見出し画像

【教養を身につけよう①】SDGs〜目標①貧困

教養とは何か?

皆さんこんにちは。久しぶりの投稿です。
最近、読書することが多いのですが大人になった今でも勉強しといたほうがいいなってこと結構あるんですね。
大学のとき一般教養の授業(最近は死語?)とかいって色々なこと勉強したと思いますけど、そもそも教養ってなんでしょうね?

① おしえそだてること。 「父は其子を-するの勤労を免かれ/民約論 徳」
② 社会人として必要な広い文化的な知識。また、それによって養われた品位。 「 -を身につける」
③ 〔英 culture; ドイツ Bildung〕 単なる知識ではなく、人間がその素質を精神的・全人的に開化・発展させるために、学び養われる学問や芸術など。
---------------------三省堂 大辞林(第三版)より引用

さまざまな文化的あるいは芸術的な知識にとどまらず、それを使える状態にし、文化の発展に寄与すること。じゃあそのために必要なのは何か?西洋では昔から「リベラル・アーツ」と呼ばれており、大学などでも自由7科として「文法学・修辞学・論理学の3学と算術・幾何・天文・音楽の4科」が伝統的に学ばれてきました。
知識を得るだけでは意味がない。それらを使って課題を解決したり、自分自身の意見をのべたりできなければならない。ということで日本でも「アクティブ・ラーニング」が注目されています。先生が黒板に何かを書いて教える。それを生徒がメモする。そういう授業スタイルではなく、自分で調べて学ぶ。そんな「能動的な学習」を取り入れている学校は少なくないようです。

教養はその人の色々なところに現れます。その人が本当に教養ある人かどうかは会話や行動を見れば一目瞭然であると思います。教養は知識を前提に成り立っているということと、物事には結びつきがあってその関係性を知ることが大切だということがわかれば、教養を学ぶ意味が見えてくるのではないでしょうか?知識はないに越したことはありません。知識がない人ほどいいます。「なんでこんなこと学んでいるの?」わけ分からないことを学んで楽しいと思う人はいません。知識と理解度は比例するのですから。分かったら楽しいわけですよね。
とはいえ実際、まだまだ「教養=知識」のことだと思っている人が多い気がします。読書や調べ物を通して知識を学びました。その上でどう考えますか?というところが大事なのであって、知識との違いはそこにあります。その思考のプロセス、考えるために重要なことはなにか、を感じ取っていただけたらと思います。

SDGsとはなにか?

本日はSDGsについてを例に挙げていきます。せっかくならこれからの世の中に必要な知識を得たり、教養を身につけた方がいいですよね!ということで、このテーマを選びました。

SDGs(Sustainable Development Goals)…持続可能な開発目標。経済・環境・社会システムの格差をなくし、すべての人々が平等に、幸せに生活できるようにするための17の目標。

ちょー簡単にいうとこんな感じです。17の目標をカテゴリ別に分けるとこんな感じになります。

■貧困・健康・教育
・目標1:貧困をなくそう
・目標2:飢餓をゼロに
・目標3:すべての人に健康と福祉を
・目標4:質の高い教育をみんなに
・目標5:ジェンダー平等を実現しよう
・目標6:安全な水とトイレを世界中に
■エネルギー・産業・技術
・目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
・目標8:働きがいも経済成長も
・目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
・目標10:人や国の不平等をなくそう
・目標11:住み続けられるまちづくりを
■気候・自然・環境
・目標12:つくる責任つかう責任
・目標13:気候変動に具体的な政策を
・目標14:海の豊かさを守ろう
・目標15:陸の豊かさも守ろう
■平和・共生・共存
・目標16:平和と公正をすべての人に
・目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

もともとは2000年に国連によって採択された「MDGs(ミレニアム開発目標)」が設定されており、2015年に更新されたというのが背景としてあるのですが、そもそも「発展途上国の課題ばっかり上げてるけどさ、決めてるの先進国だし、発展途上国の気持ちわかってる?全部の国や地域で考えていかないといけないよね」ということで、2015年に世界中のすべての国と人々がともに達成すべき目標として「SDGs」が定められました。

