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JR四国バースデイきっぷとか使って周遊してきました2022~ちょっとだけINGRESSを添えて~ の記録


■ご挨拶

 皆さんこんにちは、お久しぶりです。お世話になっております。
INGRESSでは大阪エリアを中心に日本全国どこにでも現れるENLエージェント kizokuchan でございます。

 話は遡ること丁度1年前、2022年の8月のことでした。いつものようにその辺をウロウロしたくなっていた私は何かネタが無いかなと考えておりました。

 INGRESS的には「SUPERPOSITION」というアノマリーイベントを控えており、8月28日に大分県の別府が会場になることが発表されていました。最近のアノマリーではNIAが事前に予告したポータル群にランダムでバトルビーコンを投入して、その勝敗具合がポイントになるルールが多く採用されており、当日現地で参加することが難しいエージェントでも事前にそのエリアのポータルのキーを所持しておけばリチャージにて参加扱いとなることから、有志がキーを集めて配ったり、または自身で直接堀りに行ったりする動きがありました。

 そこで、別府を一つの経由地として大阪からうまいこと回りたいと考えました。この「うまいこと回りたい」というのが難しいものでして、端的に言うと「色々な箇所に寄りつつなるべく同じ経路は行ったり来たりしたくない」というなんとも贅沢な注文がその本体なのです。私の居住地大阪から別府に向かうとすれば、新幹線で小倉まで行って日豊本線で下る、もしくは大阪南港からフェリーでグッスリしていれば朝には別府に着いている、なんていうそこそこイージーな手段がすぐ思い浮かびますが、脳内の私が「でもさぁ、フェリーだと移動経路に殆どポータルないよね、勿体ないよね」とキツめに横槍を入れてくるものですから、考えに考えた挙句今回の旅程を組み上げることに成功しました。

 もう1年経ってますので記憶の怪しい所もありますが、「Explorerが10万超えてるヤツはこんなイカレた移動を繰り返しているんだな」と笑っていただければ幸いです。それでは、お楽しみください。

 なお、文中で特筆はしませんが移動中は基本的にingressは立ち上げっぱなしであり、駅に停まったりバスで移動したり徒歩で移動したりの際にはほぼ必ず何らかのアクションは取っているものと思ってお読みください。

■2022/8/14(日) そうだ、四国へ行こう

〇まずはセカサン

 世間ではコミックマーケットだ甲子園の熱戦だと賑やかしいなか、私kizokuchanは友人エージェントと一緒に兵庫県尼崎市に向かっておりました。8月14日は日曜日であり、8月の2回目の日曜日であることからINGRESSのイベント「SecondSunday」の対象日となっています。0:00~23:59の間に任意の6つのミッションを完了することでSecondSundayの実績を一つ増やすことが出来ます。この日は友人と示し合わせて、阪神尼崎駅前の6連ミッションをやるついでに街を散策しようと考えてやってきたのでした。

見渡す限りの貯金箱


 軽く6連ミッションを済ませ、街を歩いていると「世界の貯金箱博物館」なる建物を発見。こちらはあましんこと尼崎信用金庫さんが所蔵する2万点以上もの貯金箱を展示している博物館で、入場は無料。館内には文字通り世界中の貯金箱が展示してあり、見応え抜群でした。

〇夜更けから和歌山へ

 ひとしきり街歩きを終えたところで友人AGと別れていったん帰宅。その後身支度を整え、夜の帳もすっかりおりた頃に南海難波駅へ向かいます。難波からは和歌山市駅行きに乗車し終点の和歌山市で下車、到着したのは日付が回って0時30分過ぎでした。和歌山にそんな時間帯に着いてどうするのか、といいますと、勘のいい方ならお気づきでしょうがここからフェリーで徳島に渡ります。

南海和歌山市駅 日中ならドラッグストアや食堂も豊富

南海フェリーは和歌山港と徳島港を結んでいる航路で、数往復の日中便と1往復のみ深夜便があります。日中便は発着ともに最寄りの和歌山港駅と南海電車で連絡していますが、深夜便は和歌山港2時40分発のため連絡する列車がありません。ちなみに和歌山市→和歌山港の最終列車は21時台で、その列車に乗ると和歌山港21時50分発のフェリーに乗ることができますが、徳島港に24時過ぎに着くことになり路頭に迷います。基本的に深夜便は車ごと移動する人を対象にしていると考えて良いでしょう。深夜便のメリットは、移動中に仮眠をとることで0泊弾丸行の体勢をとれることです。

わずかな時間でも充電は欠かさない

 ではどうするか、と言いますと和歌山市駅のビルに入っている「快活クラブ」を利用して時間を潰します。ここで1時間ほど充電や漫画を読みながら一息ついたら、1時半ごろにお店を出ます。和歌山市駅から和歌山港までは約3㎞です。時間はあるので当然歩きます。歩いて着くものなら歩けばいいだろう、行路上のポータルも触れるので一石二鳥です。しんどい人は駅前にタクシーが停まっていたらラッキーですからお金を払って楽をして下さい。これが徒歩客による深夜便の乗り方です。

 ちなみに、南海和歌山市駅〜和歌山港駅は今では1駅区間ですが、以前は間に3つほど駅がありました。さらに和歌山港から先にも水軒(すいけん)という終着駅がありました。水軒はほとんど遺構がありませんが途中駅の方は盛土などの面影が少しだけ遺っています。

