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この人には勝てないと思った接客の話

珍しく仕事に纏わる話を書こうと思う。

現在はプロフィールにも書いてある通りオーダースーツ屋にいるが、前職は既製品のスーツ屋にいた。

カッコ良く言わせて頂くと『外資系ブランド』という奴だ。

そこで1年半程新卒から働いたが、1人だけ勝つ未来が見えない接客をするスタッフがいた。

当時私は滋賀のアウトレットにいたが、そのスタッフは木更津のアウトレットに居た。

勿論直接会う機会など無いが、木更津のアウトレットの顧客さんが滋賀に来られて偶々私が対応した。

そこで言われたのは木更津のアウトレットのKさんが日本離れした接客をするとの話だった。

聞いた話を書いていこう。

まぁ日本では販売員は下、お客様は上といういわゆるお客様は神様の精神がある。

ただそのKさんはスタッフが神、お客様は僕の精神だと言う事。

つまり私の言う事が全て正しい。あなたは従えば良いとの事だ。

正直驚きしかなかった。

とんでもない奴が居るもんだと思いPOSレジで名前で検索をかけた。

その会社のレジは優秀で、売り上げ金額は勿論、セット率、リピート率、クレーム率まで出てくれる優れ物だった。

それを踏まえた上で情報を見ると、、、

売り上げは大した事ない。
しかしセット率が驚異だった。

5.6という驚異の数値。
つまり一人当たり5点〜6点を平均して売ってる訳になる。

因みに私は当時2.1とかだった。

更に見ていくとリピート率も驚異だった。

19%の数値

約5人に1人が指名で接客を頼む状態だ。

見たことない数値だった。

ただ逆にクレーム率も驚異の8%だった。

100人に8人はクレームを言ってくる訳だ。

この数値だけ見るとお客さんが仰られた意味が分かった気がした。

気になる事しか無かったので実際に木更津まで行ってみる事にした。

実際に会ってみると30半位の優男だった。

この人がそんな強気な接客するのかと半信半疑だったが、1日見ていると分かった。

とんでもなく怖い接客だ。

まずKさん知識量がとんでもない。
200年の歴史のブランドだったが、創業当時から居るような知識量だ。
これは怖い物無いだろうなと感じた。

後から聞いてみればブログを有料化して会員まで居るみたいだった。

しかしこんな物は序の口だった。

当時は11月末でいわゆるクリスマスシーズンだ。
ネクタイギフトが溢れる程来る。

そこで新規の女性の接客をしたKさんがオススメを聞かれた時の言葉が未だ忘れる事がない。

「ネクタイを渡せる程お客様は貰われる方の事をご存知なんですか?
その方がどう言った職場の雰囲気で、どう言った取引先があり、人とお付き合いされているか分かられないのであればネクタイは渡されてもありがた迷惑でしかないですよ。」

とんでもない接客だ。

ただでさえ共感を求める女性のお客様に正論をぶち撒けるのは購買どころかキレられる未来しかない。

幸いキレられはしなかったが、他店に流れていく。

就業後聞いてみた。

何であんな接客をするのか。

Kさん曰く

「私は自分が圧倒的プロだと思ってる。
それはこの会社の中でも1番であり、私以上に詳しい人なんていない。
プロとして給与を貰う以上その知識を曖昧に接客に出す事は失礼だ。
だったらお客様にペコペコする必要なんてない。
買ってもらっているのではない。買わせてあげているんだ。」

とんでもねぇ奴が居るもんだ。と心底驚いた。

そのきっかけから少しそのエッセンスは自分の接客に入ったと思う。

良いきっかけだったが、流石にそこまで攻めた接客は出来ないと感じた。

是非機会があれば木更津まで。

そこまで求めてない場合は弊社までお待ちしています。



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