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まだ早いけど現状からアフターコロナを考えてみる(5):スポーツ業界の未来は明るいかもしれない

アフターコロナについて考える記事の5回目です。しばらくはアフターコロナのテーマで一貫してきましたが、この流れはこれが最後になります。最後はスポーツ興業について考えてみようと思います。

感染症の拡大を防ぐために発せられた自粛要請はイベント産業に多大なる損失を与えています。スポーツ興業も同様です。スポーツ興業はマラソンなどの参加型のイベントと、プロ野球やJリーグの様な観戦型のイベントがあります。今回は両方共に中止となっています。

スポーツ人口の増加に期待

参加型のイベントに関しては、アフターコロナでも変わらないと思います。人が集まらないと開催出来ないので、開催の形態は変わりようがありません。

開催の形態は変わらないにしても、一方でスポーツを楽しむ人は増えているのではと期待しています。それは自粛によって運動不足が多くの方の課題となっており、エクササイズなどの運動が注目されているからです。これを機に特別に運動を始めてみた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

運動は続けると習慣になります。習慣化を成し遂げた方がアフターコロナも運動をスポーツとして楽しんでいただければ、参加型スポーツのイベント開催者にとっては喜ばしい影響となるでしょう。

VRシートの必要性が加速

観戦型のイベントに関してもまた、アフターコロナでも大きくは変わらないと思います。ただし、今般の様な事態を想定した収益の仕組みづくりは強く検討されるのではと思います。

大きな話で言えばVR観戦です。「VRシート」の様な観戦チケットの販売をして、スタジアムの幾つかのポイントに配置された360度カメラからの映像をVRで楽しむコンテンツです。既にauがサッカーで実証実験をしているようです。

無観客試合に踏み切れない理由は心情的な理由もあるかと思いますが、収益に影響がでるというのもあります。Jリーグの場合はスポンサー収入が1つ大きな収益源ですが、入場料収入がクラブの収益を左右する構造となっています。

VRシートが実現すれば、やむを得ず無観客試合となっても、ある程度の収益化は可能になります。ただし、各自1台はVR映像機器を持っている環境が必須であったり、ダイナミックな映像を提供するための5G環境が整っている必要があります。アフターコロナという観点では更に数年後の未来になりそうです。

ちなみにVRシートが実現すればスタジアムの収容数はある程度小さい方が優位になると考えています。スタジアム観戦の希少性が上がるので入場単価を上げられるのがひとつです。

もうひとつ、小さい方が臨場感を演出しやすいという点も注目しています。VR観戦をした場合、閑散としたスタジアムを眺めているよりも、360度から迫力のある歓声が聞こえてきたほうがコンテンツとしては価値が高くなると想像しています。

もちろん、5万人が収容されたスタジアムの歓声と2万人が収容されたスタジアムの歓声は雲泥の差があります。ワールドカップの様な規模であれば別です。JリーグやBリーグの様な企業規模であれば、中規模のスタジアムやアリーナを埋めるのが現実的です。

スタジアムでの観戦チケットを入手できなかった人たちは、VRのあたかもその場にいるような感覚での観戦を楽しみます。VRシートの収容人数はほぼ無制限です。交通費もかかりません。

独自の集客チャンネルを作れるか

外出自粛が求められている現在は、試合がなくてもファンの心を掴み続けるコンテンツ作りが求められていると思います。これはとても良い機会だと思います。

現在はYouTuberに代表されるように、誰でも放送媒体となれます。例えば私が応援している東京ヴェルディもYouTubeチャンネルを持っていますが、コンテンツの種類が豊富になってきました。

以前は練習の合間のオフショットやインタビューが中心でした。最近はリフティングの宿題を出したり、自宅での筋トレを指南する動画も出してきています。あるいは家でのオフショットや、オンライン会議の一部の様子もYouTubeで見られます。

動画はそれぞれ1分に満たなかったり長くて数分程度の簡単な内容です。私個人としては、以前よりアスリートとしての様子が見られるとあって、より興味をもって見るようになりました。

今は選手にも協力を得られやすい状況かと思います。試合が再開したシーズン中にどの程度までコンテンツを作れるかは分かりません。今のうちにクラブの放送局化を試行錯誤してクラブ独自の集客チャンネルを確立するのです。アフターコロナでも独自のチャンネルを持っている強みを活かせるのではないでしょうか。

アフターコロナは明るい?

収益の主軸である試合がないとクラブは経営を続けられません。アフターコロナまで団体が存続するのが大前提となるのは言うまでもありません。

一方でアフターコロナを無事に迎えた暁には、思ったより明るい未来が待っているのではと思っています。先述した小さな変化が正の方向に作用するのも然り、再開を心待ちにしているファンは少なくないからです。自粛疲れの鬱憤を晴らすかのように、以前よりもスポーツに熱中する方が一定数はいるのではないかと想像します。

日本では東京オリンピックの開催も控えています。スポーツ業界にとって、この外出自粛が続く状況が良い機会となるのを願います。

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