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安全なはずの福島第一原発の処理水の放出、地元漁連が反対する理由が「風評被害」であるのは重く受け止めたい

政府が福島第一原発の処理水について、海洋放出を決めました。私としては早く流せばいいのにと思っていましたので、ようやくと言った感想です。ところが、SNSでのニュースの反応を見ていると未だに不安を感じている方が多いようでした。改めて情報を整理しようと思います。

福島第一原発で生じている処理水は海洋放出にあたっての国際的な安全基準を満たしています。世界保健機関(WHO)の基準だと1万ベクレルとされているところ、今回の決定で放出される処理水は1500ベクレル未満となるようです。日経新聞には「仮に毎日2リットル飲み続けても健康被害が出る水準を十分に下回る」そうです。

各国はこの基準に従って海洋放出を続けています。日本の近隣では韓国の月城原発もこの基準に従って日本海処理水を放出し続けています。(むしろ上回ったものが流れ出てた疑惑があって問題になっていたほどです。)韓国による日本海への放出は良くて、日本による太平洋への放出が良くない理由が分かりません。日本海で捕れた海産物が汚染されている事実があるのであれば考慮に値します。

ちなみにこの話がなされると、福島第一原発の処理水が安全なら飲んでみろという煽りがあります。しかしながら同処理水は飲めないそうです。情報源を失念してしましたが、大腸菌が多いので飲用としては適してないという話を聞いたことがあります。それ故に飲用可能な否かを持ち出すと話が複雑になりがちです。普通に考えれば河川や海洋の水も雑菌だらけなので、飲用可能な水しか流してはいけないという理論は成り立たないのは直感的にわかります。飲めるかどうかはこの際は問題ではありません。話がずれないようにしたいです。

一方で海洋放出にあたって地元の方は反対されているそうです。反対の理由は風評被害への懸念です。原発の処理水は当初からマスメディアを中心にあたかも健康被害があるかのようなデマが延々と流されてきました。今でなお一部のメディアでは「地元は反対」という見出しをつけて不安を煽りながら、健康被害ではなく風評被害を懸念しているという内容は記事をよく読まなければ分からない記事構成になっています。私はこれは非常に悪質だと思います。

その漠然と危険そうなものを海洋放出されるとなれば、福島県沖の海産物の価格が下落しかねません。福島県はただでさえ原発関連の風評被害と対峙してきました。多くの人は福島県産の農産物や海産物にたいする抵抗が無いかと思います。何を懸念しているのかという気にはなりますが、最も影響を受けている地元の方がそう実感されるのであれば、風評被害は無くなっていないのでしょう。地元の方の意見は尊重すべきです。

菅総理は風評被害への対策をすると述べています。果たしてどのような対策をするのでしょうか。某知事であればマスコミを集めた席で福島県で捕れた魚を食べてパフォーマンスの1つでもするのでしょうが、おそらく地元の方が求めているのはそうではないかと思います。より実効性が高くて計測可能な施策を打つ必要があるでしょう。菅内閣は発足以来、国内の課題に粛々と対応し続けてています。この菅内閣が福島の方々を納得させられるだけの施策として何を打つのかはお手並み拝見といきたいです。


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