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【Historic Brawl】マナベース考察

概要

ヒストリック・ブロールがMTGアリーナに常設されることとなって日も浅いためか、マナトラブルで爆発四散していく人にかなりの頻度で遭遇する。土地が伸びない、色マナが出ない、タップインで思うように動けないなど。同じ100枚ハイランダーとはいえカードプールの違いすぎるEDHのセオリーはほとんど参考にならない。牧歌的マナベースならではのセオリーについて若干の考察をしようと思う。

土地の投入枚数

何枚くらい土地を入れれば良いのか考えるときの大雑把な目安として、特定ターンに引いている土地の期待値を出してみた。細かな確率よりも直観的な数値であると思う。

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この表の意味は「土地40構築なら先手4ターン目の期待値は4枚強」「土地45構築なら先手5ターン目の期待値は5枚」ということになる。毎回期待値通りの枚数の土地を引けるわけではないことには注意したい。大雑把に言って期待値以上の枚数の土地を引ける確率は6割程度である。「4割弱の確率で4ターン目に4枚目の土地を置けない」を許容しないのであれば、さらに多くの土地を投入する必要がある。

カラー・カウント

それぞれのデッキの事情に応じて個別の確率計算が必要だと思われるが、ここでは頻出であろう項目の要求値を提示しておく。

「先手2ターン目にシングルシンボルを使う」
該当の色の土地が18枚で80%、24枚で90%を越える。序盤から必要な色が18を割ると頻繁に色事故を起こす。

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「先手3ターン目にダブルシンボルを使う」
29枚で80%、36枚で90%。序盤からダブルシンボルを安定して扱うには単色に近い構成が要求される。

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「先手6ターン目にトリプルシンボルを使う」
32枚で80%、38枚で90%。トリプルシンボルを十全に運用するなら単色であっても無色土地をあまり取れなくなる。多色で運用するなら強力なカラーサポートが必須となるだろう。

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特殊地形

ヒストリック・ブロールの多色地形はとても弱い。《統率の塔》は最強だが五色地形は《産業の塔》や種族専用土地が専用構築で使える程度。二色土地はショックランド、M10ランド、両面土地の《小道》シリーズまでは優秀だがそれ以降はタップイン祭り。特殊地形を増やすとM10ランドまでタップインしはじめて何もアンタップインしなくなる。

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参考までに、確定タップイン10枚のとき先手3ターン目に2枚以上引いている確率は22.5%。15枚なら40.9%。20枚なら58.0%だ。

選択肢は3つ。色マナの要求を減らす、タップインを受け入れる、カラーサポートを手厚く取る。

一つ目は単色またはそれに近しい構成にすることでタップインを避ける選択肢。二色デッキでこれを行う場合、サブカラーは序盤には出ないものとして扱うこととなる。ダブルシンボルはゲーム終盤まで期待できない。タッチ用の土地が13枚なら先行5ターンまでに1枚以上引く確率が80%強、18枚入れると90%強となる。

二つ目はテンポを妥協してカードパワーを確保する選択肢。土地から色マナを出そうとすると必然的にこうなる。たとえば楔三色でメインカラーはダブルシンボルを出したい30-18-18の要求だったとき、土地40でこれを実現するには66のカラーカウントをどうにか捻出しなければならない。どう足掻いても13枚以上は確定タップインが出るので、3ターン目までに二回タップインすることを覚悟した構築にする必要がある。二色目でもダブルシンボルを運用するとなれば要求はさらに厳しくなる。

このような事情があって、第三の選択肢としてカラーサポートを取ることになる。どうせテンポロスするなら、一ターン使って後のマナトラブルを回避する方がスムーズに動きやすくなる。

一枚で色事情を完全に解決するカードなどは分かりやすく強力。

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多色対応のマナファクト・マナ生物も有用な選択肢となる。

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《耕作》など、2枚以上土地をサーチするカードも概ね一手で色事情を解決するので有力だ。

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これらのマナサポートをデッキの目的に合わせて適度にチョイスすることが求められる。以下に大雑把な例を示すので参考になれば幸いである。

実践編 - 3ターン目4マナ要求

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「4マナジェネラルを3ターン目に着地させたい」場合、どのようなマナベースが要求されるかを簡単に考察する。

土地を3枚引く7割ラインは36枚、8割なら41枚だ。4ターン目も土地を置きたいなら7割ラインは43枚、8割ラインは48枚となる。

2ターン目に引きたいカードの投入枚数と確率については既に示した。8割引きたければ18枚、9割なら24枚だ。マリガンでマナ加速を探すのであればもう少し少ない枚数でも達成しうる。マリガン1回で8割見つけるには11枚、9割見つけるには15枚あれば良い。

「マリガンでマナ加速だけを探すなら土地36マナ加速11まで攻められる」「マリガンで他に探したいものがあるなら土地41マナ加速18まで取らないとキープが苦しい」といったところ。

《探検》《成長のらせん》は強力なカードだが、安定して運用するには余裕をもった枚数の土地が必要だ。これらをマナ加速として運用するとき、7割ラインは43枚となる。

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色マナを供給するマナ加速は十分数存在しないことにも注意が必要だ。全色対応の2マナ加速は8枚、選んだ一色が出せるものが3枚、固定2色が2枚、土地を参照して同色を出すものが2枚。これ以降は緑マナか無色マナのみの供給となる。緑以外の色拘束の厳しいアクションはより達成が難しくなる。

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実践編 - 4ターン目6マナ要求

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「2ターン目と3ターン目の両方でマナ加速を唱える」ビッグマナ戦略をするにはどれくらいのマナベースが要求されるかを検討する。

まずは土地。4ターン目に手札からは4枚出したいのだから、7割ラインが43枚、8割だと48枚だ。土地加速を安定運用するならさらに枚数が必要なのは前段と同じ。

マナ加速を3ターンまでに2枚引くなら29枚投入で8割、36枚で9割。先に低マナの加速から使用する必要があるのでこれより若干下がるが、29枚は一つの目安となる。

ざっくり「土地43、マナ加速29」を提示できる。攻めマリガンをするならもう少し絞れるし、安定を取るならもう少し増やすことになる。4ターン目6マナを達成するにはデッキの7割以上をマナベースに捧げる必要があるということになる。

まとめ

止まらず4枚土地置きたかったら最低でも土地40、5枚なら45、6枚なら50。安定志向ならさらに追加で2~3枚乗せておくと良い。

2マナのマナ加速を絶対引きたいなら11枚取ってマリガンで探す。マリガンでキーカードを探したいなら加速は18枚くらい取る。

2-3でマナ加速を連打したいならマナ加速を29枚は取る。

弩級のロマンを放つにはそれなりのマナベースが必要だ。きっちりマナベースを整えてブロールライフを楽しんでほしい。

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