突発性難聴

突然の難聴、耳鳴、耳の詰まった感じ…みなさんも一度は経験があるかもしれません。

大抵の場合には数分で治ってしまったり、気にならなくなってしまったり。
特に問題にならないことが多いのですが、その症状が数日経っても改善しない場合、じつは突発性難聴かもしれません。


●突発性難聴とは?

読んで字の通り、突然起こる難聴のことです。
原因がある場合もありますが、大抵の場合は原因不明です。
ストレス、疲れ、体調不良がきっかけとなることもありますが、特にそういったことはない方でもなることもあります。
初発症状は先ほどの難聴(突然聞きづらくなる)、耳鳴(キーン、ジー、と言った音が突然大きな音で始まります。)耳の詰まった感じ(トンネルに入ったときや海に潜った後のような感じです)あとはめまいも同時に起こす方もいらっしゃいます。

難聴の程度は人それぞれになります。


●検査は何をするの?

聴力検査

:聞こえのレベルを測ります。

ティンパノグラム

:鼓膜の動きを見ます。

めまいの検査

:それぞれ施設により行う検査がありますが、よくやるのは目の動きを見る検査です。

MRI

:頭の中に腫瘍ができて聴力が低下することもあり、MRIで調べることがあります。


●治療は何をするの?

原因不明の病気であるため、まだ治療は確立されていません。
ここでは一般的な治療をご紹介します。

・ステロイド(飲み薬、点滴)

:国内では一般的な治療ですが、絶対に効果があるわけではありません。

・高気圧酸素療法

:酸素100%のカプセルの中に入っていただき、2気圧という高い気圧で1時間過ごしていただく治療です。活性酸素の影響で難聴が起こっている可能性があるという考えから、効果があるのではないかと考えられています。海外では主流な治療となりつつあります。

・鼓室内ステロイド注入療法

:鼓膜の奥の鼓室という部分にステロイドの点滴薬剤を注射する方法です。副作用がありステロイドの飲み薬や点滴ができない患者さんにも適応することができます。

・他、飲み薬

:神経の回復を助ける、血流を促進する内服薬が同時に処方されることがあります。


●治療後はどうなるの?

治療して、すぐに効果が現れる方もいらっしゃいますが、多くの患者さんは治療後2−3ヶ月ほどしてから効果が出現してきます。
ただし、全員が完全に回復するわけではなく、

1/3の患者さん:完全に元通りになる
1/3の患者さん:少し良くなるが元通りまではならない
1/3の患者さん:変わらない、もっと悪くなってしまう


という経過をたどります。
傾向としては、若い患者さん、難聴のレベルが軽度の患者さん、眩暈がなかった患者さん、基礎疾患のない患者さんは治りやすいと言われています(絶対ではありません)。
大体、半年以内に症状が固定するので、それまでの間聴力を外来でチェック、また飲み薬を続けていただくこととなります。


中には、難聴は治ったが耳鳴が続く、眩暈が続くという患者さんもいらっしゃいます。
その際には、また主治医の先生にご相談していただければと思います。

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