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17歳で天国に逝ったK①最期の言葉

友達だったのか
恋人だったのか

人生ではじめて出来た何でも話せる男
あちこちにいた知り合いの中で一番
異性であることを意識せず、気軽で、
気楽に付き合えた男

女同士みたいにどうでもいい話を終わり無く話したり
目的も無いのにあちこちプラプラしたり
時には姉に逆らえない弟みたいだったり
頼りがいのある兄の様に変身する時もあったりしたね

5年の間
いっぱい色んなこと話して
笑って、泣いて、迷って、悩んで、
苦しんだりもしてたよね
若かったけど
それなりに大人してたはず

彼が彼女と別れたとき
私が彼氏と別れたとき
同時だった
偶然だったのか
必然的にそうなったのか

それから毎日一緒に居て
居心地良かったし
なんか落ち着いたよね
時々ドキドキしたりしてさ
前なら笑って言い合ってた冗談も通じなくなって来て
沈黙も増えちゃって真面目な空気になっちゃうこと避けてたよね
お互いに

“明日帰ったら話あるねんけど”
“マジやから”
“覚悟しといてな”
覚えてる?
最期の言葉

覚悟してたよ私
遂に来たかと
“金貸してくれへん”
って言うつもりだったんでしょ?笑

顔半分傷だらけだった
きれいな二重だったのに
寝不足みたいに腫れちゃって
金髪の髪が半分赤く染まってたよ
赤も意外と似合ってたけどね
隣で何度も見てきた寝顔
今日は静かで寝相もいいんだね
冷たい身体になっちゃって
わたし寒がりだからもう一緒に寝れないじゃん
今までで一番黙り込んでるよ
私だけ話してる
聞こえてるなら早く言ってくれない?
これは冗談なんだって

たくさん思い出して
いっぱい後悔して
声を失うほど泣いたけど
そうする事が出来た私は本人よりずっと
苦しみは軽いはず

最期の景色がどんなで
最期に浮かんだ想いが何だったのかは分からないけど
信じたい
今は生まれ変わって別の人生を歩んでいることを

私達はきっと
友達でもなく
恋人でもなく
親友だったんだよね

2人の間に生まれていたこと
誰にも言ってないから心配いらないよ
最期に残してくれた
貴重な秘密だから

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