2023_富士ステークス/菊花賞の回顧
今週も、週末に行われた重賞レースについて、簡単に振り返っていくことにしましょう。
土曜 東京11R 富士ステークス
ここは、全体のレースラップが12.0 - 10.8 - 11.2 - 11.2 - 11.5 - 11.4 - 11.7 - 11.6。ダノンタッチダウンが奇策を打つ形でハナを主張して行きましたが、さすがにこのラップ構成になってしまうと、前の馬たちが粘るのは非常に厳しかったのではないでしょうか。
勝ったナミュールは、スタートの反応の鈍さは相変わらずでしたけど、明確な出遅れというほどの悪いスタートではありませんでしたし、その後のモレイラJのエスコートもほぼ完璧でしたから、「この展開になれば、この馬が普通に勝つよね」というレースだったように思います。
ただ、この勝利で「ピークアウトしたのではないか?」という疑念を払しょくすることはできましたので、その意味では次に向けて価値ある勝利になったのかな、と。
2着レッドモンレーヴは、こちらも展開、道中の立ち回りともピタリでしたから、順当な好走劇であったと理解すべきでしょう。ナミュールに完敗という内容はややもの足りませんでしたけど、安田記念のレースぶりからも、この馬のポテンシャルはだいたいこれくらいが限界なのかもしれません。
3着ソーヴァリアントは、想像どおり脚が溜まる形ならマイルでも対応はできました。ただ、この距離だとキレ負けするのも確かでしたので、やはりベストは1,800~2,000m戦ということになりそうです。
10着ジャスティンスカイは、レッドモンレーヴが2着と好走した中での惨敗でしたので、コンディション面が昨年の今頃とははっきり違っているということなのでしょう。前2走は、まだ敗因を説明できる負け方でしたけど、今回は言い訳無用の残念なレースとなってしまった。そんな印象でした。
◎ジャスティンスカイ → 5番人気10着
○レッドモンレーヴ → 4番人気2着
▲ナミュール → 1番人気1着
△ソーヴァリアント → 6番人気3着
自己評価 6/10点
日曜 京都11R 菊花賞
ここは、全体のレースラップが12.7 - 11.7 - 11.1 - 12.3 - 12.6 - 12.9 - 13.1 - 13.0 - 12.8 - 12.3 - 12.1 - 11.6 - 11.7 - 11.4 - 11.8。
スタートから3ハロン目が速いのは、外から積極的にドゥレッツァが位置を取りに行ったからですが、その後は前の各馬にしっかりと息が入る流れとなりましたので、結果論ではありますが、位置取りの差が大きく明暗を分けるレースになったのは確かでしょう。
勝ったドゥレッツァは、馬体にさらに身が入って抜群のデキに見えましたけど、今回に関しては、完全な「ルメール劇場」となった印象のほうが強かったですね。
ただ、一旦ハナに行ってから控えるという策は、よっぽど気性の安定した馬でないとできない戦法ですので、この奇策を可能にしたこの馬のメンタルの強さは、大いに称えないといけません。
それから、この馬の距離適性を疑問視した私の判断は、完全に誤りでした。もちろん、ジョッキーが外枠の不利をうまく打ち消したというのはありましたが、この馬自身にしっかりとしたスタミナがなければこんな勝ち方は絶対にできませんので、この点に関しては個人的に大いに反省しないといけないな、と。
2着タスティエーラは、3馬身半差の完敗ではありましたけど、この結果でも、この馬の能力の高さを見せつけることはできたように思います。パドックでは若干テンションが高めでしたし、お世辞にも100点満点のデキには見えない状態の中でのこの結果なら、大いに胸を張って帰ってほしいですね。
3着ソールオリエンスも、できる限りのことはできたんじゃないでしょうか。4角も思った以上にスムーズに回って来れましたので、それでタスティエーラに完敗ということは、今回は距離適性の差が出ただけ。そんな見方もできますので。
4着リビアングラスは、理想の形のレースにならなかった中では、大健闘と言える走りを見せてくれたんじゃないかと思います。もしも単騎で逃げる競馬ができていたとしたら、最低でもソールオリエンスには先着できたでしょうから、菊花賞ではこの馬が田辺Jの作戦の餌食になってしまったな、と。
5着サヴォーナは、序盤に位置を取り切れなかったのが最後まで響いてしまいました。その分、向正面でマクる大味な競馬になってしまったわけですが、それで5着なら、この馬の力は十分に示せたのかな、と。サトノグランツにはキッチリと先着を果たしましたし、もっと言えば、神戸新聞杯組最先着でもありますので。
6着ハーツコンチェルトは、やや中途半端なレースになってしまったのが非常にもったいなかったですね。せっかく前半でいい位置を確保できたのですから、4角先頭というくらいの強気な組み立てをしてもよかったのではないか、と。ただまあ、今の松山Jにそれを求めるのは違う気もしますので、「このコンビらしい着順に落ち着いた」というのが、ひとまず冷静な評価と言えるのかもしれません。
11着サトノグランツは、懸念していたとおり外を回って自分から動いて行く形になってしまいましたので、こうなると最後に伸び脚が衰えるのも、自然な結果ではあったと思います。ただ、前走と比べてパドックの気配が薄かったことも、もしかすると敗因の一端ではあるのかもしれないですね。
13着ウインオーディンは、勝負どころを前に最後方の位置になってしまいましたし、そこからサトノグランツに外に張られながら4角で大外にぶっ飛ばされては、さすがに勝負になりません。
ただまあ、それでも3着ソールオリエンスとは1秒差ですから、この馬を中心視したこと自体に大きな間違いはなかったと思っていますけど、やはりGⅠの舞台で三浦Jの騎乗馬を中心視したことに関しては、「冷静な判断を欠いたのでは?」と指摘を受けてもまったく反論できないですね。本当に要反省です。
◎ウインオーディン → 13番人気13着
○サヴォーナ → 7番人気5着
▲サトノグランツ → 3番人気10着
△ハーツコンチェルト → 5番人気6着
自己評価 0/10点
この週末は、超難解だった富士ステークスを悪くない読みでうまく乗り切れたものの、一発狙いに舵を切った菊花賞は、残念ながらさっぱりの結果に終わってしまいました。
ただ、置きに行って外すのは最低ですが、フルスイングをかけてかすりもしないのなら、それは許容できる結果ですので、来週以降も攻めの姿勢を常に貫き通していきたいとは思っています。
それでは引き続き、「本気の競馬力向上研究所」をどうぞよろしくお願いいたします!
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