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【展レポ#1】ポーラ美術館コレクション展〜甘美なるフランス

皆さんお久しぶりです、ならんはです。
最近仕事が忙しくなってきましたのであまりnoteの執筆に時間が割けず…お待たせしました。
本日、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで9/18(土)〜11/23(火・祝)にて開催されているポーラ美術館コレクション展に行ってまいりましたので、その見どころなどを伝えるべく、久しぶりに執筆していこうと思います。
最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

ポーラ美術館とは?

ポーラ美術館は、箱根・仙石原に2002年開館し、印象派をはじめとする西洋絵画が約1万点収蔵されている美術館なんだそうです(公式HPより)。じつは私も2018年に1度行ったことがありまして、当時はレオナール・フジタ(藤田嗣治)の没後50周年を記念した作品展がやっていたのを覚えています。
当時ゼミの先生に勧められて行ったような記憶なのですが、白水社の『ふらんす』の表紙に彼の代表作『小さな職人たち』が選ばれたことで興味を持ち始めました。詳細はこちらをご覧ください。
大自然に囲まれたガラス張りの美術館なのですごく壮大で、広々としているのでおすすめです!

美術展レポート

といきたいところなのですが、圧倒的に写真不足です…困った困った笑 入り口の写真を撮りたかったのですが、雰囲気的に撮影しづらくて断念…。

見どころその① クロード・モネ『睡蓮』
まずは入り口付近にあったモネの作品。睡蓮の作品は連作ともなっており、パリ近郊で1895年から1900年頃に約30点、1903年から1908年に約80点、1914年頃から大装飾画の制作なども含めて実に200点近くの睡蓮作品を生み出します。
中でも日本風の橋と共に描かれた『睡蓮の池』は有名な作品なのではないでしょうか。
ちなみに連作とは同じモチーフや構図で描かれた作品の総称であり、モネはいくつかのテーマで多くの連作も手がけていますね。
絵の具入りチューブの発明により戸外制作が可能になった印象派の画家たちは、屋外の自然豊かな風景画とりわけ郊外(パリの近郊や南フランス)で制作を始めていきます。セザンヌの『プロヴァンスの風景』はその名の通り南仏・プロヴァンス地方へ、ゴーギャンはポン=タヴァンへ、ゴッホは南仏のアルルへ「フランスにおける日本」を探し求めに行きます。

↓睡蓮の紹介ページ。※著作権などもあるのでぼかしてます。

見どころ② ルノワール『レース帽子の少女』
こちらはこの展覧会の目玉となっており、ポスターにも度々描かれている作品ですね。数年前にルノワール展があったときは『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』が掲載されていたのは記憶に新しい方もいるのではないでしょうか。19世紀の絵画は、年代はさまざまですが、女性をモデルとした作品を描くことがなんとなく多いような気がします。特に印象派のタッチは女性を描くのに適しているのでしょう。ルノワールの描くこちらの少女だけでなく、モネの『散歩』にも日傘をさして田園風景を歩く少女が見られたり、ルノワールは多くの裸婦をモチーフに作品を手がけました。セザンヌの『4人の水浴の女たち』も森の中で水浴びをする女性を描いた作品も展示されていました。作者の推しであるセザンヌが3点ほどしか展示がなく、少し残念でした(小声)
↓ポスターにもなっていましたね。

見どころ③ ラウル・デュフィ『パリ』
私自身、今回一番楽しみにしていた作品と言っても過言ではない、のがデュフィの『パリ』です。4枚の屏風からなる作品で、パリのエッフェル塔をはじめ、凱旋門やサクレクール寺院などパリの名所を多く描いたパノラマ風の風景画です。赤を基調としながらも黄色や青を使ってカラフルに仕上げた明るい雰囲気でありながらも、太陽と月を配置することで昼と夜の時間の経過を表していたり、4つの色違いのバラを前景に描くことで四季を表現しているかのようなさまざまな角度から作品を楽しめるのが特徴です。
こちらは1937年に作られた作品なのですが、何があったかご存知ですか?日中戦争ではありません笑
正解はパリ万国博覧会です。1855年から始まり、第7回を迎えた1937年のテーマは「近代生活における芸術と技術の国際博覧会」。電気館に幅60m高さ10mの巨大な壁画『電気の精』(パリ市立近代美術館)を手がけるなど活躍していたそうです。そんなデュフィは音楽家の一家に生まれたことは今回初めて知りました。『五重奏』という作品もそんなデュフィの家系ならではの視点で描かれています。

見どころ④ マルク・シャガール『私と村』
シャガールがロシア(現在のベラルーシ)生まれの画家だということは今回初めて知りました。思えばそんなに意識したことがなかったのもありますが。
本作はもともと描かれていた作品が本人の知らぬ間に売却されてしまったために再制作してつくられたそうです。そちらをさらに縮小したものがポーラ美術館に収蔵されているようです。
まさにシュールレアリスムともいうべき作品だなと勝手に解釈してみてしまっていますが。色の使い方もそうですが、動物の顔の中に別の動物を描いてみたり、人間を逆さまに描いてみたりする手法はまさにその典型だと思います。個人的には20世紀の絵画というのはあまり触れてこなかったので、今回勉強できてよかったです。

初の図録購入

なんと、今回人生で初めて図録なるものをお買い上げしてしまいました笑笑
何度か美術展に行ったことはあったのですが、きちんと絵画を勉強してから行ってみると見方が変わったなという実感もあり、いつもより楽しむことができました。同じ画家でも年代によって絵のタッチが全然違うこともよくあるし、違う画家同士でもこの作品とこの作品は影響を及ぼしているのかな、など考えることも多くあり、やはり絵画というのは奥が深いなと思わせてくれた機会でした!
しかも図録がまた面白い!1回美術展を見た後で再度見返すと、別の見方を味わえるしまた深く勉強できるというものです。
それまでは買う意味なくね?と思ってしまっていましたが、これは買った方がいいかもしれません笑

いかがでしたか?最後まで読んでいただきありがとうございました。また時間を見つけて執筆していきますので、よろしくお願いします。それでは〜

参考記事

西洋絵画史(その2) 印象派など19世紀以降の絵画史をまとめてみています。
僕の卒論を公開します(その1) 自分の卒業論文をまとめています。絵画は直接関係しませんが、よかったらぜひ。


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