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今こそ個々が「正常性バイアス」を認識して適切な危機管理をするとき

世界はもとい、日本が感染症の危機に陥ってから「正常性バイアス」という言葉を聞くようになりました。

拭いきれない正常性バイアス

正常性バイアスとは、危険に対して自分だけは大丈夫と思い込んでしまう認知バイアスのひとつです。昨今の事情で例えると、感染症が爆発的に広がりつつある事態においても、自分は大丈夫と思ってしまう現象です。

実際に大丈夫な人もいると思います。何ヶ月も家に引きこもって誰とも接触してなかったり、外部との交流が全く無い孤島にお住まいの方々です。感染症と触れる機会は限定的なので、「大丈夫」という根拠は十分です。

本当に「大丈夫」な方々はほぼいないと思っています。およそ全ての人は不特定多数の人と接触する日常を過ごしています。私を含めたそのような方々は心配だと思っていても、どこか頭の片隅では大丈夫と思われてるのではないでしょうか。

正常性バイアスを否定する必要はない

私が思うに、正常性バイアスは人間に不可欠な機能です。もし執筆現在のように感染症が広がっている事態で正常性バイアスが働いてなかったらどうでしょうか。おそらく「自分や身近な大切な人も未知の肺炎を患って死ぬ」と思って強いストレスを毎日感じ続けてしまいます。

そもそも感染症だけでなく身の回りに潜むあらゆる危機に怯えながら強いストレスを受け続けるでしょう。私たちは正常性バイアスなしでは生きていけません。つまり、正常性バイアスを否定する必要はありません。

正常性バイアスと紳士に向き合う

正常性バイアスは必要な機能ですが、野放しにしておくのも良くありません。危機意識を持って備えなければ、危機を招きかねません。あるいは、実際の危機に直面した際に最悪の事態を招きかねません。適切な危機管理を行うためにも、自身に正常性バイアスが働いていると認識するのは必要です。

東京都では外出自粛要請が出されました。

小池知事は25日夜、緊急の記者会見を開き、「いまの状況を感染爆発の重大局面ととらえこの認識を共有したい」と述べて強い危機感を示した上で、平日はできるだけ自宅で仕事を行って夜間の外出を控え、特に今週末は不要不急の外出を控えるよう呼びかけました。

外出自粛要請に則って臨時休業する店も出ているようです。

東京都が今週末(3月28日、29日)の外出を自粛要請し、神奈川県や千葉県などの隣接する自治体も東京への外出を控えるよう呼びかけている。そうした中、商業施設や店舗でも営業を止めたり、時短営業を発表している。

とりあえず今週末は要請通りに引き籠っているのが無難そうです。しかし、感染症による死者を抑え込むか、経済的困窮による死者を抑え込むかの瀬戸際の判断が行われていると理解しています。感染症だけのことを考えれば引き籠るのが最適ですが、資本主義社会の機能を低下させるのも考えものです。

週明けからまた通常に近い生活となります。その際は自身の行動や判断に正常性バイアスがかかっていないかを疑ってみるとよさそうです。よきバランスを保って社会を支えていきたい所存です。

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