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御祝儀も賽銭もキャッシュレスでいいよね?

docomoが興味深い取り組みをしています。

 ドコモは、昨年に行われた実際の結婚式において、d払いのサービスのひとつ「個人間送金」を利用して、ご祝儀を現金ではなくスマホからキャッシュレスで贈る#キャッシュレスご祝儀に挑戦した。

個人間送金はd払いだけでなく、昨今の電子マネーは備え付けている機能です。それを御祝儀の受け渡しに使ってみたということでした。

実は半分以上がキャッシュレス御祝儀を許容

この記事の中で特に興味深かったのはこの部分です。

・結婚式のご祝儀をキャッシュレスで受け取ってもいいと考えている人は66.5%
・結婚式のご祝儀をキャッシュレス化できるようになったとしても、マナーや礼儀は必要だと考えている人は83.9%
・キャッシュレス化を希望するご祝儀イベントトップ3は、1位ご結婚祝い、2位ご出産祝い、3位成人祝い

御祝儀はお祝い事なので文句を言いにくい文化です。しかも理由が「手間」というのは尚更に言いにくいものです。それを上手く統計にして「言いにくい」と感じていた体験を「自分だけじゃなかったのか」と思わせてくれたdocomoの取り組みは見事です。

実際に御祝儀というのは手間がかかります。あえて書くまでも有りませんが、専用の封筒を用意して、慣れない筆ペンで慣れない字を書いて、ピン札を用意して、丁寧に包む。週末に結婚式があろうものなら、金曜日の夜の余暇はこの作業で潰れます。(私だけ?)

振り込みで済ませられないかと何度思ったか分かりません。しかし、そんな提案を面と向かってできる訳がありません。それを共感されている課題だと指摘した上で電子マネーの個人間送金で実現しようというのはとても良い啓蒙だと思いました。

御祝儀「文化」を変える必要

購買行為のキャッシュレス推進はトップダウンで進められています。キャッシュレスを推進した方が得になる合理的な仕組みを作ってしまえば済む話です。現在進行系のキャッシュレス推進施策は消費税増税をテコにして上手く進んでいるようです。

一方で御祝儀は「文化」です。気持ちのあり方と作法の問題です。合理性とは違う世界です。文化を変えていくには共感を得ながら進めていくしかありません。

賽銭でも始まっているキャッシュレス

御祝儀の話題で思い出したのが賽銭です。昨年から神社やお寺の賽銭をキャッシュレスにした取り組みが話題になっていました。

キャッシュレスの推進で現金の利用を億劫に思う人が増えたのと、海外からの旅行客でも払いやすくしたというのが背景のようです。

他にも小銭を金融機関に入金する際の手数料を削減できたり、賽銭泥棒の対策になったりする利点があるようです。

記事内にも書かれていますが、もともと賽銭は供物を送る代わりとして定着した歴史があります。なので時代を経て電子マネーに置き換わるのは自然です。

ちなみに今でも小切手を賽銭箱に入れる人もいるようです。ある意味キャッシュレスですね。

今はまだ一部しか導入されておらず、利用率も低いようです。「キャッシュレスでいいじゃん」の文化が進めばいずれ置き換わっていくのではと予想します。

日本人の文化的柔軟性に期待

御祝儀にせよ賽銭にせよ、時間の問題ではないかという気がしています。特に早いのは御祝儀の方でしょう。賽銭は引用した記事で指摘されているような“宗教に関する個人情報の流出や課税への可能性”が懸念されているので議論が続きそうです。

日本人は文化の変更にとても強いと思っています。企業のキャンペーンなどであっという間に文化を作ったり作り変えたりしてしまいます。バレンタインや、節分の恵方巻、ハロウィンも短期間で根付かせてしまいました。

この度のdocomoのキャンペーンが上手くハマるかはdocomo次第ですが、一度でも「良いじゃん」となればマスコミに煽られて一気に浸透するでしょう。

ミニマリストの一人として、このキャッシュレス化の流れは興味深く見ていこうと思います。

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