千葉都市モノレールの運休

先日5月9日(2024年)の18時30分過ぎ、千葉都市モノレール千葉駅付近でポイント故障が発生。その時どのようなことになっていたかを振り返ってみたい。

何があった?

千葉都市モノレールは1号線(千葉みなと~県庁前)と2号線(千葉~千城台)の2路線で構成されており、千葉で分岐する形になっている。実際の運行形態は千葉みなと~県庁前間と千葉みなと~千城台間での運転で、千葉みなと~千葉間は実質的に1号線と2号線の共有区間となっている。今回は、この1号線と2号線を分岐させる分岐器が故障した。そのため、運行に支障が発生してしまった。

たまたま…

その日私は穴川あたりで打ち合わせがあり、それに向かうことにしていた。千葉駅から穴川に向かうには千葉駅からモノレールのほか、稲毛駅に出てバスに乗車する方法があるが、夕方の帰宅ラッシュ時間帯でありバスは時間が読みづらくしかもモノレールのほうが直線的につなぐため所要時間が短い。よってモノレールを選択したわけだが、18時40分頃にホームに上がるとなんか雰囲気がおかしい。
よく聞くと、ポイント故障で運転を見合わせており、19時過ぎには運転を再開すると放送を行っている。本来であればここでJR千葉駅に行き、総武線とバスを乗り継いで穴川を目指せばよいのだが、復旧までの所要時間によってはモノレールのほうが早くなることから、先方には遅れる旨の連絡を入れてモノレールを待つことにした。

どんどん長くなる運転見合わせ

結局運転再開は19時25分頃で、約45分にわたって運転がストップしてしまった。その間疑問に思ったのが「係員がポイントを手回しで動かすため現場に向かっている」という内容である。
「手回し」とは何ぞや?と思ったのだが、おそらく手動でハンドルでも使ってくるくるすれば分岐器が動くといった機構でもあるのだろう。
ただ、結局この分岐器は当日中の修復は不可能で千葉みなと~千葉~県庁前間は19時過ぎに千葉駅に停車していた1本を除き当日は運休となってしまった。
その後、19時25分頃から千葉~千城台間での折り返し運転が始まったが、通常千城台行きは2番線発なのにも関わらず3番線(千葉みなと方面行き)での折り返しとなっている。
以上を要約するとこんな感じになる。
・千葉みなと行きは19時15分頃の列車を最後に運休。
・県庁行きは分岐器故障の18時40分頃からすべて運休。
・千城台行きは原則2番線から発車だが、この日に限り3番線で千葉駅折り返し運転。19時25分発から運転再開。
・千城台行きも本数はかなりのばらつきがある。
私はその後19時25分から復帰した千城台行きに乗車し、穴川まで向かい打ち合わせを行ったのであった。

その後

打ち合わせを終えた後、千葉駅に戻るためにモノレールホームに上がってみると、ばらつきはあるものの運転は行われておりとりあえず一安心といった感じであった。
千葉駅到着後、分岐器を確認するためにそごう側へ行ってみると、分岐器が中間で止まってしまっておりどちらへも行けないような状況となってしまっていた。

千葉駅周辺のモノレール配線図について

今回、注目すべき部分としては故障した分岐器と千葉駅での折り返しである。まず、千葉駅周辺の配線図は以下の図のようになっている。

この配線を見ると、1番線からは千葉みなと→県庁前、4番線は県庁前→千葉みなとのルートでしか使用できないが、2番線と3番線は千葉で千城台方面へ折り返しができることがわかる。県庁前方向はあまり柔軟性がないが千城台方面は比較的柔軟性があって、今回のような分岐器故障が発生しても対応できるようになっているのであろう。また、スポーツセンターや千葉公園、動物公園でイベントがあったときや総武本線で事故があり運転見合わせとなっているときには千葉~千城台若しくは千葉~動物公園で臨時列車が運転されることがある。このような事態にも対応できるようにこのような構成になっていると想像する。
さらに分岐器に記号を付けたものがこちらである。

AとBの分岐器は折り返し用、CとDは1号線と2号線の合流用であり頻繁に動くのはCとDになる。
今回故障したのはDの分岐器で、この分岐器が動かなくなると千葉みなと→千葉では運転ができなくなる。さらに、県庁前方面は千葉~栄町間に分岐器がないので通常の方法では折り返し運転すらもできなくなる。そのため今回は千葉みなと~千葉~県庁前が完全運休、千城台方面はAの分岐器を使用して3番線での折り返し運転としたのであろう。
県庁前~千葉みなと間の運行本数は72本なので、C/D分岐器の1日稼働回数は72往復、1年365日では26000往復の稼働でかなり過酷であると予想する。そのためメンテナンスもそれなりに頻繁に実施されていると推測され、実際に2023年11月18日は千葉みなと~千葉~県庁前を運休にしてメンテナンスを行っている。

代替交通の可能性

千葉都市モノレールは比較的代替輸送が有効であり、おおむね以下のようなルートが考えられる。
・千城台~桜木間:京成バス 千01/02/05/06系統
・都賀:JR総武本線
・みつわ台、動物公園:千葉内陸バス C40系統
・スポーツセンター、穴川:稲毛駅からバス 稲01他
・天台、作草部:西千葉駅からバス 西千01他
・千葉公園、栄町、市役所前:徒歩(10分前後)
・葭川公園、県庁前:京成バス、千葉中央バス他・JR本千葉駅から徒歩
・千葉みなと:JRで蘇我駅周り
こう見ると、千葉みなと~千葉間だけがかなり不利な状況で、JRで蘇我経由というかなりな遠回りを強いられる。この間のバスは本数が少なく、ちばシティバスが30往復ほど走らせているだけという状況である。
この区間はモノレールが便利すぎる(日中毎時9本)こともあり、バスでは太刀打ちできないので仕方ないのではあるが、その分モノレールが運休になったときの影響はこのように大きなものとなってしまう。
モノレール運休による影響の大きさはそのまま重要なポジションにあることを示していることになるので、その意味ではモノレールの地位向上は喜ばしいと考えている。

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