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【経済視点】#02 5年後の経済は読めるのか

長引く在宅ワークでは仕事がはかどらず、ここのところカフェでのノマドワークに切り替えることが多くなった。

とはいえ場所がかわったところでヤル気が湧かず、ついつい雑誌をめくってしまう。
手に取ったのは週刊ダイヤモンドのバックナンバーで特集記事は「5年後の業界地図」。独自の未来予想が綴られていて、たしかに半分くらいは当たるような当たらないような気がする。
つまり、未来の予想なんて誰にもできないので話半分程度に…の理解くらいが丁度よいように思う。

逆に今から5年前のことを思い返した。
当時は頻繁に福岡出張していて、現地スタッフに案内されて博多港に停泊する巨大ビルのようなクルーズ船を見せられたことがあった。
「どうです、あの船には5,000人の中国人が乗っていて、博多を拠点に九州各地の観光に出かけていくんですよ」
誇らしげな説明を受けた。そして、西鉄という電鉄会社の関係者と話した時はこう。
「とにかく博多はインバウンドでバブルなんです。とりわけ外国人を乗せるバスが不足してる。車体メーカーに大量発注してるんだけど追いつかず、納車は何年も先で…」
そんな嬉しい悲鳴を口にしていた。
順当にいけば今ごろインバウンドバブルの真っ只中の筈だけど、世の中はコロナでこの有り様となった。
あの時に大量発注されたバスはどうなっているんだろう。

そして話を現在に戻す。
鉄鋼最大手のJFE(5411)が業績予報を大幅上方修正した。
鉄鋼の価値がとにかく上がり、在庫も軒並み値上げしても需要は高まる一方。儲け放題らしい。建設資材はもちろんのこと、造船向けの需要も高くなっているそうだ。
この時代に船?いつの時代だろう??と思ってしまう。けれど、世界中でリモート生活が広がって資材や家具を運ぶための海運が大活況で、それに伴いコンテナ船不足が深刻なのだという。
今まで無視されてきたような造船会社の株価も軒並み高くなっており、先週・今週の日経値上がり率ランキングの上位は、ほぼほぼ海運・造船で占められている。

“需給で成り立つ”という法則で物事を見ると、これからの鉄鋼、海運、造船の業界はバラ色じゃないか。
…と考えるのは単純だけど、先ほどの九州のバスの話と同じで、大量の船が完成して納品(納船?)される時、今の市況が続いているのかは誰にもわからない。

あんまり未来を読むことに腐心しても詮無いことだなぁとは素朴に思った。
とくにコロナのような疫病や天変地異、それに政変…世の中は読めないことだらけだ。

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