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高額還元で出口も豊富、トヨタウォレットがすごい

今朝の日経新聞朝刊の春秋欄は『2年前のきょうは「平成」最後の日だった。』という文で始まっていました。次の段落は『思えば遠くへ来たもんだ』という詩の一節で文章が展開されており、私もこれを読みながらコロナ騒動前の世界を懐かしみました。随分と遠い昔のように感じます。

随分と遠い昔のように感じるといえば、QRコード決済をめぐるキャッシュレス戦争があったのも気がつけば同じくらい前の話です。未だに競争は繰り広げられていますが、ペイペイを軸に手数料無料と高額還元を盾にして利用可能店舗を増やし、一気に定着させました。その戦争も昨年の春頃に落ち着きました。高額還元の競争が落ち着き、勝者として残ったのはペイペイです。続いて楽天ペイ、d払い、auペイと続きます。ポイ活民的にはこれに加えてポイント還元率が0・2〜1%のKyashの台頭も忘れてはなりません。

落ち着いた可能ように見えたキャッシュレス戦争ですが、ここに来て新たな動きが出てきました。それはトヨタウォレットの台頭です。トヨタウォレットはプリペイド式の電子マネーです。クレジットカードからチャージして、iDやマスターカード・コンタクトレス決済で支払えます。これ自体は特に変哲もないのですが、衝撃だったのはポイント還元率です。突然にして無条件で1・5%の高額還元を発表しました。ポイント還元は1%ですら高いと言われている世界です。

クレジットカードからチャージ可能となっているのもポイ活的には歓喜する仕様です。なぜならクレジットカードとのポイント二重取りができるからです。そのクレジットカードにはKyashを選ぶこともできました。メインのクレジットカード(1%)からKyash(0・2%)、Kyashからトヨタウォレット(1・5%)へと連携させることで、合計で2・7%分のポイント還元を実現できます。

トヨタウォレットが優れているのは還元率だけではありません。アップルペイに対応している点が使いやすさを飛躍的に上げています。アップルペイを利用できることで、そこから更にSuicaやパスモといったプリペイド式のカードへもチャージが可能です。つまり2・7%の高額還元を受けられるのはトヨタウォレットが提供するiDとマスターカード・コンタクトレス決済だけでなく、アップルペイでチャージ可能なSuicaやパスモもそれに加わります。他にもスターバックスカードなどアップルペイでのチャージに対応しているプリペイド決済サービスは存在します。この衝撃はQRコード決済の還元率が霞んで見えてくるほどです。

それにしてもトヨタが決済系に力を入れてくるとは考えていませんでした。しかし、納得感もありました。トヨタは自動車メーカーから脱しようとしている印象があるからです。他の自動車メーカーが欧米的な価値観に沿って脱炭素排出に注力しようとしている一方で、トヨタからはそのような動きは見られません。その代わりとして、街を丸ごと設計しようという動きが見られます。トヨタウォレットの衝撃から思い出したのは静岡県裾野市に作ろうとしている「ウーブン・シティ」です。この街はAIなどの先端技術を街として取り入れたらどうなるかを検証できる実験都市となるようです。都市を作ろうとしているとなれば、確かに購買情報は重要なビッグデータです。1・5%の高額還元で呼び込もうという理由は強く納得できます。

トヨタほどの企業であれば高額還元で潰されたりサービスがすぐに渋くなったりという懸念は無いと予想します。しばらくお得に使わせていただきます。


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