【短編小説】ビビットカラーと除湿機②
「この雨はいつまで降る予定なの?」 と言いながら、真っピンクのカバーに囲まれたスマホを弄ると「今日は一日中雨だって、やになる。一日中除湿機が手放せないわ」と言って、床においてある除湿機を手で撫でた。
「それって重くないの?」
「別に重くない。湿気に比べたらどんなものだって軽いの。わたしにとって世界で一番重いものは湿気」
彼女はスマホを、画面が割れることなど気にもしないように結構な音を立ててテーブルに置くと、いただきますと挨拶をしてから、ビビットな赤色の箸をまるで見本