徒歩3km、イージーです

■2022/8/15(月) 四国満喫1日目

〇四国、行きます

和歌山港到着

 午前2時過ぎに無事フェリーターミナルへ着いたら、乗船手続きを行います。特に何の書類も書く必要は無く、窓口で乗船券を購入するだけでOKです。和歌山~徳島の大人1人の運賃は2,200円です。ちなみに「好きっぷ」という割引切符を使用すると、南海電鉄各駅から和歌山港駅前までのきっぷと南海フェリーの運賃がセットで2,200円になります。つまり南海の各駅から和歌山港までの移動が実質タダになるということです。また、南海電鉄では主要駅でVISAタッチ決済の導入を進めており、南海フェリーの乗り場にもVISAタッチの機械がありますので南海の乗車記録があれば勝手にまとめて2,200円として決済してくれる仕組みになっています。

 フェリーに乗り込んだら迷わず「じゅうたん席」を目指します。客室内には普通シートやカウンター席、テーブル席、追加料金が必要なグリーン席など種類は多々あるのですが、じゅうたん席は靴を脱いでゴロ寝が出来ます。上手く陣取れば壁際にコンセントもあるので充電しながら仮眠をとりつつ移動が可能です。じゅうたん席を使いこなしている熟練者は、これを想定して簡易枕やブランケットなどを持ち込んでいます。

 2時40分に和歌山港を出発したフェリーは穏やかな内海を進み、定刻通り4時55分に徳島港へ到着しました。フェリーが大きく開けた乗用車用の乗り込み口から次々と車が出ていきます。徒歩客の何人かは迎えの車に乗り込んでいきます。さてどうしよう。徳島港はやはり徳島の中心部からは離れていまして、徳島駅までは約4㎞となっています。4㎞か・・・じゃ歩けばいいだろう。ちなみに日中ですとフェリーの発着時刻に合わせた路線バスがありますし、フェリーの到着に合わせてタクシーが客待ちをしていることも多いです。4㎞ならまあ2,000円もかからず駅まで行けるでしょうし、複数人の旅なら割勘ですから無理せず便利なやつで行ってください。体力で解決できることは体力で、お金で解決できるならお金で無難に行きましょう。

歩けばいいんですよ

〇JR徳島駅 

 途中のコンビニで少し早い朝食を摂り、小休止しつつ6時半前に徳島の駅に着きました。みどりの窓口が6時半に開くのでまずは目的のきっぷを購入します。

今回の旅の強力なお供

 こちらが今回の目玉「JR四国バースデイきっぷ」です。
使用者の誕生月にのみ購入可能で、連続する3日間、JR四国の普通列車・特急列車と土佐くろしお鉄道全線、それにJR四国の路線バスが乗り放題になります。購入には誕生日が証明できる公的な書類(免許証とか保険証)が必要です。特急自由席用とグリーン車用があり、今回は自由席用を購入しました。券面には自分の名前も手書きで記入されます。価格は当時9,680円とかなりお得でしたが、JR四国の運賃・料金値上げにより2023年8月現在では12,000円になっています。それでも3日間使い倒すならかなりお得です。

〇早速バスだよ

徳島駅前バス乗り場

 無事にお目当てのきっぷを購入して早速JRに乗るかと思いきや、まずは徳島駅のバス乗り場に移動します。まずは徳島バスに乗って鳴門駅前へ向かいます。JRが乗り放題のきっぷを購入したのに何故バスに乗るのか、それは「バスに乗ったらJR路線上とは違うポータルに触れることができるから」です。路線バスというのは滅多なことでは60㎞/hを超えませんし、基本的に人の往来がある道路上を走行しますので鉄道路線に乗っている時よりポータルへの接触機会が増えるわけです。JRのフリー切符を購入した直後に路線バスでの移動から四国縦横無尽の旅は始まります。

〇特急のつまみ食い 

鳴門線の終点、鳴門駅

 徳島駅を出て約30分でバスは鳴門駅前に停車します。バス自体は小鳴門橋の方まで走行しますが、そこまで行くと列車の時間までに戻って来られないので駅前で降車します。鳴門駅はJR鳴門線の終着駅で、島式ホームの両側に線路が1本ずつあるだけのちょっと寂しい駅です。列車は基本的に1時間に1本ですので、両方の線路を使うという場面も滅多には無いようです。鳴門駅8時14分発の徳島行きに乗車して池谷駅へ引き返します。鳴門駅の隣に撫養(むや)という難読駅があったり、天理教の教会が近くにあることから教会前という名前の駅があったりします。

 8時31分に池谷駅へ到着、間髪入れずホームを移動して乗り換えに備えます。池谷駅は高徳線と鳴門線の分岐駅になっていて、駅の徳島寄りで線路がV字に二股分岐、分岐した線路がそれぞれ複線分岐しているため、高徳線の島式1面2線と鳴門線の島式1面2線ホームが跨線橋で繋がっている特殊な構造になっています。つまり、鳴門線のホームから高徳線のホームへ跨線橋を使って移動したことになります。ここで徳島からやってきた池谷8時34分発の特急うずしお号で一気に宇多津(うたづ)まで向かいます。

特急うずしおの走行経路

 特急うずしお号は主に高松と徳島の間を結ぶ高徳線特急という位置づけですが、数本だけは高松から延長運転して宇多津まで向かい、そこで高知から来た特急南風号と連結して岡山まで向かうものがあります。この列車のみ、高松と宇多津で2回方向が変わる全国でも珍しい特急になっています。

 池谷から特急うずしおに乗車して高松で向きを変え、9時50分に宇多津駅で降車。ここで高知から来た南風号と連結するのでそれを見学。宇多津からは特急いしづち号に乗って少し先の多度津(たどつ)へ向かいます。

