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パートナー(代理店)勉強会実施のポイント

皆さんこんばんは。
パートナーセールスの葛西です。

以前に「パートナー契約締結後の初回アクション施策まとめ」を書かせていただきましたが、今回はその中でどのSaaSベンダーさんでも必ず実施されている鉄板施策、パートナー(代理店)企業様への「勉強会」について、ポイントを書かせていただこうと思います。
※ここでいうパートナー(代理店)勉強会は、パートナー契約締結後に行う勉強会を指しております(パートナー制度の説明会ではございません)。


パートナー(代理店)勉強会の前提

パートナー勉強会はほぼどのSaaSベンダーさんでも実施されている施策かと思います。実際に私が何社かのSaaSベンダーさんと情報交換をさせていただいた中でも、パートナー勉強会を実施していないというSaaSベンダーさんは1社もありませんでした。

パートナー様に拡販いただくための鉄板であるこの勉強会という施策ですが、まず大前提として、勉強会を1回実施したからといってすぐに売れるようになるというような魔法の杖ではありません。
また、パートナー様側が大抵の場合、自社プロダクト以外にも多数の商材を取り扱っており、このような商材勉強会は非常にたくさん受講されています。そのため、勉強会の参加者の半分は勉強会の内容を聞いてない(作業しながら流して聞いている)、終わった後に数分で内容を忘れているという前提の気持ちで取り組むのが良いかと思います。
※もちろん、めっちゃ勉強会聞いてくれて、質問もバシバシいただけるパートナー様も中にはいらっしゃいます

上述のような前提がある中で少しでも効果を上げるためにも、まずはパートナー企業の決裁者またはチャンピオン(現場の拡販推進者)と「なぜこのプロダクト(商材)を販売していくのか?」をしっかりと握った上で勉強会が進められると良いかと考えています。

パートナー(代理店)勉強会で入れるべき、最低限の内容

1. パートナー(代理店)制度の内容やフロー、マージン

パートナー制度の内容の案内や案件創出からマージンが支払われるまでのフロー、マージン(手数料)の金額など案内は必須です。これらの内容は実際にパートナー企業の各営業担当に特に初めて案件が創出されると、パートナー企業の営業担当から大抵は質問されます。ですので、勉強会の中にも必須で入れておくべき内容かと思います。
※ただし、勉強会に案内を入れたとて、パートナー企業の営業担当からの質問が無くなるということはなく、案内しててもよく来る質問です。

2. パートナー(代理店)企業の営業担当へのメリット

パートナー企業の営業担当がそのプロダクト(商材)を販売することでどんなメリットがあるのかを明示しなくては、パートナー企業の営業担当の方々がなかなか拡販に動いていただけません。ですので、具体的に彼ら・彼女らにとってのメリットをわかりやすく伝えるということは必須で入れておくべき内容かと思います。
加えて、パートナー企業の営業担当のうち、視座の高い営業担当をさらに巻き込むためにも、自分たちの本業の売上(粗利)にどう直結してくるのか、要はどのようなシナジー効果が生まれるのかもわかりやすくポンチ絵に書いて案内できると良いでしょう。
※具体的に、パートナー・顧客・自社の3者Win-Win-Winになる構図がうまく描ければ、仮にマージンが低かったとしても動いてくれるパートナーの営業担当の方が一定います。

3. ターゲット企業と競合サービス

ターゲットとしている企業やどういった課題に対して当てられるサービスなのか、競合となるサービスはどこか、は必須で入れておくべき内容かと思います。
ターゲット企業や当てはめられる課題がわからなくては顧客への提案ができませんし、競合となるサービスを理解しておかなくてはなかなか競合とコンペになった時に勝つことができません。
1点、競合サービスについて勉強会でお話されたりする際、SaaSベンダー側は競合サービスとの比較となるような資料を出すことは避けるようにしましょう。比較資料を出してしまうと、「不正競争防止法」という法律に抵触してしまうためです。

4. 提案方法や営業支援ツール

どのような提案の仕方をすると顧客に刺さりやすいのか、それに付随する営業支援ツール(トークスクリプトやヒアリングシート、提案チラシ等)の案内は勉強会の中にも必須で入れておくべき内容かと思います。
どうやって提案したらいいのか?というのはパートナー企業の営業担当が1番疑問視される・質問されるポイントであるためです。
また、上記に付随して、パートナー企業側の本業(メイン商材)とのセット販売ができるような座組を構築し、セット販売の提案方法や営業支援ツールも案内するとさらに良いかと思います。

