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『007/スカイフォール』

2012年公開サム・メンデス監督『007/スカイフォール』。
007シリーズ第23作目。ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じる三作目だ。

ダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンド以前の作品を見ていないため全くの想像となってしまうのだがこの作品はダニエル・クレイグ以前のジェームズ・ボンド、そして007作品を素晴らしくリスペクトしていると感じた。前2作がリスペクトがないというわけではもちろんないが、今作はMI6という情報組織の存在とそのエージェントについて深く掘り下げたものになっていてよりジェームズ・ボンドという人間についてMI6についてより近づくことができる。

古き良きボンドとインターネットの普及、ネット情報のデマや最新式のワルサーppkなど現代要素もしっかりと含ませることで古き良き部分を残しつつ真新しい007を見れたような気がする。ボンドもセリフとして「復活」というワードを言っていたがまさにこの作品を大きく表しているワードだ。(007シリーズエアプ)

今作のオープニングがかなり好み。タイトルが出ると同時に落ちていくまさにスカイフォールという名にふさわしいオープニングでのタイトルの登場に、心臓を模したような赤い煙が髑髏へと変容していくのがみていて美しかった。

Qを演じるベン・ウィショーのイギリス英語が大好き。声質とイギリス英語がとてもマッチングしていて素敵。どこかで見たことがあると思ったら『メリーポピンズ リターンズ』のマイケルだ。彼はこれからの『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』にも出演するようなので活躍に期待だ。

~あらすじ~
”007”のコードネームを持つボンドは新人エージェントのイヴとともにトルコでの作戦に参加していたところ、MI6の工作員が殺害されテロ組織に潜入しているエージェントのリストが入ったディスクが盗まれてしまう。ボンドは犯人の乗った列車に乗り込み闘うが、Mによる指令により銃撃したイヴに誤射され渓谷に落ちてしまう。Mはボンドが殉職したと処理し、情報漏洩の責人を問われる。そのときMのコンピュータがハッキングされMI6本部が何者かの手によって爆破される。渓谷に落ちた後なんとか生き延び静かに過ごしていたボンドはテレビにて爆破の事件を知る。それを知ったボンドはMの元に戻り復活を果たす。はたしてディスクを盗んだ犯人、MI6爆破事件の犯人は誰なのか。犯人とM、ボンドのかかわりとは。そしてボンドの過去と復活。

”多くのものが奪われたとはいえ、まだ残るものは少なくない。
その昔、地をも天をも動かした剛の者では今はないとしても
今日のわれらは斯くの如し、
である英雄的な心が持つ共通の気質は
寄る年波と宿縁で弱くなったとはいえ、その意志力は
強く、努力し、求め、探し、そして屈服することはないのだ。”
(アルフレッド・テニスン「ユリシーズ」)


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