特急いしづち号

 特急いしづち号は高松と松山を結ぶ特急で、たいていの場合は岡山から瀬戸大橋を渡ってやってきた特急しおかぜ号と宇多津駅で連結して松山へ向かいます。ただし、お盆の時期や夏休みなど多客期には、岡山から既に2列車を連結した状態でしおかぜ号として松山行きで運転することがあります。そうした場合に、高松からの乗客の便宜を図るため、多度津行きとして特急いしづち号を運行し、終点の多度津駅で後続のしおかぜ号に乗り換えが出来るようになっています。この場合、宇多津駅では瀬戸大橋方面からやってきたしおかぜ号と高松方面からやってきたいしづち号がほぼ同着となるため、ホームの端にはカメラを構えた列車が著しく好きな人々が多く見られることがあります。

 宇多津駅で隣のしおかぜ号を横目に10時1分に出発した特急いしづち号は、隣の丸亀駅に停車し、そのあと一駅飛ばして終着の多度津に10時10分に到着します。ここで岡山発の高知行特急南風(なんぷう)号を待ちます。実は南風号も宇多津には停車するので宇多津で待っていても良かったのですが、折角だから色々な特急に乗ってみようと思いこまめに移動してみました。もちろん多度津駅の列車待ち時間を利用して駅前のポータルを拾って回ることも忘れません。多度津は少林寺拳法発祥の地です。実は中国ではないんですね。

〇徳島に戻ります

特急南風号

 多度津を10時48分に出発した南風号は土讃(どさん)線に入り、琴平を過ぎると高知県境へ向けて山あいの路線を走ります。沿線には大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)などの名勝もありますが、今回はその手前の阿波池田(あわいけだ)駅で降車。阿波池田駅は土讃線の途中駅かつ、隣の佃駅から徳島線が分岐する運行上の起点駅となっており、駅の所在地の住所に「サラダ」という文字列が含まれる面白い駅となっています。

特急剣山号

 阿波池田からは11時30分発、徳島線特急の剣山(つるぎさん)号に乗車します。徳島線は阿波池田から吉野川に沿って徳島までほぼ東西に走る路線です。車窓からも穏やかで美しい清流を所々で見ることが出来ます。剣山号は徳島線の特急という位置づけですが、両端の阿波池田~佃は土讃線、佐古~徳島は高徳線のため、実際には3路線を駆け抜ける特急ということになります。2両編成に定員の約3割ほどの乗客を乗せた特急は快走を続け、12時45分に徳島へ戻ってきました。一旦改札を出て昼食をとるために店を探します。本来であれば行きつけの徳島ラーメン屋へ行きたかったのですが、お盆期間で休みであったり、阿波踊りの開催によって観光客で混んでいたりなかなか入店できず、駅裏の穴場的なラーメン屋でなんとか食事にありつくことが出来ました。暑い日には塩分が欲しくなりますね。

〇ワンマンの罠 

 腹ごしらえが済んだところで、再び徳島駅から今度は南を目指します。徳島13時30分発、牟岐(むぎ)線の普通列車で阿波海南駅に向かいます。牟岐線にもいちおう特急は走っているのですが、朝方に上り1本、夕方に下り1本のみの運行となっていて今回の行程とはマッチしませんでした。

阿波海南行き、2両だが途中から後ろの車両は乗車不可になる

 ちなみに徳島から阿波海南行きの列車は2両編成で車掌が乗車していましたが、途中駅(おそらく阿南)でワンマン運転に切り替わるとのことで、その際になんと「2両目が使用不能」になります。JR四国ではワンマン運転が可能なのは1両のみと決まっているようで、切り離しをせずに2両目を締切扱いとした上で乗客に1両目へ移るようアナウンスが行われます。なんだか勿体ない運用だなと思いました。

阿波海南駅の車止め、以前は海部方面に繋がっていた

 徳島を出て約90分、15時38分に牟岐線の終点である阿波海南駅に到着しました。以前はさらに先の海部という駅まで牟岐線でしたが、この区間は阿佐海岸鉄道に移管されました。そんな阿波海南駅では「日本初」の交通機関に乗車することが出来ます。

〇DMV乗車

DMV(Dual Mode Vehicle)です。簡単に言うと「バスにも鉄道にもなる車両」と言ったところです。所有者の阿佐海岸鉄道はもともと徳島県の海部から県境を越えて高知の甲浦(かんのうら)という駅までの短い区間の鉄道を運営していました。この路線はそもそも、そのまま海岸線沿いを南下して室戸岬近辺を経由し、西へ進んで高知までを結ぶ壮大な計画の一部でした。そのうち鉄道で開業したのがこの阿佐海岸鉄道と、土佐くろしお鉄道の御免~奈半利間でした。その間は現在バス路線が補完しています。2021年12月25日より、全便がDMVでの運行となり通常の鉄道車両は引退しました。

 阿佐海岸鉄道がDMVを導入するにあたって、元々牟岐線の一部であった阿波海南~海部の区間がJRから移管され、阿波海南駅ではDMVのモードチェンジをする箇所が設けられました。そのため、もともと繋がっていた線路が分断されている状態になっています。

緑のエリアが乗降箇所、その右前方がモードチェンジ箇所

 DMVでは道路上をバスとして走ってきた車両がモードチェンジを行う箇所まで走行してきて、その場で鉄道用の車輪を降ろして鉄路走行が出来るようにモードチェンジします。そして阿波海南から甲浦までは鉄路走行し、甲浦でまたモードチェンジしてバスに戻ります。休日ダイヤでは数本だけそのまま室戸岬へ運行するものがあり、当初の想いとは異なるのでしょうが一応の室戸岬直通は叶った形になります。

 阿波海南駅で一息ついていると話題のDMV車両がやってきました。そのまますぐ乗る選択もあったのですが、外から見てみたいと思い1本見送ることにしました。車両が所定の場所に着き、運転士が確認作業を行った後、祭囃子のような賑やかな音楽と共にモードチェンジが開始、わずか数十秒で鉄路走行モードに切り替わりました。その後運転士が再度車輪の確認をして、車両はそのままスーッと鉄路の上を走っていきました。

