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10月の読了本

はやくも10月も終わってしまいますね。

今月は積読本消化月間でしたので、読了は3冊です。え?先月コロナっておきながら13冊だったんだからもっと読めただろって?
いいんですよ積読消化できたんだから!!!!

■神と王 謀りの玉座/浅葉なつ

神と王シリーズ2巻。
前作では大国に滅ぼされた国を主軸にしつつ、『国を救ってはくれなかった神』と『神がいるのに王がいる意味』を古代アジア風ファンタジーの世界で魅せてくれました。
※あと、イケメンがめちゃくちゃ出てくるのも嬉しい。

今作は『できたばかりの国』がメイン。
全てを神の信託に委ね、右に行くか左に行くかすら自分たちでは決めないようなひとたちのなかで「神の信託なしに王になる」ことを決意した男。
『神も尊重する』し、『人の思考も尊重する』。そんな道を探っている彼の行く末は――?

今作、上記の男以外にも『主役』と言えるキャラクターが複数出てきます。
文章の読みやすさもあって、ついつい全てのキャラクターに感情移入しがち……。
もちろん前作の主人公である慈空(じくう)の成長も感動ものです!
人種差別や宗教などを取り扱っていて考えさせられる作品ですが、ファンタジーですので、お気に入りのキャラクターを見つけて楽しく気軽に読んでいただきたいシリーズです。
あとイケメンがめちゃくちゃ出てくるので本当におすすめ。


■鋼鉄都市/アイザック・アシモフ

三体の1巻を読んだあと、『SFってなんて面白いんだ!』と思って購入した、言わずと知れたSFの中でも古株の名作。
1950年代に連載されたとは思えない『人間の仕事がロボットに奪われる恐怖』なども取り扱った作品で、まさに今読むべき作品と言ったところ。
さぞお堅い作品なのだろう……そう思いながら私はこの本を読み始めた――。

ほう、刑事が主人公か。SFでミステリーだと現代では有り得ないようなトリックが出てくる可能性があるな、用心しながら(?)読もう……。『窓のないそびえ立つ塔に何億人もの人が暮らしている』という設定。これぞSFだ!さすがSFの源流とも言える作品だ。王道で良い。主人公は未来世界にありつつも直情型の刑事のようだな、いいぞい……ん?宇宙人?宇宙人出てくんの?あ、まあSFですから……え?相棒?なるほ……『!!!!????』

ここまで、序盤。そのあとはなんかもう、「あーーーこれはいい異種族相棒ものですありがとうございました」しかありませんでした。

感想になってない?いつものことです。
続編があるようですので、来月にでも早々に読みたいと思います。

■流浪地球/劉慈欣

みんな大好き劉慈欣。
SFといえばもはや劉慈欣。
劉慈欣は天才である。

そんな気持ちで読み始めた短編集。
三体が長すぎて挫折した皆さん、安心してください。流浪地球は本当に短編集です。
大半が『地球の滅亡』に関わるお話ですが、その滅亡の理由がすごい。こんなこと思いつかない!を思いつくのが劉慈欣のすごいところですね。

そして、『宇宙の理不尽』を容赦なく感じさせてくれるのも劉慈欣。暗黒森林理論を思い出します。特に『呑食者』という短編は、宇宙人が侵略してくるお話で、「人間の文明がどれだけ尊いか」を説き、なんとか侵略を免れようとする人類を「蟻の文明を壊したくせに、二度と文明を語るな」とものすごい説得力でねじ伏せてきます。蟻が何万年もかけて築いた文明を一瞬で壊した人類と、宇宙人は一緒……?なんとも考えられる説教です。しかも『宇宙人に侵略される』だけでは終わらないんです。すごいラストが待っているので是非読んでいただきたい。

で。一番の推し短編なんですが。

『呪い5.0』がすごい。
タイトルからしてすごい。そして何がすごいって、なんと劉慈欣が出てきます。しかもなんかもう、なんか、なんかな感じで……。
インターネット黎明期にできた『呪い1.0』という一種のコンピュータウイルスが、いかにして5.0までバージョンアップし、それが社会にどんな影響を与えたか、というお話なのですが、さすがエンジニアでもある作者さんですね。
あまりにもリアルで、ありそうで、他の壮大な『地球滅亡の危機』と比べるとある種「ゾッとする」タイプのお話でした。もしかすると1番救いがないかも。


ということで、今月は3冊でしたので全て紹介させていただきました。
来月は積読以外にも手を出したいところです。
また素敵な本に出会えますように。

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