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怖い犬

犬という存在は大概怖い(その昔、小型犬に噛まれたのがトラウマになっている)のだが、今日、職場から帰宅するその道中で、動物病院のドアを目掛け、率先して直進する犬を見かけた。
見た目から察するに、恐らくはシーズーか何かだったと思うが、小さな体躯を目一杯使い、飼い主をグイグイと引っ張りながら、一心不乱に病院のドアへ向かう勢いそのものと化したそれは、今までに見たどんな犬よりも怖かった。

動物、もといペットという存在は元来、病院を嫌がる生物である、という偏見を持っていた私の双眸に飛び込んできたその光景は、あまりにも、あまりにも衝撃的であったし、その認識との間に充分すぎるほどの隔たりを持っていたためか、「面白い」よりも「不気味」といった印象を抱いてしまった。

今頃、あの犬は獣医師から何らかの診察や処置を受け終え、とうに帰宅している頃だと思うが、次に彼(彼女)があの建物を、その扉を目の前にした時どういった反応を見せるのか、を、私は知る由も無いのである。

1つ、確かに言えることは、動物病院に全速力で突っ込もうとする犬は、一般的な犬に比べて遥かに恐怖たる存在である、ということだけなのだ。

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