 さて、次発のDMVに乗るわけですがこの路線の始発は「阿波海南文化村」という箇所になっています。折角ですから始発から乗ることに決めていましたし、まだ時間もあるので海岸の方へ行くことにしました。ちょうど海陽町営バスが来るところだったので、数分乗って海の近くまで来ました。夏のいい天気に海の青い色が良く映え、暑いことは暑いのですがさわやかな気持ちになりました。

 海を堪能したら徒歩で阿波海南文化村へ向かいます。DMVは席数が少ないため、発車オーライネットなどのバス乗車予約サイトで事前に予約することが推奨されています。当日空席があれば予約なしでも乗車できます。今回は大事を取って予約してあります。この辺りがどうにも観光用の乗り物であるという属性から抜け出せておらず、便利な地域の乗り物にはなりきれていない、という風に感じました。元々あった鉄道路線が経営難や自然災害などで廃止になる場合は、輸送量の確保のために廃線跡を専用道にしてBRT化するケースが見受けられます。DMVに使用される車両はおそらく輸送量と運用・保守コストが見合っていないのだろうと思いました。

旧甲浦駅 ホームは使用しておらず、モードチェンジ後に地上のバス停で乗降する

 阿波海南文化村からDMVに乗車して17時5分に出発、そのまま道路を走って阿波海南駅に停車、さっき外から見たモードチェンジを車内で体験し、そのまま鉄路で甲浦へ向けて進みます。途中の宍喰駅そばには鉄道用の車両基地があって、今はもう使われなくなった車両が留置されているのを見ることが出来ます。鉄道時代の終着駅である甲浦駅では、従来車止めがあったところから先にモードチェンジの箇所があり、そのまま高架を降りてバスモードで道路走行できるように駅が改修されています。道路を少し走って17時35分に海の駅東洋町に到着しました。

〇バスで室戸岬へ

高知東部交通バス

 海の駅東洋町からはさらに路線バスを乗り継ぎ、室戸ジオパークへ向かいます。室戸ジオパークからは同じ高知東部交通のバスへ乗り換えて、室戸岬経由奈半利、安芸行きに乗車します。これで室戸岬まで行きます。乗り換えの際、乗り換える旨を申し出ると乗り継ぎ割引が出来るチケットを渡してくれます。

 室戸岬バス停で降りたら、本日のお宿へ向かいます。ほぼバス停目の前にある「室戸荘」さん。おそらく室戸岬エリアで一番岬の突端に近いお宿です。近くに四国八十八か所の最御崎(ほつみさき)寺があることから、お遍路さん向けのお宿なのだと思われます。和室に自分で布団を敷いて寝るスタイル。私は図体がでかいので、こういう場合敷布団も掛け布団も2枚を少しずらすように設置して長さを確保しないとはみ出てしまいます。シンプルな構成の室内ながらエアコンもテレビもあるので言うこと無し。道中で買ってきたパンと飲み物を頂いて、軽く汗を流し、早めに寝ることにしました。

■2022/8/16(火) 四国満喫2日目

〇バスで奈半利へ

室戸岬にある中岡慎太郎像

 なんだか強めの風音を聞いて起きたのが6時半。四国満喫の2日目の始まりです。手早く荷物をまとめて宿を後にし、昨日降りた室戸岬バス停から7時21分発安芸行きのバスに乗車します。そのまま50分程乗車すると土佐くろしお鉄道の終着駅である奈半利(なはり)駅前に到着します。

奈半利駅と時刻表

 奈半利駅は土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の終着駅で、前述の通り本来は後免からこの奈半利を経由して室戸岬を通り、徳島県までを結ぶ四国外環状鉄道とでも言うべき壮大な路線の計画がありましたが、国鉄の赤字やらなにやらで長い事頓挫していたものを高知県が主体となった第3セクターが引き継いでこの区間を開業させました。

〇あえての路面電車

 奈半利駅8時55分発の高知行きに乗車します。ごめん・なはり線はその名の通り奈半利から後免までの区間を指しますが、大半の列車はそのまま土讃線に乗り入れて高知まで直通する便利な設定になっています。いくつかの列車は途中の安芸行きとなっていますが、その場合は安芸で高知方面行に乗り継げる設定になっています。鉄建公団の計画路線だったせいか、ほぼ高架やトンネルで海岸沿いを直線的に走っており、踏切の数は少ないです。沿線では太平洋の眺めの良い箇所がいくつかあります。

 10時1分、後免駅の一つ手前である後免町へ到着し列車を降ります。バースデイきっぷでは土佐くろしお鉄道もJRも乗り放題なのでこのまま高知まで乗っても良いのですが、少し時間に余裕もあり、折角なのでここからは「とさでん」で高知を目指すことにします。

とさでん交通後免町駅

 とさでんは正式名称「土佐電気鉄道」といい、現在は路線バスや高速バスなどの事業体と統合して「とさでん交通」となっています。そもそも高知県内のJRや先ほど乗ってきたごめん・なはり線などは全て非電化の路線なので、高知県で「電車」といえばこのとさでんのことになります。ちなみに徳島県には電化路線が全くないので、県民はもっぱら「汽車」と呼称しています。

ごめん

 とさでんの端っこである後免町から電車に乗車します。この路線は高知の中心部にあるはりまや橋を経て、更に西進した先の伊野という停留場までつながっている云わば幹線のような位置付けの路線です。後免町行きの電車は電車の前部に大きく「ごめん」と書かれた行先版を付けているのが印象的でした。現在は反対側の伊野まで直通する電車はありませんが、伊野行きの電車は前面部に大きく「いの」と書かれた行先版が付きます。

