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政府のAWS採用とアマゾンの三浦瑠麗氏CM起用が連動してるとは思えない

ツイッターのタイムラインを眺めていたら、政府の情報システムのクラウド化にあたってAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)が採用されたという2月の記事が流れてきました。思わず反応した後になぜ2月の記事が今更タイムラインに流れてくるのかと不思議に思いました。

アマゾンのコマーシャルに三浦瑠麗氏が出演したのが事の発端のようでした。国際政治学者の三浦氏は徴兵制の導入を主張されています。この政治思想に反発する方々がアマゾンに怒りを覚えたようです。コマーシャルに自身の気に入らない人物が採用されたら、企業やサービスに対する印象も悪くなるのは当然です。結果として、アマゾン・プライムを解約しようという運動に発展しました。気に入らないサービスを解約するのも、みんなで解約しようという運動に発展するのも、自由にしたら良いと思います。

ここまでの動きは心情的には理解できます。この続きが異様でした。アマゾンが三浦瑠麗氏をコマーシャルに採用したのと、政府がAWSを採用したのが連動しているかのように拡散されているのです。「点と点が繋がった」と書いてあり最初は何のことか分かりませんでした。そして全く繋がってません。

政府がAWSを採用したのは、AWSがクラウドコンピューティングにおいて絶対的な存在だからだと思っています。国内で調達すべきという声もありますが、無理です。これは石油を中東から買わずに自前で採掘せよというのと同じくらいの無茶です。AWSの2019年の投資額は約130億5800万ドル(約1兆3700億円)だそうです。毎年のようにこの規模を投資してようやく安定しているシステムに追いつくには、どの程度の投資が必要でしょうか。

AWSは世界のクラウド技術を牽引するリーダーとしての価値も非常に高いです。システム基盤にAWSを採用するのは「勝ち馬」に乗るようなものです。イノベーションが生まれないと嘆いている日本の文化では太刀打ちできません。政府がAWSを採用したのは至極真当な選択であり、必然だと私は評価しています。

果たしてこの話とアマゾンが私人である三浦瑠麗氏を採用した話のどこに接点があるのでしょうか。共通項はアマゾンが主体であるという部分しか見えてきません。私の知見でこの2項を論理的に結びつけるのは難しいです。

何とも違和感のある動きではありますが、私が何かと理由をつけて脱中国を進めているのと似たようなものかとも思いました。もしかしたら、この扇動的な運動も米中戦争の側面なのかもしれません。

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