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民放キー局のネット同時配信で地方テレビが生き残る方法

2020年の3月からNHKのネット同時配信が始まります。民放キー局も秋からネット同時配信の準備を進めているそうです。

ネット同時配信は時代の流れだと悠長に構えてましたが、渡邉哲也さんの動画を見て割と深刻な問題であると認識しました。

渡邉さん曰く、危ないのは地方局だそうです。地方局のビジネスモデルの一つに在京キー局の番組の配信があります。そのキー局が全世界に向けて直接最新で配信してしまうわけだから、地方局のこのビジネスは成り立たなくなります。

在京キー局がネット同時配信を始めてしまった場合、地方の放送局はどうしたらいいのでしょうか。

放送局には色々と制限があるようなので、それを前提にしてしまうと自由に想像を膨らませられません。自由競争の世界である前提で想像を膨らませていこうと思います。

地方局もネット配信で生き残れ

地方局が生き残るには今時の言い方でいうとYouTuberになるのが最も安易かと思います。要するにテレビの枠を超えたコンテンツ配信事業者です。

配信先はYouTubeでもニコニコ動画でも、あるいはNetflixでも構いません。コンテンツの制作能力はあるはずなので、それを全世界に配信してしまうのです。

色々と制限はありそうですが、可能であれば今すぐにでもやるべきではと思います。

地方局こそコンテンツ力を秘めている

地方向けの局所的な情報番組はその地域の人ではなくとも楽しめます。私は実家の岐阜に帰った時に東海圏の放送局が作った番組を見ることがあります。旅番組や街の情報番組はとても深くて興味深い内容です。

コンテンツはターゲットを絞った内容であるほど深い内容で作り込みやすくなり、結果として面白くなります。例えばコテコテの岐阜弁のアナウンサーが岐阜の人も知らない岐阜の魅力的な場所や体験を取材したコンテンツというだけでとても角が立ちます。これは多くの大衆を相手にする在京キー局では作れない番組です。

有名所だとHTBの「水曜どうでしょう」や、テレビ西日本の「ゴリパラ見聞録」かと思います。私はこれらの番組を見たことがないのでその面白さは語れませんが、多くのファンを抱えているようです。

私が見た中で面白かったのが、東海テレビの「ぐっさん家(ぐっさんち)」です。ぐっさんこと山口智充さんが自ら自動車を運転して東海3県各地の名所を散策する番組です。全国ネットでは取り上げられなさそうな、ニッチだけど素敵な場所をぐっさんが実際に回って紹介するのはとても楽しめます。YouTuberで配信されていたら間違いなくチャンネル登録します。

そのような地域に密着した番組が全世界で見れるようになったら、観光業の後押しにもなります。もしかしたら魅力的に感じた人が移住するかもしれません。地域の活性化にも繋げられるので、とても良いことだと思います。

番組制作の競争はより激化

課題は、競争相手が全世界になる点です。日本の場合は言語の壁があるので「世界」は大袈裟かもしれませんね。しかし少なくとも全国を相手にする必要はあります。そのためには、全国で戦えるコンテンツ作成力が求められます。

冒頭で紹介した動画では「終わるかも」という見出しになっていますが、必ずしも全滅するかどうかは分かりません。純粋にコンテンツで勝負できるようになるだけなので、競争相手が急激に増えるだけです。そして十分に戦えると思います。

既に放送局の様にテレビ番組と遜色ないコンテンツをネットで配信している業者も居ます。スポーツで言えば「Jリーグ」や「プロ野球」、「Bリーグ」などを配信しているDAZNが正にそうです。「虎ノ門ニュース」「ニュース女子」「オルガン坂生徒会」などを配信するDHCテレビもその一つかと思います。

在京キー局のネット同時配信が始まると、地方局は腕が試されそうです。そもそも在京キー局のネット同時配信が本当に採算がとれる判断であるのかも、蓋を開けてみないと分かりません。渡邉さんが仰るように「終わる」のか、より魅力的なものとして脚光を浴びるのか、気にしてみようと思います。

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