赤魔導士Bijou

赤魔導士Bijou(ビジュー)です。 19世紀パリで生まれたグランジュルノルマンという…

赤魔導士Bijou

赤魔導士Bijou(ビジュー)です。 19世紀パリで生まれたグランジュルノルマンという占いを研究・翻訳してます。 noteではSF(少し不思議)な体験談をつろつろ書いていきます。

最近の記事

憑かれるということ

憑かれてる人、と言っても色々タイプがいらっしゃいます。 一番多いのがいわゆる浮遊霊となんとなく波長が合って、ひょいっと乗っかられてしまう場合。 これはよく言うファブリーズしゅっしゅしたり、掃除機で吸ったり、我々生きている人間がされていやなことをすると案外するっとのいてくれます。 次に多いのが強い恨みや悲しみの中お亡くなりあそばした方が入ってしまう例。 ひどく疲れていたり、生きるのが辛くなったり、亡くなる前のその方と同じような状態になると入り込まれやすいようです。 この場合は

    • ドアの女

      私の実家では昔から店舗の店子貸しをしていまして、狭い小路の中で数十店舗飲食店さんと賃貸契約をしております。 ある時その一店舗、スナック経営をされていたお店の前に差し掛かった時です。 そのお店は丁字路の角地にあり、入口も道に面していたので比較的見通しが良いのですが、手前の角を曲がった瞬間ものすごい違和感を感じました。 ドアから女性の半身が、ぬーーーーっと、両手と長い髪が垂れ下がって出ています。 お稽古に通う時に良く通っていた道です。 そんな異質な光景は3日前にはありませんで

      • Chassez le naturel, il revient au galop.

        亡き父は茗荷が苦手で、ある日理由を尋ねたところ、茗荷は物忘れをするからだと言う。 幼児期に聞いた落語の『茗荷宿』が深く残っているようだった。 私は私で、鹿肉が好物なのだが、美味いこと以外の理由を思い返すと、やはり幼少期にふれたシャルル・ペローの『眠れる森の美女』に由来していた。 やはり子供時分に鮮烈に刻まれた記憶は、衝撃と共にいつまでも色褪せず残るものなのだろう。 そういえば父が蛙を忌み嫌っていたのも、年の近かった大叔父が腹の裂けた蛙を幼い父に投げてぶつけたからだと言って

        • 一反木綿

          良く妖怪を見ていた、というと大体の方が驚く。 特に小さい頃の話なので夢だったのではないかと思われるかもしれない。 私としては夢でもなんでも良いのだけれど、あれほど毎日見て、遊んでもらっていたので空想と片付けてしまうのは彼等にも申し訳ない気持ちになる。 色々見てきた中でやはりキャッチーなのが一反木綿だ。 ゲゲゲでおなじみの白い反物で、切り刻まれても一昼夜水に漬けておくと元通りになるという、九州地方の妖怪。ということになっているが、私が見たのは東京のど真ん中。 最初はも

        憑かれるということ

          火事

          子供時分の話。 夜自室で寝ていると遠くで消防車のサイレンが聞こえてきました。 普段は眠りが深い方なので夜中に起きることはあまりないのですが、その日は音で目が覚め、頭頂部に何かの気配を感じました。 ベッドのヘッド部分は壁についていましたので、そもそも頭頂部にあるのは板なんですが。 さて怪異現象には慣れていましたが特に金縛られることもないので身を起こし振り返ってみると比較的近所に住む同級生のS木君がいました。 首から上のS木君。 多少驚きましたが話を聞こうと思いじっと

          ミニマムタイムリープ

          #私の不思議体験 赤魔導士Bijouです。 子供時分からヒトならざるものと触れ合い、不思議を不思議と思わない暮らしをしていた私ですが、今思い出しても不可解な体験をしました。 大学生の時のお話。 当時私は新百合ヶ丘に住み、音楽大学に通っていました。 大学は陸の孤島と称されるほど辺鄙な場所にあり、家からは徒歩10分、電車30分、バス20分と、約1時間強を要します。 当時私はお世辞にも真面目な学生とは言えず、寝坊してはサボり単位の危うい教科も多かったのですが、這ってでも出なけ

          ミニマムタイムリープ