手前が一条橋、奥が清和学園前

 とさでんの見所で特筆すべきが「日本一短い駅間」の存在です。途中にある一条橋停留場と清和学園前停留場は60メートルほどしか離れていません。歴史を調べてみますと先に一条橋停留場があり、その近くに清和学園が移転してきたので学生の便を図って清和学園前停留場が誕生しました。その際に元々一条橋を利用していた客に配慮してそのまま残したため、このように駅間が極端に短い配置になりました。

 はりまや橋を少し過ぎた先の堀詰停留場で降車して、高知の市街地で昼食をとります。そのまま徒歩で高知駅へ向かいJRの改札に再入場。ここからは土讃線特急あしずり号に乗車します。あしずり号は高知駅と土佐くろしお鉄道の中村駅・宿毛駅を結ぶ特急です。以前は岡山発の特急南風号が中村駅や宿毛(すくも)駅まで直通していましたが、ダイヤ改正により南風は全て高知駅までの運転となりました。高知駅では南風号が到着したホームの横にあしずり号が停車していることが多く、乗客はスムーズに乗り換えができるようになっています。特急あしずり号に1時間ほど揺られて窪川まで移動します。

特急あしずり号で窪川に到着

 窪川駅は多度津から伸びてきた土讃線の終点です。この先も線路は続いていますが、そこは土佐くろしお鉄道の中村線となっています。窪川の一つ先の若井駅から予土線(よどせん)が分岐しています。そのため、青春18きっぷなどで窪川から予土線へ向かう場合やその逆の行程を取る場合は、窪川~若井の一駅分だけ土佐くろしお鉄道の運賃を支払う必要があります。今回使用しているバースデイきっぷは土佐くろしお鉄道も乗り降り自由なので追加運賃は不要です。

〇魔境・予土線

 閑話休題ですが、予土線はJR屈指の閑散路線で、いわゆる「乗りつぶし」という目的で乗車しようとすると非常に難易度が高い路線となっています。平日に全区間の窪川~宇和島を乗り通せる列車は3往復のみです。本数が少ないのもさることながら窪川駅での乗り継ぎがひどい、というのが何度か乗ってみた感想です。折角ですから2023年8月現在のダイヤを例にとって説明してみましょう。予土線の両端は窪川駅と宇和島駅です。厳密には若井駅と北宇和島駅の区間なのですが、運行形態上全ての列車が窪川もしくは宇和島へ直通しますので、実質的な乗換駅は窪川と宇和島になります。

 まずは高知方面から窪川へきて予土線に乗り、宇和島で松山方面の列車に乗りかえるパターンを想定します。現実的な行程は以下の通りです。

①(高知から接続無し)窪川6:13→宇和島8:37--(3分)--宇和島8:40発特急宇和海
②高知8:20→特急しまんと→窪川9:26--(77分)--
       窪川10:43→宇和島13:29--(30分)--宇和島13:59発特急宇和海
×高知9:53→特急あしずり→窪川10:55では間に合わず
③高知11:42→特急あしずり→窪川12:47--(34分)--
       ※窪川13:21→宇和島16:00--(2分)--宇和島16:02発特急宇和海
※土日のみ運行
④高知15:43→特急あしずり→窪川16:50--(48分)--
       窪川17:38→宇和島20:15--(2分)--宇和島20:17発特急宇和海

といった感じで、窪川→宇和島へ直通する列車は1日最大4本で、うち1本は早朝のため高知からは間に合わず、もう1本は土日のみの運行、残り2本は特急で窪川へ辿り着いて1時間くらい待たされる行程になります。

 反対に、宇和島から窪川へ抜ける方はどうなっているのかといいますと、

①(松山方面から接続無) 宇和島6:00→窪川8:09--(115分)--
  窪川10:04発特急あしずり 普通列車を待つ場合13:09発高知行
②特急宇和海9:30着--(3分)--宇和島9:33→窪川12:07--(62分)--
  窪川13:09発高知行
 ※土日のみ運行
③特急宇和海11:40着--(38分)--宇和島12:18→窪川14:27--(84分)--
  窪川15:51発特急あしずり 普通列車を待つ場合16:31発須崎行
④特急宇和海16:49着--(41分)--宇和島17:30→窪川19:44--(46分)--
  窪川20:30発特急あしずり(窪川最終列車)

と、ご覧の通りどうやっても窪川で足止めを食うダイヤになっています。
ちなみに宇和島駅周辺には駅直結を含めてホテルがいくつかあるため、前泊すれば朝イチの行程は実行可能です(この前やりました)。ただ、窪川駅に朝8時台についても飲食店はおろか目立ったコンビニもなく、駅から徒歩15分くらいのところに四国八十八か所の巡礼地である岩本寺があるくらいです。加えてこの本数の少なさから、途中下車して観光しようにもかなり難しい状態になっています。

 予土線は営業係数(100円を稼ぎ出すのにかかっている費用の目安)が1000を超えており、ただでさえ鉄道運営が厳しいJR四国の中でも飛び抜けて成績の悪い路線になってしまっています。今後もし自然災害などによる被害が出た場合は、復旧費用で折り合いがつかずそのまま廃止・・・という可能性も十分考えられます。

 予土線の悪い所ばかり書いてしまいましたので、魅力も挙げておきます。何といっても車窓からの眺めが抜群に良いです。「日本最後の清流」といわれる四万十川沿いに走るこのローカル線は、川を何度も鉄橋で渡り、その度に美しい自然の姿を見せてくれます。沿線にはフィギュアで有名な海洋堂の博物館があります。またこの海洋堂とコラボした列車も走っています。

四国新幹線は実在した…?

