”思い出す”雑な生活

ツイッターでけんさん（@nomorehole2）という方の４コマ漫画がよくリツイートで回ってきており読んでました。４コマの中身はどんな絵で描かれても面白そうなネタなのに丁寧で可愛い絵で描かれているところが好きになってフォローした記憶があります。ふと、ある日コミックの宣伝をされておりましたのであまり迷わず買いました。漫画が大好きなこともありますが、買うことに対して限りなくハードルが低いことが私の特徴です。

雑な生活

雑な生活は雑な生活をする会社員と雑な生活ではない看護師２人の友達関係が描かれています。
・ここからは若干ネタバレを含みます
私はこの漫画を２軸で楽しむことができました。
１つめの軸は絵が可愛い面白い日常漫画として、もう１つの軸は学生時代を懐かしむ漫画でした。

面白い日常漫画としての”雑な生活”ですが、主人公はだらしない生活を送りがちで一人暮らしをしていた同じくだらしなかった私にとっても、こういうことあったよなとうなずいてしまう場面が多々ありました。主人公と私の違いは「だらしない生活を送ること」の中にも何か工夫や面白さを見出して、自分なりに日々の生活を豊かにしようとしていることが面白かったです。
お金はそんなにかからないけれど、大人だからこそ出来る子どもみたいな遊びがよいのです。個人的に大好きなのは名前の知らないぬいぐるみです、人生の豊かさを感じますね(詳細は本編を読んでください)

学生時代を懐かしむ気持ちを全編を通して感じられます。それぞれ社会人であるものの会社での出来事にはほとんど触れられずに日常を描き続けているからというのもありますが、二人の関係にもそう感じる要因があります。
二人の関係は『大人になってから出来た友達のようなもの』と記載されており、お互いが遠慮なく仲良く言い合う様子も描写されております。所謂、馬が合う友達同士と感じます。
一般的に社会人から出来た交友関係はどうしても利害関係を意識してしまいがちであり、学生時代は気の置けない友達ばかりではないでしょうか。というのも、社会人になればなるほど何もしがらみのない出会いはほとんどなくなってくると思うからです。そんな時代の中でこの漫画は”社会人”になって出来た”気の置けない友達”同士の話を描いております。２人の子どもみたいな発想で中身のない面白い話が続きます。だからなのか、社会人漫画でありながら学生時代が懐かしく感じのでしょうか。
これが学生でもよかったのかもしれませんが、”社会人”だからこそ、２人の関係が希少でよりよく際立って、憧れも彷彿とさせるのではないでしょうか。社会人になってから出来た友達であるということに焦点を当てるために会社員、看護師という属性が割り振られているのではないかとさえ推測しております。
※しかし、大人になったできたとはありますが、社会人になってから出来た友達という明記はありません。もしかしたら成人して大学３年以降に出来た友達かもしれませんのでここはあくまでもこの人はこう読んだのだなとくらい思っていただけると幸いです。

個人的にはこの２軸で楽しく読むことができました。
お時間がある方はぜひ、この”雑な生活”で学生時代を思い出してください。