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読書振り返り・12月編(間に合え)

あとちょっと!!!!

12月

なんで結構読んでるんだよ!!!
いいよ振り返るよ!!!

■アンドロイドは電気羊の夢を見るか/フィリップ・K・ディック
→高性能のアンドロイドと人間は果たして何が違うのだろうか。
2人の主人公のうちのひとり、イジドアが上手くストーリーを掻き回してくれます。現代ではイジドアみたいなキャラは書いたら叩かれそうだな、と思ったんですが……後で書くなれのはてがやってくれました……加藤シゲアキすごい……。
超高性能なアンドロイドVSアンドロイドハンターの戦い、といえばそうなのかもしれないんですけど、もっとこう、倫理や哲学的なところまで問うてくるような作品です。
アンドロイド達の「人間っぽさ」と「非情」の塩梅がいい感じなのがまた上手い。

■変な家2/雨穴
→下の動画を見ろ!!!!第1話がまるまる動画になってるぞ!!!!

1つずつの家の間取りを見ていくうちに、ある恐ろしい真実にたどり着くお話。
変な家と比べると出てくる間取りの「数」が格段に増えており、変な絵の構成も踏襲して、確実に「進化」した作品に仕上がっています。
これはネタバレ一切できませんので、動画や過去作をご覧いただき、興味があれば是非ご購入ください。

■なれのはて/加藤シゲアキ
→天才なのかと。いや、天才型という感じではないか。なれのはてに関しては「よく取材し、よく練り上げた」といったところ。
1945年8月14日、土崎空襲。
さすがに読書家の皆さんは日付だけで「あ……」となれることかと思います。そう、終戦の前日、日本最後の空襲です。
その空襲がもたらしたある悲劇と、企業が抱えるぜったいに表に出せない大きな闇。
ある出来事により『報道部』から左遷された主人公が一枚の作者不明の絵について調べるうちに、それらの真相が徐々に明らかになっていく。
もうね、このストーリーを見るだけで分かるじゃないですか。『並大抵の根性で書ける話じゃない』って。実際、戦争を扱うだけあってかなり資料を読んだり、当事者にインタビューをされたり、努力をされたようです。
それらの努力が、見事に作品に昇華されていると思います。
加藤シゲアキさんはオルタネートの時も思いましたが、ストーリーの盛り上がりとご自身の筆のノリが連動して、ピークの地点に達するとものすごいエネルギーを文章から発するタイプだと思います。それに巻き込まれたら、読者は離れられません。
彼に関しては、いい意味で『芸能人だから』出せる強みがあるのかなと思っています。見せ方が上手い。ここは映えるシーンだなってところでしっかりスピードを上げてくれるのが気持ちがいいですね。

なれのはては、文句なく、今年のベスト3に入ります。天晴れでした。

■ハンチバック/市川沙央
→感想が難しい……なんだったんだろうこれ……。個人的には『好き』。これ、特定の年齢層以上の女性からすると「わかる」で溢れてるんですよ。さらにちょっとあれな小説とか書いてる人からすると「それな」になるので……私としては障碍云々関係なくやたら『わかるわー』というところがたくさんありました。
が。
その共感部分がかなりニッチなので、おそらく大多数はそもそも「何を言っているかわからない」なのではないかと……。
個人的にはこんなふうにわかるところが多かったのであまり『障碍がどうこう』みたいな感想は持ちませんでした。主人公とはちょっとネットで話すくらいの関係にはなりたい。(リアル友達0人並感)

でも、共感出来ない人はどんな感想を持つんだろう。さらに言うなら、男性は『ドン引き』しそうなんですが、どう思うんだろう。
感想を言いたいと言うよりは、知りたい。そんな作品でした。


終わり?終わりですか?ギリギリ終わりました!!!ここまで全部読んでくれたの1人しかいない気がしますが、おつき合いありがとうございました!!!
来年もよろしくお願いします!!!

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