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誰だって独り言を言い自分の理想像を頭に描く(ファイト・クラブ)

「ファイト・クラブ」を観たのでレビューします。

【作品情報】
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:エドワード・ノートン、ブラッド・ピット
劇中歌:Where Is My Mind

【おすすめ度】
★★★★★★★☆☆☆(7 / 10)

【あらすじ】
車の保険会社に勤める不眠症のジャックは、出張中どこか奇妙で親近感を覚える男、タイラーと出会う。成り行きで彼の家に泊まることになったジャックは、条件として殴り合いをするようお願いされ、これを引き受ける。暴力の快楽に目覚めたジャックは、タイラーとの殴り合いを続けるが、そのうち野次馬たちも参加するようになっていった。それは憂さを晴らしたい者同士の殴り合いを目的とした、ファイト・クラブ結成の瞬間だった。クラブは会員同士の純粋な暴力を目的としていたが、徐々に部外者への犯罪、さらにはテロ行為にまでエスカレートしていき・・・

【感想】
 セブンで有名な監督の映画です。代わり映えしない日常、タスクをこなすだけの日々、鬱積していく何か・・・中年の危機を迎えた男たちの血沸き肉躍る青春ドラマかと思いきや、全然違いました。ファイト・クラブは途中から犯罪、引いてはテロ行為を及ぶまで発展していき、危機感を覚えた主人公がそれらを阻止するため奔走しますが、何かがおかしいことに気付きます。敵は一体何なのか、闘うべき相手は誰なのか?というサスペンスでした。
 SFではありませんがややファンタジックで、主人公のセリフ回しが逐一ハイセンスで秀逸でした。この映画でしか感じられない独特の味わいがあるので、カルト的人気があるというのが理解できます。現実逃避、精神遁走、正気の喪失、狂気の快楽、暴力と犯罪、傷心と良心・・・詰まる所は、同一性を失った自我を取り戻す話ですが、まあ内容の濃い映画でした。

【シーン抜粋】
主人公がタイラーの正体に気付き対面するシーンにて。仮想の理想が夢想と化すか現実化するかは自分次第なセリフ。

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