自分の足で
今の職場にきて、1年と3ヵ月。毎日がすごく楽しい。
「あれがやりたい」
「こんなことを子どもたちに伝えたい」
「こんな思いを知ってほしい」
いろんな気持ちが溢れてくる。
夜寝る前にふと良いアイディアを思いついたら、興奮してなかなか眠れなくなるほどだ(笑)
まさか自分がこんな風になるなんて、思ってもみなかった。
1年前の自分とは、まるで別人なのだ。
去年の4月から12月くらいまでの間、仕事が辛くて辛くて、本当にしんどかった。
忙しいわけでもない、人間関係が悪いわけでもない、嫌な仕事を押しつけられるわけでもない、、、、、何もないのだ。
何もないことが、すごく辛かった。
自分がここにいる意味は何なんだろう、自分がいなくたって誰も困らないんじゃないか、毎日毎日何をしに学校に行っているんだろう―――——。
こんなことをずーっとずーっと考えて、落ち込む一方だった。
何をするにもやる気が起きず、モチベショーンも上がらず、同じ毎日を繰り返すばかり。夜になると悲しくなり涙が止まらないときもあった。
近隣の新卒の先生が、いきいきと楽しそうに子どもたちの話をしているのを見るのも辛かった。
今まで、何か辛いことがあっても、これは絶対未来の何かにつながっている、自分の力になる、いつかこの経験をしてよかったと思えるときがくることを信じて乗り越えてきた。
でも今回は、そんなことも思えないくらい、とにかくその状況から抜け出したかった。こんなところから自分を助け出してほしいとさえ思った。
コロナで友達にも会えない、誰かに聞いてもらうこともできない、どうすることもできない気持ちをどこかに吐き出したくて、ただただノートに思ったことを書くということを始めた。
最初はネガティブな言葉ばかりだったのが、少しずつ、楽しかったことや嬉しかったこと、ポジティブなことも書くようになっていき、書くことの楽しさを知った。あんなに作文が苦手だったのが嘘のようだった。
楽しいだけでなく、気持ちを文字にすることで「自分は今こんな風に思ってるんだ」と客観的に見ることができるようになった。
そんな日々が続いた冬休み明け、これという明確なきっかけはないが、ネガティブな気持ちが少しずつ和らいでいくのを感じた。(noteを始めたのもちょうどこの頃だった)
そして春になり、新しい年度が始まった。
ようやくあのどん底から抜け出し、とても充実した毎日を送ることができている。
BUMP OF CHICKEN の「なないろ」の中に、こんな歌詞がある。
”躓いて転んだ時は教えるよ 起き方を知ってる事”
誰かに話を聞いてもらったり声をかけてもらったりして、すごく励まされることってたくさんある。支えてもらったり、一緒に頑張ろうとしてくれたり。人だけでなく、本や映画、音楽、ネットの世界、、、身の回りには自分にパワーをくれるものがたくさんある。そういう何かのきっかけで動き出せることがある。
でも、最後は自分なのだ。
どれだけ手をひいてもらっても体を支えてもらっても、自分の足で立ち、歩き出さなければ動くことはできない。まわりの人の力を借りて、それをきっかけにして、立ち上がり1歩踏み出すのは、紛れもなく自分の足なのだ。
今こんなにも子どもたちに伝えたい思いが溢れているのは、間違いなく去年の経験があったからだろう。今になってやっと、「あの苦しい時期は自分にとって必要だったんだ」と思えるようになった。
これから先、また、想像もできない苦しいこと辛いことがあるかもしれない。どうしたらいいのかわからずに、途方にくれるかもしれない。
でも大丈夫。私は起き方を知ってる。必ず起き上がれる。
ときには誰かの力を借りながら。身の回りのすべてのものの力を借りて。
自分の足で歩き出すのだ。