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1人暮らし事件簿①やばい

22歳の時
ひとりで物件探して
引っ越し資金準備して
はじめて全部ひとりで決めた
ひとり暮らし

間取りは広い1Rで
環境も良くて
閑静な住宅地の
新築のアパートだった

家具はソファとテーブルだけ
冷蔵庫はあったけど
洗濯機と電子レンジはまだ無くて
ガランとしてた
そう
引っ越して2日目

午後から
ガス開栓の立ち会いがあったから
仕事を早退して待機してた
はじめての立ち会い
どんな人だったか覚えてないけど
作業見るのが楽しくて
色々質問したり
教えて貰ったりして
面白かったの覚えてる

明るい時間はまだたっぷりあるし
今日はお風呂も入れるし
色々雑貨買いに行こうかなって考えてた

ガス屋さん帰って30分位経った頃かな
ピンポン鳴ってインターホン出たら
“換気扇の点検に来ました”
男の人1人映ってる

え?
換気扇の点検?
そんな予定聞いて無いけど?
ん?
ガス関連で来たのかな?
違うか、、、
っま、ついでだし
丁度良かったのかな

玄関ドアを開けたら
帽子を被った作業着の男の人1人
予定は聞いて無いけど何やるんですか?
って聞いたら
“正常に動くかどうか見て廻ってます”
“中入らせて貰いますね”

一瞬
気持ち悪いなって思った

戸惑う間もなく
ドアを全開にされて
半ば強引に入って来た
1人だけじゃ無く
ドアの向こうにいた他3人と

私を先頭にキッチンに向かわせ
私を囲う様に
4人の男が並んだ
全員ブルーの帽子とブルーの作業着
3人はマスク
インターホンの男だけマスク無し

換気扇の前でマスク無しが話す
“換気扇の手入れは大変だ”
“換気扇の寿命は短い”
“専用のフィルターを使えば長持ちする”
“通常○○円のところ
今契約すれば○○円値引き出来る”
“年間契約の方がお得なので”
“契約書に印鑑を”

ああ、その手か
早いとこ終わらせないとな、、、

“必要ないからいいです”
“私、料理しないんで
換気扇汚れませんから”
“お金に余裕無いんで
そんな高い契約出来ません”

私はそう言いながらも
相手がどう出てくるか警戒した
おとなしく引き下がる訳無いだろうな、、、
脅しに入って来るかな、、、

案の定
マスク無しの態度が変わって来た
口調が強めになって
早口になって
眉間にシワを寄せて
足はガニ股に

ああ、やっぱりそっちね
だとしても、私はひとり
相手は男4人
体格のいい男はマスク無しだけだったけど
さすがに男4人には敵わない
ベランダは男達の後ろ側
玄関はキッチンを出てUターン
キッチンの横は浴室だけど
窓が小さくて外に出られない
テーブルの上には財布が丸出し
料理をしないキッチンには包丁も無い
私は薄着で丸腰
やばい

もしかしたら
財布持っていかれるかもしれないし
もしかすると
レイプ目的かもしれない

これはやばいかも
そう思った瞬間寒気がした
この場をどう脱出すべきか焦った
なるべく表情を変えずに
何か方法は無いか
考えた

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