MISSING YEARS その11~2003年の巻

傷心を引きずりつつ、なおも自らの方向性を失いJ-popのストレンジサイドに逃げを求めていた頃。その頂点は、10月15日にリリースされた星井七瀬のシングル「恋愛15シミュレーション」と共に訪れた。今日聴く曲は、全てその曲と時代性を共有しているという概念の下に聴かれることになるのである。そして、あまりにもシンボリックな曲がトップに選曲されてしまった…


「(いきなり歌い出す) いきなりこれか!当然買いましたよ。両さんバージョン選ばなかったのでよかった。この手のシングルはめちゃ買ってた。」


「イントロとかめちゃシティポップだし、あの手のラップさえなければめちゃいい曲って印象。ちゃんと生演奏を軸にトラック作ってるところがいいよね。今時めちゃよく耳に入る曲の一つ。この頃中高生だった人ももうみんな30代半ば超えてるってことか…まだまだ若年層やん。」


「(メインの歌い出しが始まる前まで) えっゴスペラーズ?福山?あっ長渕だ…思い出した。こんな洗練されたコーラスアレンジをやってたとは。93年以降だと『ひまわり』くらいしか印象に残ってなかったような…」


「やっとアゲアゲな曲がきたな。やっぱりこの人か…当時はどっちかというと若年層と女性以外に受けてたという印象で、CCCDだったし曲そのものが印象に残ってないんだな。谷村奈南も聴きたいよな。」


「(歌い出しで) B’z以外の何でもないな。この頃のでもサビに来るとちゃんと曲名が出てくるんだ。前年は選曲されてなかったのに。サビ部分がThe Weedsの “It’s Your Time” を空耳しそう。」


「あの辺の内省的な女性歌手だ…あ、そうか!柴咲コウだ。てっきり忘れてた。ドラマで歌ってたやつだな。あまり薬指動かなかったんだよね。上野樹里とか武井咲のCDは即買ったのにね。まぁ、この後妙なことになってるからね(汗)。」


「宇多田ヒカルか?この頃からちょっと影の方向に向かってたみたいだし、『Ultra Blue』にはあまり関心が向かわなかったな。」


「この人らしくスケールがでかい曲だけど、個人的にはそこまで印象に残ってないな。時代性が希薄でかえって新鮮に聴ける。」


「あげあげだな…(間奏明けで) これは歌手名見るまで思い出さなかったけど、声優と違うポジションのアニソン歌手の走りみたいな人。ガンダムだしね、普通のアニメファン以外にも結構浸透してたはず。下川みくにとかも聴きたいよな。ユニット名未定とかも。ヒスブルはかかんないよね。」


「これはあのグループでしょ。もろなタイトルだしね。個人的にいろいろあってこの人達にポジティヴな言葉を吐けないんだよ(以下社外秘な話が続く)。ケツメイシに好印象を抱くのはこの人達と比べてるからに他ならないのかも。でも、何言ってるかわからないラップは実は結構好き。」


「(歌い出し2小節目で) あ、あのカバーじゃん。そして、あのグループ遂に初登場。いろんなヴァリエーションに発展したけど、わかりやすいカバーでいい印象を与えたよね。今聴くとそんなにチャラさを感じさせないし、当時のボーカルの声がいいね。ゆずに続き、この企画やって初めて前向きな印象が抱けた。見直しました。」


「最後の方にこんな方向に行ってたのか。この人達っぽい歌詞ではあるけど。」

この曲が流れてた時、傍らで見ていたXのタイムラインにまさかのこの曲の当時放映された「演奏動画」が…ネガティヴなコメントが添えられてたけど、やっぱりね…しかし、何というシンクロニシティー…


「ロードオブメジャー…じゃない、(歌い出しで) 今度こそこの人達じゃん。ポップパンクの功罪ってでかかったと思うけれど、この人達でかなり流れが変わったし、メンバーのその後とか思うと素直に褒められないところがあるね。ちょっと『なごり雪』っぽいところがある。」


「この人の曲は例の『カラオケ混線事件』で初めてまとも(?)に接したような気がする(実はHYも…汗)けど、かなり精妙に音を作ってるところはいいね。この生活観には共感し辛いんだけどね。」


「これは解る。スカパラとWaT(ぉぃ)…いや、欣ちゃんが歌ってるの知らなかった。CCCDだったしね…あれのせいでまともに聴き損ねた曲がいくつあったか…」


「この声はあのグループだな。この曲の存在は忘れてたな。レーベルゲートCDだったし。『アゲハ蝶』や『ミュージックアワー』の印象はあんなに強かったのに。」


「あのグループ?かなりプリンス感があってかっこいいイントロだな。ここにフロー&エディのコーラスを入れたい。めちゃよくできた曲。」


「一気に時代が逆行したというか、これはあのグループ?前の回でDo As Infinityと間違えかけた人達だ!結局ボーカルの人のネタ度の高さで終わっちゃったし、曲のタイトル覚えてなかったな。どうせCCCDだったしな。時代逆行してるのに、歌ってる言葉が今のJ-popと全然変わらないな。」


「やっとこの名義の曲が来ましたね。いろいろ確信犯。でも、やっぱタイトルが思い出せなかった。すぐ解るのに。キャラクターとして強烈すぎたからね。」


「すぐ解った。この人達はデビュー当時めちゃ高評価してたんだよ。『パクろうぜ』騒動が起こるまではね。純粋にいろんなものを咀嚼してるところが妙に憎めないし、ナイアガラ直系なんてうっかり言ったら今じゃ炎上するんだろうけど、当時本当にそう思ってたもの。結局翌年の紅白で全部暗転しちゃったんだけどね。こんなにCCCDでどえらいことになってたのに、印象に残る曲多かったよねこの年は。」

「2003 JAPAN TOP HITS」から流れた曲は、この20曲でした。外れた10曲も、使ってた卓がハードオフに売られていたことで騒ぎになったバンドとか、タイトルをお菓子と混同しそうになる曲(イントロ3秒で解ったが)とか、もう一つのお笑い系大ヒット(これも当時買った)とか、層が厚すぎ、そして最後に大滝詠一「恋するふたり」が来ました…

①テツandトモのなんでだろう/テツandトモ
②夏の思い出/ケツメイシ
③しあわせになろうよ/長渕剛
④real Emotion/倖田來未
⑤IT’S SHOWTIME!!/B’z
⑥月のしずく/RUI (柴咲コウ)
⑦COLORS/宇多田ヒカル
⑧銀の龍の背に乗って/中島みゆき
⑨Believe/玉置成実
⑩JOINT/RIP SLYME
⑪Choo Choo TRAIN/EXILE
⑫true blue/ZONE
⑬空に唄えば/175R
⑭Boyfriend -part III-/Crystal Kay
⑮銀河と迷路/東京スカパラダイスオーケストラ
⑯メリッサ/ポルノグラフィティ
⑰ハダシの未来/嵐
⑱Starry Heavens/day after tomorrow
⑲je t’aime ★ je t’aime/Tommy february6
⑳上海ハニー/ORANGE RANGE

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?