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◆リベルタさんでフルオーダーした話。後編

前編はこっち。

リベルタさんでオンラインフルオーダーをしたお話、後編です。
そうです。もう届きました。はやい!もう少しかかるかと思ってた。
ちょうど3/3の桃の節句に届きましたよ。

ついでにニヴァリスフラクタスのムエットもお願いしたんだけど、どっちも「あ~」って語彙が溶ける。
ニヴァリスは冬の寒い日にくるまった毛布みたいな。フラクタスは紅葉の中を散歩してるみたいな、そんな香りでした。例え下手か。

そして私の作った香水のテーマは「桃の香りの、海の向こう。」。
みなさんは「桜の香り」ってどんな香りだと思ってます?リベルタさんもそんな切り口でサクラマグナを作ったそうです。桜の花自体に香りが無いって、サクラマグナの記事で初めて知りました。桜餅とかの香りは結構有名だよね、あとはサクランボ系の香り。
でもね、私にとっての「桜の香り」は「桃の香り」なんですよ。
桃色のみずみずしい香りが「私の桜の香り」。なんで?って思うかもしれないけど、私にとっての桃=桜なんですよ。不思議だね。どこでどう刷り込まれたんだろうな。思い当たらなくはないけど、蛇足なので割愛。

ももいろの、桃の香りの海がありました。

優しく寄せ返す波音は汐が奏でるメロディーで
それに合わせるようにして
波間にきらきら輝く銀の砂が
さらさらと愛の謳を紡いでいました。

それを独り静かに聞いている桜の樹がありました。
満開の桜は枯れる事を知らず、
咲いては散り 咲いては散りを繰り返し
舞い落ちた桜の花びらは海をももいろに染めていました。

桃の香りの、海の向こう。/R327.

これが前半。初期verは縁切った相手の比喩が入ってたので少し改変したけど。
リヴリーアイランドで私とフレンドになってる人は同じタイトルの島名なので知ってるかもだけど、真ん中の木はいずれ桜にしたい。
この前半部分の過去verを今回テーマとしてリベルタさんに送っていて、「桃」「桜」「海」が主軸であることを伝えました。

まずは桃の香りってことでフルーティをベースに。フルーティ、めっちゃネクターっぽい甘い桃の香りです。ミドルがワインアコードなんだって。苦みのあるぶどうの香りもするんだなぁ…。ラストはイリスとムスク。柔らかめラスト。
ここに私の要素を足していくんだけど…
トッピングで選んだのは「アクアオゾン」「リーフィーシトラス」「スウィートウッディ」「ムスクパウダリー」の4つ。
「アクアオゾン」で海を、「リーフィーシトラス」で樹の瑞々しさと潮っぽさを、「ムスクパウダリー」は舞い散る花びらっぽさをイメージしてトッピングしました。特に「ムスクパウダリー」はフルーティのラストと香料が一緒だったので、最後の余韻に舞い散る花びらっぽさが強調されて大変にエモかった。「スウィートウッディ」は朽ちていく樹っぽさをイメージ。アンバー好きなんだよな…。
本当はこのポエム、ずっと桜は咲いてて枯れないっていう話だったんだよね。そしてそれが私の心象世界であるという文を最後に加えてたの。でもさ、もう私の中で「これは永遠」ではないのよ。その友人と縁を切ったときに終わったんだよ。でも私の心象としては彼女を排除しても「永遠を願いたい」の。この辺はamazarashiの千年幸福論の影響が大きい。それは復縁を望んでる訳じゃなくて「私自身の大事な心象世界」なので。だからね、改変したラストはちゃんと桜の樹が朽ちていくところで終わらせたんだ。
余談だけど、私がどうしても我慢の限界で縁を切った人は二人居るんだけど、どちらももう二度と関わり合いたくないのでいつかどこかでこの記事を見つけて読んでくれたら、死んでも私に連絡取らないでくださいね。訃報とか要らないから。

話が逸れた。肝心の香りの話をしよう。語彙が足りなくて伝わらないかもしれないけど、私が感じた印象をつらつら書く。
最初プッシュしたときはぶわっと樹と桃の香りが広がるの。だんだん視点が海にフォーカスしていって、海でたゆたう一面の桜の花びらと、浜辺のあの静けさがくるの。なのに青空とさざ波の中に桜(桃)がちゃんといるの。だんだんその桃の甘さが引いていって、海の静けさの中にちらほらと減ってはいても花びらが舞い落ちていて、最後はわずかな花びらと役目を終えた樹にフォーカスされて終わるの。
これ、すごくない?いや、本当にすごい。ムエットだとすぐにトップからミドルに移行して、ずっと青空と、さざ波と、一面の桃色の花びらの香りがしてるんだけど、もう、本当にエモいの。やばすぎて言葉が出ないの。ムスク系あんまりもってなかったんだけど、これがやばいの。いい仕事してる…。アンバー強めの方が好きかもって最初思ったよ?
でも肌に乗せたらもう全然違うの。私自身がその世界の中にいるの。景色が見えるんだよ。
前編でも推し香水で推しが家の縁側にいるのが見えたって言ったけど、本当に景色が見えるの。私がずっと心の中に抱えていた、あの心象世界がここにあるんだよ…!!!
これ以上の感動をどう伝えていいかわからない。本当にわからない…。
確かに言えるのは「オンラインフルオーダーはヤバい」ということだった。

最後に、改変したラストを。正直このラストはオーダー香水嗅いでから書いた。それくらい、衝撃的だった。
しかもフルオーダーの香水、おかわりもできるらしい…。なんということでしょう…。
今のところ、毎日寝香水として使わせて頂いております。しあわせ。

でもそれは永遠ではなく
やがて桜は月日をこえるごと枝を落とし
一年をこえるごと咲かせる花を減らし
ゆっくりと、ゆっくりと朽ちていきました。

そうしてそれは千年の間続き
桜は変わらず波と砂が奏でる愛の謳を聴きながら
最後の花びらを手放して
しあわせな気持ちで眠りにつくのでした。

桃の香りの、海の向こう。/R327.

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