パートナー勉強会でのポイント

1. 勉強会の規模や内容の使い分け

勉強会を実施する場合、その事業部(もしくは会社)全体に勉強会を実施することが多いのではないでしょうか?
もちろん事業部(もしくは会社)全体に勉強会を実施することも重要ですが、全体での勉強会の場合、どうしても質疑の時に質問しづらい、話が一方的になりがちといった問題も起こってきます。ですので、初回は全体に実施、次は事業部内の1チームに座談会形式で行って内容も商談でのより具体的な営業方法に寄せる、パートナーの営業担当のレベル別で分けて座談会形式で行うなど、開催規模や開催方法、内容を使い分けると良いでしょう。

2. パートナー企業の新人営業研修への勉強会組み込み

パートナー企業様も大きい規模の企業様になると、毎月のように新しい営業担当が入社されるというパートナー企業様も多いのではないでしょうか。そのようなパートナー企業様へは、新人営業研修に自社プロダクト(商材)に関する勉強会を研修に組み込んでいただくよう、交渉してみてください。
※ただ、この交渉ができる状態になるには、前提として決裁者またはチャンピオン(現場の拡販推進者)との自社プロダクト(商材)拡販の握りができていることが必要となります。

新人営業担当(新卒含む)にも自社プロダクト(商材)をインストールいただいて拡販いただくという目的はもちろん、勉強会は自社プロダクト(商材)拡販の新エースを発掘する機会にもなり得ます。ですので、重点的に抑えたいパートナー企業様においては、新人営業研修に勉強会を組み込んでいただくという施策は必須で取るべきでしょう。

3. パートナー社内で生まれた成功体験(受注事例)の共有

パートナー社内で生まれた成功体験(受注事例)については、勉強会の中で必ず入れるようにしてください。理由としては、具体的な提案イメージやお客様への効果がイメージできるためです。
成功体験(受注事例)の共有については、全体の勉強会の中に組み込むというのはもちろんですが、日々生まれる1つ1つの成功体験(受注事例)については10〜15分程度の短時間で1チームごとの小単位で事例共有会を実施する、事例資料にまとめて配布する(そして誰が見てるかをモニタリングする)、といったやり方でも良いかと思います。

4. 勉強会参加者のメモ

パートナー企業向けに勉強会を実施する際は、誰が参加しているのか可能な範囲でメモをするようにしてください。理由としては、初回勉強会や新人向けの勉強会であればパートナー企業側の営業担当個人の名前をしっかりと覚えるということが重要であるためです。

また、特に、勉強会への参加が「任意」となっている場合は、誰が参加したかを正確に把握する=参加している人は少なからず自社プロダクト(商材)に関心がある=つまりは売ってきてくれる可能性が高い営業担当という方程式が成り立つため、抑えるべき営業担当を見つける術にもなってくるので、参加者が誰かをメモすることは非常に重要なポイントとなってきます。

5. 勉強会内での質問内容と質問者氏名のメモ

パートナー契約後の初回アクション施策まとめ」の記事内でも書かせていただきましたが、パートナー企業向けの勉強会内で出てきた質問内容のメモと質問した方の名前のメモすることは非常に重要なポイントです。
理由としては、前者はFAQ集の作成やパートナー様からこの質問が来たらこう答えよという社内の中での仕組み化が進められるため、後者は「質問する=少しでも関心がある」サインなのでファン化する(拡販してくれる)可能性の高い営業担当であるためです。
非常に細かいポイントですが、勉強会は抑えるべき営業担当が見つけられる機会でもあるため、こういった細かいポイントが非常に重要になってきます。

まとめ

今回はパートナーセールスの鉄板施策、「パートナー勉強会」について、主に内容として最低限入れるべき内容と勉強会での抑えておくべきポイントについて書かせていただきました。

日本のパートナーセールスの正攻法がまだ固まってない以上、これが完全に正解なのかは正直わかりません。ですが、実際に私が何回も勉強会を実施してPDCAを回して検証してきた結果と何社ものSaaSベンダーのパートナーセールスの方々から聞いたお話をもとに、今回はまとめさせていただきました。

是非皆様のパートナーセールス活動において、少しでも良き情報になればと思っております!
それではまた次回の更新をお楽しみに!



P.S.
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