 さらに、この予土線には「新幹線」が走っています。1日3本の超ローカル線に新幹線・・・?となんだか不思議なことになっていますが、実は予土線を走るディーゼルカーのうち1両が往年の0系新幹線を模したフロントノーズを取り付けていたり、それっぽいラッピングの姿で運行しています。車内には実際に0系新幹線で使われていた座席を一部配置してあります。これを一部マニアの間では「四国新幹線」と呼んでいます。

〇トロッコ、もっと活かしてくれ

しまんトロッコ

 予土線について色々お話ししたところで、今回乗車するのはこちら「しまんトロッコ号」です。写真を見ていただければ分かる通り、通常のディーゼルカーの後ろにトロッコ車両が連結されています。通常車両は誰でも普通に乗車することができ、トロッコ車両はあらかじめ指定席券を買っておく必要があります。トロッコも全区間で乗車できるわけではなく、途中の土佐大正駅で指定席券を持っている人だけがトロッコ車両へ移動し、江川崎で再び締切となります。欲を言えば最初から最後までトロッコに乗車させてもらった方が移動も少なくて楽だとは思うのでどうにかして欲しいところですね。

 元々2軸の無蓋貨車であったものを水戸岡マジックによってトロッコ車両に改造されただけなのでレールの振動はかなり伝わってきますが、四万十川の清流をまたぐ鉄橋を渡るたびに風光明媚な景色を十分に味わうことができ、お値段の割には満足度の高い観光列車だと思います。ちゃんと車掌さんが指定券の確認に来ますが、その後乗車記念証などを貰うことが出来ます。と、乗客的にはそこそこ満足な観光にはなるのですが、問題は「沿線にお金が落ちない」ということです。そこにはやはり前述の「本数、乗り継ぎ的に厳しいため途中下車がしにくい」ことや、そもそもお金の落としようがないといった理由があります。せっかく観光列車を走らせているのですから沿線の活性化も含めて検討してもらいたいものです。

ち〜が〜う〜だ〜ろ〜

 ちなみに、予土線には「半家(はげ)」という駅があります。この駅に停まると多くの観光客が駅名板を写真に収めようとします。もう廃止になってしまいましたが、北海道の留萌本線には「増毛(ましけ)」という駅があり、ゲンかつぎで「半家から増毛行き」の切符が売れた時期があったとも聞いています。似たようなコンセプトで一番有名なのは北海道の広尾線で「愛国から幸福行き」という切符がありました。こちらも廃線になってしまいましたが幸福駅跡のお土産センターで今でも同内容の切符を販売しています。

アンパンマン仕様の特急宇和海

 窪川を13時21分に出発、四万十川とお別れして列車は15時57分に終点の宇和島駅に到着します。宇和島は予讃線の終点でもあり、ここから松山方面にはほぼ毎時1本の特急列車が運行されています。次に乗る列車は16時2分発の松山行き特急宇和海(うわかい)号です。これに30分ほど乗って八幡浜へ向かいます。宇和海とは名前が付いているものの海沿いを走る区間はごくわずかで、そんなに海は見ることが出来ません。

 16時33分八幡浜駅に到着、バースデイきっぷの効力は連続3日間で大変名残惜しいのですが、2日目の夕方にて使用を終えることにします。十分に元は取ったと思います。ちなみに車内検札でバースデイきっぷを提示すると「おめでとうございます」と言ってくれる車掌さんが何人かおられました。ちょっといい気分になれます。

〇サンキュー四国

初見殺しの備考が多い

 八幡浜からはいよいよ九州に渡るべくフェリー乗り場へ向かいます。下調べでは八幡浜駅前を16時45分に出るバスで51分に八幡浜港へ到着・・・という予定でしたが、バス停を確認してみると「学校の授業がある日だけ運行」という初見殺しの文字が。お盆なので恐らく授業はないとは分かりますが余所者にはなかなか厳しい判断基準が示されました。仕方がないので駅前でタクシーを拾って八幡浜港へ向かいます。

 八幡浜港で宇和島運輸フェリーの乗船申込書を記入して乗船券を購入。八幡浜港17時25分発→別府港20時15分着 大人片道4,300円です。運航にあたる船がどうやら最近就航したものらしく、船内の設備が新しくて綺麗でした。ゴロ寝シートもあったのでコンセント近くを確保。リュックを枕にしてしばし休憩をとります。八幡浜を出港した船は佐田岬半島に沿って西へ進み、四国に別れを告げたのも束の間、陽が落ちてくるとやがて別府湾に輝く工業地帯の灯りが見えてきて、もう目と鼻の先は九州であることを教えてくれます。

宇和島運輸フェリーのカーペット席 新しい

 フェリーは定刻通り20時15分に別府港に着岸し、他の乗客に混ざっていそいそと下船します。別府港からJRの別府駅までは約2.5㎞、徒歩で40分といったところでこの時間帯ならバスもありますが、ちょうど別府港から海岸沿いに別府駅の近辺までのエリアがアノマリーの対象地域になっていて、バトルビーコンの設置対象であるポータルが点灯していました。当初の目的を果たすべく、ここを歩きながら別府駅へ向かいつつ対象になっているポータルキーを複数本拾って帰ることにしました。1ポータルにつき数本ずつくらい拾って帰れば、使われないなら使われないで良し、地元のAGから希望があれば配ったら喜ばれるだろうくらいの思い付きでした。

