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第57回 『オデュッセイア』第6〜7歌

 ポセイドンの放った雷にて、筏を壊されたオデュッセウス一行。


「まじかよ⁉︎」


大海原に放り出される。
そこへアテネ神が現れ、「このスカーフに捕まって」。
そして6日間海を漂う。 
そのうち陸が見えてきて、一人生き残ったオデュッセウスは浜に打ち上げられ、
「マジしんど…」
 疲れ果てた彼はそのまま眠ってしまう。



オデュッセウスがたどり着いた浜は、バイエケス人の住むスケリエ島の浜。島の王の名はアルキノオス、その一人娘の名はナウシカと言った…。散々言われまくっていると思われるがあの『風の谷のナウシカ』の元ネタ。
 でもこちらのナウシカは、ガンシップに乗って戦う王女様じゃなく、至って大人しい。しとやかで世間知らず。どちらかというと『カリ城』のクラリス。

そのナウシカが、洗濯をしに浜へ行ってみると(それも女神アテネになんか催眠術みたいなのをかけられ)、そこで迷子になってオロオロしているオデュと遭遇。


「わ、…可愛いぃ」
「…」
 ナウシカの方ももまんざらじゃなさそう。


「ああのぉ、私は怪しいものじゃありません。訳あってこの島に辿り着いたものです。どうか私を助けていただけませんか?」
 

ナウシカはこの見ず知らずの汚い格好のおじさんに衣服を与え、さらに自分ん家、すなわち王の城へ招待する。
 でも「その時私が一緒じゃ近所の人たちに訝しがわれるので、少ししたら後はあなた一人でお願い」
とか言われ、「はあ」って。
その後ナウシカと別れて一人になると、都合よくある女の人(正体はオデュの守護神アテネ)に声をかけられるオデュ。
「ああその城なら私ん家の隣だから案内してあげる」
と言って連れていかれる。そして城の前に到着。

 なんかまどろっこしい展開。

仕方ありません。前にもお知らせしたように、今日我々が読むことができるこの『オデュッセイア』と言う本は、元々本ではなくホメロスという、今から3000年も大昔にいたとされる吟遊詩人が口述したお話が元になります。

 ホメロスは読みやすく物語を書いていません。なぜって彼は本を書こうとこれを書いたのではないからです。彼がしたことは、あっちの街こっちの街に赴き、そこにいた聴衆を楽しませるため「オデュッセウス」の物語を詠んだのです。

西暦全800年

従って読み物版オデュッセイア』とは、その後何百年もかけ、しかも複数の人の手で(つまり別人によって)編集されたものになります。

何百年もこんな感じが続いた。


 …さて、城の前にたどり着いたオデュッセウス。
門番とか警備員と居ない。
いきなり中へ入る、てか入れる!(王の城だぜ。不用心にも程がある)


 で、この後は例の如く、全く初対面のアルキノオス王の歓待を受ける。
 息子がいないアルキノオス王は、筋骨隆々なオデュの姿を見「ナウシカの婿になってくれないかなあ」と思う。
ポセイドンには虐められてる代わりに、どこへ行ってもモテモテなオデュであった。
豪華な食事を振る舞われ、
「腹一杯っす、もう無理っす」

でそのあと…、

「ところであなたは誰ですか?」

 順番逆だと思うんだけどなあ?

「実は先ほどまでカリュプソの住む島に7年も幽閉されてて、で、故郷にも、20年近く帰れないでいるのです」
オデュは涙ながらに訴えた(泣いてばっか)。

「あらまあ、それはお気の毒。ではうちの若いものに新しい筏を作らせましょう。でそれで帰ればよろしい。ま今夜はうちでお休みください」

 オデュは、何故かトロイア戦争のことも、自分の名前すら明かさないまま(伏線)、しばらくそこに厄介になるとする。


 続く。





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