や考え方が垣間見れ、社会に対する違和感や拒絶感を少なからず抱える孤独な人間には、何か考えさせられるものがあります。
 モノクロの映像や殺伐とした雰囲気などが、どこかシンプルな美しさを感じさせる映画なので、救いようのないテーマながら不快感を感じずに最後まで観れました。あと主演の演技が素晴らしいです。

【セリフ抜粋】
「孤独を怖れずにむしろ喜びたい、たとえ悲しくても」
オルガが自身の気持ちを独白し書き留めるシーンにて。どう足掻いても孤独なセリフ。

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