丁寧にキーを収集します

 複数個所のポータルキーを丁寧にグリフハックしながら確保しつつ別府駅まで歩いてきたので、約1時間をかけて駅に辿り着きました。別府駅前には「油屋熊八」という実業家の銅像が置かれています。愛媛県宇和島の出身で相場師だった熊八は、相場に失敗した後この別府で旅館業を始めます。別府温泉郷の名を全国に知らしめるべく私財をなげうって宣伝に努めた油屋熊八は「別府観光の父」として、今でも市民に慕われています。

別府駅前の油屋熊八翁

〇音速脱出

 ようやく九州に上陸してキーも十分な数を集め、ここらでひとっ風呂浴びて落ち着きたいところですが、早速九州脱出に向けて動き始めます。今度は別府駅21時51分発の特急ソニックで小倉へ向かいます。特急ソニックは博多~大分間を鹿児島本線・日豊本線経由で結ぶJR九州の特急列車です。元々この区間を走っていた特急「にちりん」を引き継いで当初は「ソニックにちりん」という名称でした。デビュー当初は斬新なデザインの883系電車が採用され、内装も相まって話題を呼びました。その後全身が白いボディの885系電車も加わって内装がさらに豪華になりました。日豊本線のカーブが多い区間を高速で走行できるように振り子制御を行う車体が採用されていますが、この振り子制御のせいで酔ってしまう人も多いようです。885系の方が幾分揺れがマシになっていますので、地元ではたまに「青い方は揺れるのでハズレ」と言われることがあります。

 別府から走ること約1時間、23時8分に北九州の代表駅である小倉に到着。すぐさま降りて乗り換えに走ります。次に乗る列車は23時12分発の下関行き。これを逃すと30分待って最終に乗ることになります。無事に乗り換えを済ませて列車が小倉駅を発車。次の門司駅を出ると九州とお別れです。列車は関門トンネルを潜って本州へ、23時31分に下関へ到着します。

下関到着

 下関に着いたらようやく本日の移動が終わりです。駅近くのホテルにチェックインします。23時を回るとさすがに外食は期待できないので、コンビニで軽食を購入してホテルの部屋で食事をとり、明日の出発が早いこともあって早々に寝ることにしました。

■2022/8/17(水) タダでは帰らない

〇山陰、運行やめるってよ

 下関で4日目の朝を迎えました。四国を満喫し、別府でキーを大量に掘ったのであとは大阪へ戻るだけですが、素直に新幹線や山陽本線で戻ったのでは面白くありません。なので「陽」ではなく「陰」を利用して時間をめいっぱい使用しながら帰ることにします。

山陰本線の発車情報がない、ヤバい

 というわけで下関5時39分発の山陰本線長門市行きに乗車すべく、5時30分過ぎに改札入場、入ってすぐの発車案内を見たところ山陰本線の欄が「調整中」に、あれ・・・嫌な予感がするぞ・・・

アカン(アカン)

 その場で急いで調べてみたところ、大雨の影響で山陰本線の幡生~益田間が不通、迂回しようにも山口線の途中駅である宮野~益田も不通になっていました。仕方がないので気持ちを切り替え、下関5時36分発の山陽本線徳山行きに飛び乗ります。乗車して、各駅のポータルはしっかり触っていきながらなんとか山陰側に出られないか方策を考えます。そして新山口を過ぎたあたりで妙案を思いつきました。下関から乗ってきた普通列車は7時38分に終点の徳山に到着。ここで新幹線に乗り換えます。徳山を7時59分に発車するのぞみ号に乗って8時21分広島で降車。

〇バスがあるじゃないか

 新幹線で広島に着いたらそのまま広島駅の改札を出て新幹線口のバスターミナルへ向かいます。そうすると広島駅新幹線口を9時ちょうどに発車するJRバス出雲市行きに乗車できます。元々の山陰本線ルートでは長門市から益田行に乗り継ぎ、益田からは特急を使って12時10分に出雲市へ到着予定でした。こちらのJRバスを使うと広島駅を9時に出て12時22分に出雲市駅に到着することが出来るので、そこから先は当初の予定通りの行程で旅を進めることが出来ます。ルートは多少異なりましたが、そこはおなじみの「いつもとは違う道を通れるからユニークが増えそう」とポジティブに考えておくことにしましょう。イレギュラーは楽しむものです。

なんとしても山陰に抜けたい想いが辿り着いた手段

 JRバスはほぼ予定通りの時刻に出雲市へ到着。次に乗る列車は12時42分発の米子行き普通列車なので、時間は僅かですが駅舎に入っているお蕎麦屋さんで出雲そばを食べてホームへ向かいます。山陰本線の出雲市より東側は、普通列車の本数こそ少ないものの割とテンポよく乗り継ぎが出来るように考慮されていてそんなに困ることはありません。米子から先の予定ですが、14時59分発の鳥取行きで17時23分鳥取着までのロングラン。鳥取からは17時32分発で18時18分に浜坂、浜坂18時46分発で19時53分豊岡、4分乗り換えの19時57分発で21時21分に福知山に到着できる。こうなるともう関西近郊エリアですので如何様にも移動が可能です。

〇偉大なるローカル線

 しかし、どちらかというと出雲以東は木次線や伯備線のついでに何度も来ていることもあり、出鼻を挫かれたこともあって今回は丁寧に回らなくてもいいかと思い始め、米子から少し早めに帰宅をすることにしました。具体的には以下の列車を乗り継いで帰ります。

米子14:52→特急スーパーまつかぜ→鳥取15:53
鳥取16:21→普通列車→豊岡18:32
豊岡18:33→普通列車→福知山19:52
福知山20:00→特急こうのとり→新大阪21:44

 ちなみにもっと早めようとすると、鳥取で16:55発の特急スーパーはくとに乗れば19:41に新大阪に到着できます。できますがあまりにも特急オンリーというのも味気が無いので少し鈍行でゆったりすることにしました。急いでるんだか急いでないんだか分かんないですね。

