難破
ただただ、ただただ、死にたいのだなぁ。
とめどなく、とりとめもなく、わけもなく溢れつづける哀しみでボロボロに剥けていく顔面の皮膚が、ほんとうに(ほんとうという言葉がこんなに熱く、眩く、眼球を焦すほどに、けれど見つめつづけたいと思わせるほどに美しく、僕のために灯ったことがあっただろうか)ただ、死にたいと声高に叫んでいる。
大好きだったはずのショートケーキが冷蔵庫のなかで油の塊と化していく日々だ。
舵輪が外れた、情緒の難破船に揺られつづけて耳鳴り。
もう、朝も来ない。
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