グランデと劣等感【『ナナメの夕暮れ』リスペクト】

12月9日

スタバのラテを飲みながら、
『ナナメの夕暮れ』をちょこちょこ読んでいる間、
少し書きたくなったので。

なんで今さら?っていう感じなんだけど、
読め、と言われたからだ。

※アフィリエイトじゃないよ↑

スタバの「グランデ」について書かれた部分がある。
読んで思ったことを書き留めておきたくなった。


他人の目、過去の自分の目

自分は、小さなさり気ない行動ひとつにおいても
人の目や評価を気にすることがある。
気になった挙句、衝動や本心から生まれる
言動、ふるまいを押し殺したりする。

筆者は、スタバで「グランデ」と言えないのだそう。
(自分は言えるからこれは当てはまらないけど、
似たような状況は別にあるかも。
今は便宜上「グランデ」の例を使わせてもらいます。)
そんなの誰も見ていないのは知っているけど、
他の誰でもなく「自分が見て」いて、
グランデとか言って気取っている自分が嫌だ、
とのこと。

こういう気持ちはどこから来るかというと、まず自分が他人に「スターバックスでグランデとか言っちゃって気取ってんじゃねぇよ」と心の中で散々バカにしてきたことが原因なのである。
他者に向かって剥いた牙が、ブーメランのように弧を描いて自分に突き刺さっている状態なのである。
他人の目を気にする人は、「おとなしくて奥手な人」などでは絶対にない。
心の中で他人をバカにしまくっている、正真正銘のクソ野郎なのである。

若林正恭『ナナメの夕暮れ』より

あ、これ自分かもしれない、と思って
思わず本を閉じたくなった。
いや、確実に閉じた笑
心のどこかで人をバカにしてきた。
今はほとんどないつもりだけど、
振り返ると昔はそうだったように思う。

口ではいつも謙遜していた。
どうして表に出さなかったのか。
これもきっと、人の目を気にしているからだ。
とってもややこしい、自意識過剰の入れ子状態。

グランデと言えないのは、グランデと言う人を
「気取ってる」とバカにしてきたから。

人をバカにする気持ちを口に出さないのは、
自分の気持ちをなんでもかんでも素直に
表に出してしまう人をバカにしてきたから。



「自分は他人より劣っている」と劣等感を抱いて、
恥ずかしさを憶えたり、その場所に
自分が不必要であるように感じたりするのは、
過去に自分が他人をバカにしてきたことが
ブーメランとなって今の自分に刺さっているから。



前回の記事、
力がないのにもてはやされていただけで
いい気になっていた過去の自分と
劣等感の苦しさについて書いた。

いい気になった過去の自分は、
他人を心の奥底でバカにしていたのかもしれない。
今の自分が、いよいよ
「他人に劣っている」と心から実感した時、
過去の自分がすっと目の前に現れてきて、
同じように今の自分を
「恥ずかしいよお前」と言ってバカにしてきた。

そんなこと、誰も言ってないのに。

これが、『ナナメの夕暮れ』を読んで気づいた
劣等感の苦しさの原因なのかもしれない。
あくまでひとつの考えだけど。

そうだとしたら、そうしてきた
過去の自分の間違いを素直に認めないといけない。



さっき、特に意味はなくふらっとスタバに入った。
レジの前に立って、ふと思い出したように言う。


「スターバックスラテのホット、ショート…
 あ、いや…グランデで、お願いします」


…なかなか飲み終わりませんでした。


今、これを書きながらやっと飲み終わって、
店を後にする。





追記

「グランデ」は気分と腹の調子が良ければ
問題なく言えるんですが、
いつもはショートにすることが多いです。

あれ、でも、
頼むならラテじゃなかったかもな。
新作のさくらなんとかフラペチーノとかだよな。

「グランデ」は言えても、
新作は言えない自分に気付きました。

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