絶景 餘部橋梁

 鈍行で行くにはもう一つ理由がありまして、それは「餘部(あまるべ)橋梁」の存在です。上記行程でいくと鳥取~豊岡の間にある餘部という駅は山々を高架とトンネルで貫いているルートの途中に出来た駅で、そのすぐ先にある橋梁の地上高がとんでもない高さにあり、乗っていても外から見ても圧巻の眺めとなっています。ここを列車で通るのが大好きなので、折角だから鈍行で行こうと思いました。

 この餘部橋梁を特急で通過しようとした場合、大阪と鳥取を播但線・山陰本線経由で結んでいる特急はまかぜ3往復のうち、鳥取までの運転がある1往復の列車に乗るしかありません。あとは不定期ですが豪華クルーズトレインのTWILIGHT EXPRESS瑞風に乗るくらいしか方法がないです。個人的な印象ですが、この橋梁には単行のディーゼルカーが良く似合うような気がしています。

 豊岡駅では乗り換え時間が1分しかあしませんが、鳥取方面からの列車が着いたホームの隣に福知山行きの電車が止まっていて、乗り換え客を待ってから発車するようになっていますので慌てる必要はありません。山陰本線は豊岡の二つ鳥取寄りである城崎温泉まで電化されています。ここまでは京都や大阪から電車特急が乗り入れるからです。従って城崎温泉駅や豊岡駅では電車と気動車を同時に見ることが出来ます。

「麒麟が来る」コラボ車両の特急こうのとり

 福知山まで来たら関西近郊都市圏ですので、ここから先は安心して移動できます。山陰本線(嵯峨野線)の京都方面、および福知山線の尼崎・大阪方面行は毎時1本以上の普通か快速が確保されていて、1~2時間に1本特急も走っています。ここからも勝手知ったる庭のようなエリアなので今回はサクッと帰ることに決め、特急こうのとりで新大阪まで直行します。JR西日本の予約サイトから特急券を購入すると、直前の購入であっても割安で購入することが出来ます。あとは席に座って音楽を聴いたり、停まった駅で適当にハックしたりバースターをぶっ放していると100分程で新大阪に到着して無事帰還となります。

■まとめです

それでは改めて、この4日間の行程を振り返ってみましょう。

〇8/14(日)
昼:SecondSunday実行
南海難波23:35→特急サザン→和歌山市0:34
快活クラブで1時間ほど休憩
3㎞歩いて和歌山港へ

8/15移動経路

〇8/15(月)
和歌山港2:40→南海フェリー→徳島港4:55
4㎞歩いて徳島駅へ バースデイきっぷ購入
徳島駅前7:00→徳島バス→鳴門駅前7:36
鳴門8:14→鳴門線→池谷8:31
池谷8:34→うずしお6号→宇多津9:50
宇多津10:01→いしづち5号→多度津10:10
多度津10:48→南風5号→阿波池田11:24
阿波池田11:30→剣山6号→徳島12:45
徳島13:30→牟岐線→阿波海南15:38
阿波海南文化村17:05→阿佐海岸鉄道DMV→海の駅東洋町17:35
海の駅東洋町18:10→高知東部交通バス→室戸ジオパーク18:50
室戸ジオパーク18:55→高知東部交通バス→室戸岬19:04
室戸荘 1泊

8/16移動経路

〇8/16(火)
室戸岬7:21→高知東部交通バス→奈半利駅8:14
奈半利8:55→土佐くろしお鉄道→後免町10:01
後免町10:20→とさでん交通→堀詰11:00
徒歩で高知駅
高知11:42→あしずり3号→窪川12:47
窪川13:21→予土線しまんトロッコ→宇和島15:57
宇和島16:02→宇和海22号→八幡浜16:33
タクシーで八幡浜港
八幡浜港17:25→宇和島運輸フェリー→別府港20:15
別府駅まで歩きながらキー掘り
別府21:51→ソニック60号→小倉23:08
小倉23:12→鹿児島本線・山陽本線→下関23:31
下関1泊

8/17移動経路

〇8/17(水)
大雨のため山陰本線の幡生~益田不通 予定変更
下関5:36→山陽本線→徳山7:38
徳山7:59→のぞみ6号→広島8:21
広島駅新幹線口9:00→JRバス→出雲市駅12:22
出雲市12:42→山陰本線→14:01米子
米子14:52→スーパーまつかぜ10号→鳥取15:53
鳥取16:21→山陰本線→豊岡18:32
豊岡18:33→福知山19:52
福知山20:00→こうのとり28号→新大阪21:44

 と、こんな感じでした。参考に2~4日目の大まかな移動経路の図を付けてあります。トータル移動距離がだいたい1760㎞といったところです。

 いかがでしたでしょうか、移動することの楽しさに取り憑かれてしまった人間はこのような行為を年がら年中やっております。例えばこの後私がどんな風に動いたかと言いますと、妻と一緒に京都のゴールデンカムイ展を見に行ったその足で奥出雲まで行って出雲そばを食べた後津山に一泊し、その翌日に京丹後へ行って美味しい串焼きを食べたり、その翌週には友人AGと一緒に2泊3日の北海道旅行に出かけたり、9月に入って結局、乗り損ねた山陰本線の西側区間に再チャレンジしに行ったりしています。その辺はまた筆が乗ったら別の機会に。

 引き続きこちらではINGRESSにおけるイベント雑感ですとか、新要素の検証、それに今回のような旅行記をちょくちょく書いていきたいと思っています。それでは皆様、よきINGRESSライフを

(最終更新:2023-08-24 0:20)





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