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今こそ読むべき神マンガ「大奥」の紹介

こんにちは

みなさんは最近の社会問題といったら何を思い浮かべるでしょうか

コロナは言わずもがなですが、男女の性差別的な問題も盛んに議論されていますね。医療系大学で女性だけ試験の点数を低くする事件が記憶に新しいです。また別の角度でいうと眞子様の結婚も驚きでした。連日様々な物議をかもしていましたね。


どれも突然の出来事で多くの人は驚いたと思います。

…ただこれらの真実に”よしながふみ様”はいち早く気づいておられました。

なんと最近起こった社会問題のほとんどが「大奥」(全19巻:2004年出版)という漫画に描写されているではありませんか!

これはもう今こそ読むしかない!

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…というのは大げさですが。

今こそ読むべき神マンガ というタグができたので紹介したいと思います。
好きな漫画紹介したいだけマン👶

あらすじ

男子のみを襲う謎の疫病が国中に流行り、男子の数が激減。男女の立場が逆転した世界に生まれた貧乏旗本の水野は、大奥へ奉公することを決意する。女性の将軍に仕える美男三千人が集められた女人禁制の場所・大奥で巻き起こる事件とは…!?

徳川政権時、謎のはやり病により男子の数が激減した結果、大奥が一人の女性に仕える男の花園になった世界を描く、歴史IFマンガとなっています。

斬新な切り口ですが設定の活かし方が非常にうまく、ただ男女の役割が逆転した以上の物語を展開しており、男女比が変化したことによる社会・政治的な展開へのわくわくと、大奥という異質な空間で育まれる恋へのドキドキを楽しめるめちゃくちゃ面白い漫画です。

ただ、漫画の評価としては「男女の立場を逆転」という設定からジェンダー論を語る道具として使用されがちな印象を受けます。(もちろん性差別を描いた話でもあるので良いのですが)

ジェンダー的観点以外にも良いところがたくさんあるので紹介させてください。

感想(2巻までのネタバレあり)

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2巻の主人公:有功

2巻が一番好きなので2巻の話をします。

37歳の高名な僧侶である「有功」は幕府へまみえるため江戸城を訪れていました。大奥総取締の「春日局」は有功一行へ遊女をあてがいます。清廉な有弘は当然仏教の教えに従い遊女の誘いを断りますが、断った瞬間弟子の一人が切り殺されます。
春日局は男不足により血筋が途絶えるのを恐れ、無理やり美男子である有功を大奥へ幽閉し「徳川家光(女)」との間に子をもうけ跡継ぎにさせようとしていました。

もう一人の弟子を守るため仕方なく遊女と関係を持った有功は結局大奥に入ることになります。弟子を殺された挙句、仏の道を踏み外し絶望する有功ですが、後に彼は春日局の本当の目的を理解します。

・疫病がはやり男手が減っている今、幕府の戦力は非常に衰えていること
・この混乱した世の中、幕府が倒れるとさらなる混乱の世となること
・平和を保つには「大奥」と称し男を集め戦力を維持することが重要なこと

この漫画のこういう描写の仕方が好きなんですよね。春日局をただの悪女として描写しない。なんなら盲目的に仏教を信仰しておけばよいと考えていた有弘のほうが、思考を放棄して現実逃避しているようにすら見えます。

そうして、仏教の無力さを知り、愛する弟子が殺され、仏道から外れ、何もかもなくして死にたいと絶望していた有功はついに、

ヒロインである徳川家光と出会うわけです。

ヒロイン:徳川家光(ここでは家光として紹介します)

権力の座に就き傍若無人な態度をとる彼女ですが、彼女もまた、子を産むため、幕府を存続させるため、大奥に幽閉され好きでもない男と寝る、時代に振り回された1人の少女でした。彼女と関わっていくうちに、哀れみに近い恋心が有弘の中に生まれてきます。そして彼女もまた、同じような境遇である有弘に惹かれていくのでした。ともに時代に振り回され絶望した人間通しが、大奥というシステム上絶対に幸せな結末になれないとわかってもいてもなお、この人のために生きようとそう決意しながら恋に落ちていく。人間の弱さと強さが余すことなく描写された恋。このあまりにも憐憫な恋は読む人を問わず感情移入してしまうのではないでしょうか。

ということで

2巻以降の話もめちゃくちゃ面白いので是非読んでください。

大奥は恋愛漫画としても歴史IF漫画としてもめちゃくちゃ面白いよというおはなしでした。


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