SDGsの内容とその背景

では、これらの目標について具体的に見ていきましょう。
まずは目標1〜6についてです。

■貧困・健康・教育
・目標1:貧困をなくそう
・目標2:飢餓をゼロに
・目標3:すべての人に健康と福祉を
・目標4:質の高い教育をみんなに
・目標5:ジェンダー平等を実現しよう
・目標6:安全な水とトイレを世界中に

①貧困とはなにか?
目標1に関して具体的なターゲットの一つとして、「2030年までに、極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」というものがあります。
では、世界における貧困の定義を確認しておきましょう。極度の貧困とは、「1日に1.25ドル未満で生活する人々」を指します(世界銀行より)。
1日150円弱で暮らすなんて無理ですよね?でも世界にはそういう人たちが2013年のデータでも約12億人いることがわかっています(https://www.ganas.or.jp/20130426poverty/ 参照)。

別の定義を確認しましょう。こちらは、UNDP(国連開発計画)における貧困の定義になります。

貧困とは、教育、仕事、食料、保健医療、飲料水、住居、エネルギーなど最も基本的な物・サービスを手に入れられない状態のことです。極度の、あるいは絶対的な貧困とは、生きていくうえで最低限必要な食料さえ確保できず、尊厳ある社会生活を営むことが困難な状態を指します。

すなわちSDGsにおけるゴールは、世界中に住むあらゆる人々が必要最低限の物やサービスを得られ、生活できる状態を目指すということです。とくに生活に必要最低限の食料は確保しなければならないのです。その具体的な数値が「1日に1.25ドル」という指標というわけです。私は数値ではなく実際にどういう生活を送っているか、に注目した方がいい気がしますが、あえて基準を設けるとしたらその数字になるのでしょう。
日本では「日本国憲法第25条生存権」によって最低限の生活保障がされていますから、あまり実感がわかないかもしれませんが、SDGsは「生まれた国が違うという理由で食料の供給やサービスが受けられない、差が生じるのってどうなの?」課題を包含しているともいえます。

では、貧困という状態をもっと具体的に定義するにはとうしたらいいでしょうか?それを考える上で、「絶対的貧困」/「相対的貧困」という用語を確認しましょう。

絶対的貧困とは、食料や衣類など人間らしい生活の必要最低条件の基準が満たされていない状態のことです。例えば、何らかの事情で住む家がない、食事を摂りたいが食料がない、買えない、子どもの体重が平均の数字を下回るといった状態などが該当します。絶対的貧困状態にある人を絶対的貧困者とも定義されます。海外ではストリート・チルドレンなどが絶対的貧困に当たります。

つまり、先ほどのUNDPによる貧困の定義は「絶対的貧困」ということになります。その人が人間らしい生活を送れず、生きていく上で必要な食料が手に入らないというのは「絶対的」に見て貧困と言えるでしょう。
一方、、、

相対的貧困は国や社会、地域など一定の母数の大多数より貧しい状態のことです。例えば所得という視点でみると、「国民の所得の中央値の半分未満」にあたると相対的貧困にあたります。
日本の場合では年収が約122万円以下の場合、相対的貧困に該当すると言われています。

まあ、「相対的」というくらいですから、誰かと比べて貧困であるということを指します。相対的貧困は当然ながらどんな先進国であっても、どんな豊かな生活を送れる国や地域であっても理論上発生してしまうことがわかると思います。いわゆる「貧富の格差」という問題です。見かけ上(あるいは世界的に見ても)GDP世界第3位という豊かな国に位置づけられる日本でも格差が起こっているということからもわかるように、「相対的貧困は外から見えづらい」という側面を持っています。

