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2020年ヘビロテアルバム備忘録

どうも、帰省先のド田舎から失礼します。
毎年10枚自己満足でベストアルバムを選んでいるのですが、せっかくなのでまとめてみます。完全に趣味のやつなので基準は「わたしがめちゃくちゃ聞いた」のみで、邦楽オンリーです。


Base Ball Bear『C3』

2020/1/22発売。
『C』、『C2』に続く「Cシリーズ」3枚目のアルバムにしてギタリスト脱退後スリーピース体制になって初めてのフルアルバムということで、ベボベのフォロワーであればあるほどグッとくる1枚。

19時の約束で 君のこと待ってるんだ
ときめきや かなしみや 思い出も 予感も連れて行くよ──『L.I.L』

発売された時はまだまだ自粛の波が低く、2月にはリリースイベントもありました。5曲目『L.I.L』は「ライブ」が重要なテーマのひとつで、さらに12曲目『風来』はライブツアーがモチーフになっているのですが、結果的にこんな年になったことによってそのメッセージ性はより強固になりました。生でこの曲たちを体感できるのが待ち遠しいです。もうしばらく先になりそうですが……。



ドミコ『VOO DOO?』

2020/4/15発売。
ギターボーカルとドラムコーラスのツーピースバンド。初期のストレイテナーを思わせる構成ですね。ライブではドラムが内向きのセッティングでこれがまたオシャレ。
ルーパーでの多重録音を駆使して2人組とは思えない重厚な音をつくり出すライブこそが彼らの骨頂だと思うのですが、音源もクソかっこいいです。イントロからセクシー。
ところでドミコはライブDVDの発売を中止してライブ映像を全編無料公開しています。クレイジー。ぜひ見てください。



Ochunism『Gate of Ochunism』

2020/4/22発売。
たしかTwitterでMVの動画が流れてきてあまりにもかっこよくて即名前をメモったバンド。6人組です。全員まだ大学生とのこと。若い!「ジャンル不特定」を名乗っているのがいいですね。なんとこれが1枚目のアルバム。
今好きになっておけば「ま、○年前から好きだったけどねw」ヅラが出来るぞ。すごく精力的に制作活動していて、2020年は他にミニアルバムも出しているのですが、たくさん聞いたという意味でこちらを挙げました。



藤井風『HELP EVER HURT NEVER』

2020/5/20発売。
彗星のごとく現れて爆売れ。100人に勧めて100人がかっこいいと言ってくれる。
ラジオでSixTONESをカバーしていたので、今だ!と思ってジャニヲタの妹に教えたらあっという間にハマってわたしを差し置いて1人で藤井風の武道館行ってた。それぐらいの求心力がある。
わたしは世代的に宇多田ヒカルが登場したときの衝撃というのを体験していないのですが、こんな感じだったんだろうなと思います。和製R&B。センス抜群の音楽に岡山弁の歌詞が心地良く、唯一無二の雰囲気を生み出している。



サニーデイ・サービス『いいね!』

2020/3/19配信リリース、5/22発売。
新たなドラマーを迎えての再出発、そしてYouTubeで全編聞くことができるという挑戦的な仕様。ベテランが新しいことをやっている姿というのはそれだけでもかっこいいというものですが、曲ももちろん超かっこいいです。
ロックバンド然としているんだけども、爽やかかつどこかじめっとしている、最新の日本のロックといったところ。
11月にはリミックスアルバムも配信されているのですがこれもまた最高で、結局変化を臆することのない人たちがいつの時代も愛されるのだと痛感します。



Creepy Nuts『かつて天才だった俺たちへ』

2020/8/26発売。
こちらも2020年の顔。日本語ヒップホップに新しい流れを作った功労者たち。
表題曲『かつて天才だった俺たちへ』は今年いろんなところで耳にすることが多かったですが、まさかこの曲を冠したアルバム1曲目『ヘルレイザー』がこんなに下品な歌詞だとは新規リスナーは思わないだろうに(褒め言葉です)。もちろんただ馬鹿馬鹿しい曲ってわけじゃなくて、まずトラックがかっこいいし、ライブへのフラストレーションをこんなに巧みに言い表した歌詞もないと思います。
ラジオなどで垣間見える彼ら自身の魅力にも通じる部分だと思いますが、基本的に面白くてかっこいいんだけど、急に泣かせてくる時があるんですよね。



OKAMOTO'S『Welcome My Friend』

2020/8/26発売。
表題曲『Welcome My Friend』はアニメのタイアップですが、全く知らずに聞いていました。オカモトズの曲は「オカモトズ」というジャンル、という感じがして、決して○○っぽいとはならないのにオカモトズっぽくはあるというか、個性を確立しているんだなと強く感じます。
ちなみに、今年たくさん配信ライブを見た中で一番良かったと個人的に思っているのがオカモトズとクリーピーナッツのツーマンでした。ライブと配信ライブは別物でカメラを意識した創作物になるし、ディレクションが重要だと思い知った。かっこよかったな〜。



BBHF『BBHF1 -南下する青年-』

2020/9/2発売。
2020年、バンドマンが褒めてたアルバム第一位(主観)。
発売延期を経て2枚組の大作です。わたしはサブスクで音楽を聴くときもほとんどがアルバム単位で再生するので、あまりにも大作だと繰り返し聞かなかったりするのですが、これは本当に通しで何度も何度も聴きました。
映画のサウンドトラックのような、というよりこのアルバム自体が1本の映画のような。きっとこれからも聴き続ける予感がする作品です。



君島大空『縫層』

2020/11/11発売。
表題曲の『縫層』は変換しても出なかったので調べたら、どうやら彼の造語らしい。

タイトルである縫層という言葉は、内省のいつも雨が降っている場所、ひらかれた空の手前にある雲のようなもの、声や顔の塊、同音意義の包装や癒着という言葉が投影されるような、人がひとりの中で編み、勝手に育っていってしまう不安や喜びの渦を指す造語。

既存の言葉では表せない感覚があるということ自体、わたしには想像できない。
繊細な感性で編まれた、まだ名前はないけれど確実に存在する感情を言い当てるような歌詞と音楽にハッとさせられる人は多いと思う。



Helsinki Lambda Club『Eleven Plus Two / Twelve Plus One』

2020/11/25発売。
2020年最後にかっこ良すぎてあらゆるSNSで人に勧めたアルバム。1曲目『ミツビシ・マキアート』はオマージュを込めたVampire Weekend本人にも絶賛されている。
前半が過去〜現在、後半が未来というコンセプトがあり、彼ららしいガレージロックにちょっぴりの毒が軽快に乗っていて、心地良くてオシャレ。今のところ勧めた人みんな好きって言ってくれるので、まだ聞いてない人はぜひ。
MVやアートワークもいつもカワイイ。



ということで10枚でした。
ライブには行けなくても、たくさん音楽を聴けたことには変わりないです。
個人的にも環境が変わるけど(学生ではなくなってしまうので……)、来年もたくさんの曲を聴きたいです。

でもやっぱりライブにも行きたーい!

読んでくれてありがとうね