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ビビットカラーと除湿機

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短編小説です❢ 息抜きにぴったりな小説だと思います❢ ぜひお読みください😊
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記事一覧

【短編小説】ビビットカラーと除湿器⑧完

 彼女のビビットカラーのパジャマを着たいという衝動に襲われてからというものの、それはまる…

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【短編小説】ビビットカラーと除湿器⑦

 玄関の扉を開けると、1人の着物を着たご高齢の女性が、いかにもこの家の主であるというよう…

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【短編小説】ビビットカラーと除湿器⑥

「いい天気。湿度さえなければ」  除湿機は彼女の周囲の湿度を容赦なく吸い、彼女は恍惚の表…

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【短編小説】ビビットカラーと除湿器⑤

 彼女は次の日から、本当に除湿機を背負う生活を始めた。  今日は日曜日だった。昨日の大雨…

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【短編小説】ビビットカラーと除湿器④

 映画館に着くと、彼女は一つ息を吐いて、「ここなら雨の音も聞こえなくていい」と言った。商…

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【短編小説】ビビットカラーと除湿器③

「これなんかどう?」  と彼女が見せてきたのは、いかにも純文学的な映画で 「それより、こっ…

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【短編小説】ビビットカラーと除湿機②

「この雨はいつまで降る予定なの?」  と言いながら、真っピンクのカバーに囲まれたスマホを弄ると「今日は一日中雨だって、やになる。一日中除湿機が手放せないわ」と言って、床においてある除湿機を手で撫でた。 「それって重くないの?」 「別に重くない。湿気に比べたらどんなものだって軽いの。わたしにとって世界で一番重いものは湿気」  彼女はスマホを、画面が割れることなど気にもしないように結構な音を立ててテーブルに置くと、いただきますと挨拶をしてから、ビビットな赤色の箸をまるで見本

【短編小説】ビビットカラーと除湿機①

 彼女は、ビビットカラーと除湿機、この2つをなによりも愛している。愛しているの度合いがど…

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