SDGsのポイントである「誰一人として取り残さない」ということを考えると、「生まれた国を言い訳に格差を正当化することはできない」ことがよくわかると思います。国に限らず家庭でもそうですね。
そういった生活を送っている人がいるという事実を知ること、そしてそのためにどんな課題解決が図れるのか?を考えることが重要であると思います。

日本が行っている支援のあり方

じゃあ実際どうすればいいの?海外に行って手助けしたり、お金をあげたらいいんですか?ということになるでしょう。
考えは人それぞれですので正解はありませんが、支援の仕方も一通りではないはずです。経済的な支援と技術的な支援の2つがあります。
①経済支援(カネ)
つまり、お金をあげて経済的に援助をすることで救える人を増やすという考え方。「お金がないんならお金をあげればいいじゃない」という単純明快な発想。でもこれって救える人に限りがありますよね、短期的に見たらいいのかもしれませんが、長期的な支援を考えるのであれば不向きかもしれません。お金には限界があるし、お金だけ渡しても一時的な救済にしかならない場合がほとんどでしょう。
②技術支援(ヒト)
将来的に豊かになることがゴールなのだから、「必要最低限の食料やサービスを提供できるための環境を整えてあげましょうね」と考えるのがこちらになります。食料であれば、農業などのノウハウやルーティンを教えて自走できるようにすること、サービスであれば、教育やインフラ、医療、ものづくりなどの技術を提供することです。そのためには実際に人財を派遣して技術を教えていく必要があります。青年海外協力隊などをイメージすればわかりやすいかなと思います。

そして教育(目標4)に関しては、もちろん教育に限らずですが、男女問わずすべての人たちに開かれたものであること(目標5)も必要不可欠です。ジェンダー平等の観点は文化的な差はあれ、教育によってある程度解決できるでしょう。どう教えるかによって将来社会を支える人たちがどう考えるか関わってくるという意味で教育はとても難しいものであり、楽しいものであると思います。

現代における最優先事項はなんですか?

ひとまず目標1〜6に関する背景知識についてはざっくりも触れてきました。もし気になる方はいろんな数字やデータが載っていると思うので調べてみるとよいでしょう。海外のトイレと日本のトイレの違いや、衛生面における発展途上国での工夫(技術提供)なんかも調べてみると面白いです。
すべてをいっぺんに解決しようとするのは難しいかもしれませんが、この中で1番最初に解決すべき課題はどれかを考えるのであれば少し易しくなるでしょう。
先進国は「国民の権利」を保障することによって必要最低限の物やサービスを受け取ることを可能にしてきました。教育を受ける権利、政治に参加する権利などなど。そこには経済的なあるいは歴史的なアドバンテージはあったかもしれません。それが発展途上国という舞台に変わるとなぜ実現が困難になるのか?何が原因で発展がしづらいのか。国民の貧困が原因なのか、はたまた教育が行き届いていないことが原因なのか、インフラ(水道、電気、橋、鉄道、インターネットなど)が整っていないことが原因なのか…など。もちろん課題は一つにとどまりませんし、全部かもしれません。では、もし自分がその国を発展させるために尽力するのであれば何から着手していくのか?考えていくといいと思います。

長くなりそうなので、このくらいにして次回は続きの目標について見ていきましょう。まだまだ知るべきことはたくさんあります。
今回の例があまり身近な場所でなかっただけに想像しづらいかもしれません。地理的、文化的な差はあれど日本が発展してきた歴史を辿るとヒントが隠されているかもしれません(ないかもしれません)。そういった知識を活用してどう社会に還元していくか、これこそが今まで勉強してきたことを活かすチャンスなのだと思います。

参考資料

・SDGs(持続可能な開発目標)とは何か?17の目標をわかりやすく解説|日本の取り組み事例あり(朝日新聞、2019/3/15)
https://miraimedia.asahi.com/sdgs-description/
・『私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~』(外務省・日本ユニセフ協会作成)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/sdgs_navi.pdf
「5つの「P」で考えるSDGs」
https://sdgs.edutown.jp/info/five-p.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?