個人的タイトルが最高なマンガBEST5

タイトルがバチっとはまっている漫画って、面白いですよね。

私はよくタイトル買いするタイプです。
センス良いタイトルの漫画は読み終わった後にタイトルの意味をあれこれ考えるのが最高に楽しい。。あと大体中身も面白い。

そんなタイトルフェチの私が個人的BEST5を紹介します。


第5位『チ。-地球の運動についてー』

まあこれはそういう作りになってるからね。入るよね

あらすじ
15世紀前半のヨーロッパのお話。宗教の権威が非常に強く、「C教」と呼ばれる宗教が大多数の人に信仰されていました。C教は天動説を支持していましたが、ごく一部の賢い人間は、地球が動いていることに気づきはじめ徐々に「地動説」が形作られていきます。当然C教から激しい弾圧を受けますが、それに負けず秘密裏に地動説を研究し広めようとする人々の物語です。

最初にタイトルの「チ。」が表示されるのは、主人公が始めて地動説を認識した見開きのページなんですが、ここで「この漫画って地動説の話なんだ!チってそういうことか!」と結構グッときました。カタカナで「チ」と表記するのが地動説の原型ー概念の始まりみたいな印象を受けて良いですね。タイトルの句点が地球を意味しているのもおしゃれ度高いです。

漫画の構造も斬新で面白いですね。ローグライク系のゲームで何人も死人が出た上でクリアする感覚でおもしろいです(?)

第4位『我らコンタクティ』

この漫画なんでもいいからもっと広まってほしい。。

あらすじ
OL生活にうんざりしていたカナエちゃんが、ばったりあった同級生のカズキと一緒にロケットを打ち上げるお話。昔見たUFOに映画を見せたいという理由で主人公二2人が真っ直ぐ頑張る姿が感動的です。

コンタクティは地球外知的生命体と(通例友好的な)接触を行った人を指す用語です。小学校の時にUFOを見たカナエちゃんとカズキのことを指す言葉に見えるんですが、2人の周りの人間も巻き込まれていくうち変化していきます。周囲の人間が影響しあって変わっていく様は2人だけでなく”我ら"がコンタクティであることを表現しているいようで、読後はより好きなタイトルになりました。”我ら”の力強さがいいですね。

あとカナエちゃんもカズキも含めて、関わると全く知らない一面が見えてくるのは地球外知的生命体と一緒とも言えます。 
他人の奥底って案外分からないですからね。そういう意味でも我ら、私たち全員がUFOでありコンタクティと言えるのではないでしょうか。
ちょっと暴論かも笑

感想はこの記事が良かったです。一部似てるのでご紹介https://futbolman.hatenablog.com/entry/2019/04/17/120244

第3位『大ダーク』

最高!この4文字に600円払いました

あらすじ
その骨を手に入れれば何でも夢がかなうと言われているザハ=サンコが闇のニーモツ、アバキアンとともに宇宙を旅するお話。死ま田=デスや
一(はじめ)=ダメ丸など愉快な友達もでるよ。宇宙SF。

ダークに”大”を付けるセンスが感覚派の天才って感じがして大好きです。
内容は宇宙SFですが決して難解なものではなく、敵をバッタバッタと倒していく分かりやすいSF です。テーマや世界感はすごい壮大ですが、闇のアイテムや闇のパワーなどちょっと気の抜ける設定が多く、大ダークのタイトルに偽りないちぐはぐ感がいいですね。

一見荒唐無稽なタイトルに見えますが、大ダークという文字列に抱く感覚と漫画の雰囲気がぴったり一致しているのがすごい。。
ちなみに前作はドロヘドロを書いた人です。これもいいタイトル~~ 

第2位『メタモルフォーゼの縁側』

フォントも表紙も最高ですね

あらすじ
75歳の老婦人の雪は、ふと訪れた書店で表紙の絵柄が気に入り、1冊のコミックを手に取る。 雪はBLにハマり、これがきっかけで書店アルバイトの高校生、うららと漫画について語り合ったり同人誌即売会に出かけたり、共通の「好きなもの」を通じて交流を深めていく。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%81%AE%E7%B8%81%E5%81%B4

「メタモルフォーゼ」が大きな変化の時期であるJKのうららを、「縁側」が緩やかで変化の少ない日々を生きる雪を意味しているんですよね~(たぶん)
最初見た時はこの2単語の並びに違和感しか感じなかったですが、本来交わることがない2人がBLを通して仲良くなっていくのを見て、あーそういうことか。。良いタイトルだなあとしみじみ感じました。

うららは雪とBL友達になることで、心置きなく話せる心地よい場ができたという意味で「メタモルフォーゼの縁側」ですし、
雪はうららと友達になることで、まんねり気味だった余生を活き活きと過ごせるようになったという意味でも「メタモルフォーゼの縁側」と捉えることができます。最高!

第1位『明日死ぬには、』

この漫画のためにこの記事書きました。栄えある1位です。

あらすじ
本奈多子(ほんな・さわこ)、42歳、独身。映画宣伝会社に勤め、ハードワークをこなす日々。ある夜突然、心臓の動悸が止まらず、体が冷たくなって……。「もしかして私、更年期障害かもしれない⁉」。20代ほどがむしゃらじゃない、30代ほどノリノリじゃない。40代で直面する、心と身体の変わり目。突然の病気、更年期障害、取れない疲労、美容の悩み、お金の不安、これからの人生プラン……。切実に生きる女子たちの「40代の壁」を描くオムニバスシリーズ。

https://book.asahi.com/article/12437045

主人公の本名多子は、電車である本の広告を目にします。一部隠れて見えなかったものの、そのタイトルは「今日は死ぬには…」。多子はそのタイトルの続きを考えます。今日は死ぬには早すぎる?まだ早い?日が悪い?
実際のタイトルは「今日は死ぬには…」で終わりでした。いやいや今日って、、今日はないでしょと思う多子でしたが、最近の体の異変を思い出し考えます。今日はない。今日はないけど。明日は、、明日死ぬには

ここで一話が終わるんですよね~タイトル回収がすごい。。。
今日ではないが明日はありえるかもしれない、それぐらいの距離感に死が近づいてきていて、さてどうするか、その不安や葛藤が込められた「明日死ぬには、」というタイトル。すごいです。

また読点の「、」で終わっているところが良いんですよね。この漫画はオムニバス形式なんですが、どの登場人物も死を考え始めるお年頃。多子が一話で考えていたように、この「明日死ぬには、」の読点以降に入る言葉は登場人物それぞれによって違うわけです。それぞれが生きる意味やこれからの生き方を考える日常を描く漫画だからこそ、タイトルにあえて読点を入れているのではないでしょうか。今まさに終わり方を考えているところだと、そういった意図があるのかも。

話の中に出てきた小説とリンクするタイトル、またあえて読点でタイトル終えることで余白を想像する登場人物たちを描写し、さらにその描写自体がこの漫画のテーマであることから、正しくタイトルとして機能しているという恐ろしいタイトルです。100点!100点!100てーん!(オモコロ長嶋風)



はい。
ということで私的タイトルが最高な漫画BEST5でした。
中身ももちろん面白いので是非読んでみてください。ではでは


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