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『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』はマルチバース表現の答えじゃん

アメコミ映画って撮られすぎなんですよね
特にスパイダーマンとバットマンは同名作品がめちゃくちゃあって、もうある程度の規格の中でルールを守りながらどう表現するかみたいな域に達してる訳です。大河かよ、ボジョレーヌーボーかよっていう。

「う~ん今回のスパイディは50年に一度の出来だ」

まあとにかく同名過去作との比較は避けられなくて、MCU然りSW然りユニバース作品なのも相まり映画として単体での評価自体がすごく難しいと思うんです。
MCUフェーズ4がなければGotG3に出会えなかった訳だし別にこれはこれで良いんですけど、いつまで続くん?っていう。正直胃もたれ気味ではありました。

そういった現状にひとつの答えを出したのが『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でした。
NWHは"スパイダーマン映画"をフリにしてて、現行版に過去作版のスパイダーマンをマルチバースからスパイダーマンがやってくるという形に落とし込んで出演させちゃった訳です。権利関係ですげー揉めたらしいですが、ファン大歓喜でした。過去作を観てれば観てる程積み重ねのカタルシスがあってニチャつけました。
僕も当然めちゃくちゃ面白かったんですけど、世の中大絶賛みたいな空気には違和感がありました。NWHを成立させたこと自体が凄いのであってファンムービーとしてはとても良かったんだけど、取ってつけた感があってルフィとトリコと悟空が共演してる日曜日に近かったかな。

じゃあスパイダーバースはどうしたかって話なんですが、"スパイダーマン規格"をフリにしたんです。『放射性の蜘蛛にかまれて人知れず糸で戦い大切な家族がいる』という規格のスパイダーマン物語が大量に作られてきたことに対するアンサーを行っています。だからとてもまとまりがあって予習は前スパイダーバースだけで済むし、それでいて同名過去作が存在する意味があるんです。

映像に関しては知らないことが多いので偉そうに言うことはできないけど、とにかくみたことない映像になっててとにかくカッコいい。観る劇薬。これを映画館で観ないシャバ僧とは縁を切るのでよろしく。
3DCGベースなんですけど、例えば2Dアメコミタッチのスパイダーマンがでてきて「やあ僕は別次元のピーターパーカー」てなわけ、マルチバースの説得力がエグいしバカかっけえ。こればかりは観てもらわないとなんでガタガタ言わずにさっさと観ろってハナシ。なーみーん

普段アニメはあまり見ないのですが、実写じゃないからできる表現って面白いなと思いました。マルチバース表現も当然そうなんですけど、走ってるとこ一つとっても体ぐっちゃぐちゃなのにカッコいいしオシャレなんですよね。

トム・クルーズの走り方もあれはあれで肉体的でとても良いんだけど、アニメでの表現はいろいろな壁を乗り越えられると思いました。
少なくとも昨今流行りのマルチバースの表現方法に関しては、スパイダーバースがぶっちぎりの最高打点でそれはアニメベースだからできたことなのかなと。

あと音楽がめちゃ良かったのでぜひ音響の良いところで観てほしい。
ただエンドロールでわけわかんねえ邦楽流すのやめろタコ

内容にはあまり触れないけど、お前らが"selfish"であればいいんだよって感じでした。grrrr

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